- 下話
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「あ、こ…こんにちは」
声をかけたのは見たことある女性だった。ぼちぼちテレビに出ているモデルだ。生で見るとテレビよりも綺麗で細い!そして漂うオーラもすごい。私は口に着いてたクリームを急いで拭った。
私のこんにちはには返事せず、彼女は続けた。
「あなた、かとりさんの妹ですって?本当に?」
「え、ま、まあ…複雑なんですが」
とりあえずしんごの話に合わせておこう。
「かとりさん、普段私の事何か言ってない?」
「知らないです」
だって本当に知らないし。
彼女がムッとしたのがわかった。
「あんた、本当に妹?違うんじゃないの?あたしの女の勘っていうかさ」
私は何も言い返せずに黙っていた。何故か彼女から悪意を感じる。
「彼と全然似てないしさ、さっきから見てたけどきょうだいの雰囲気じゃないよね。てかあんた勘違いしてない?」
「勘違い?何を?」
「あんたが本当はかとりさんの何なのかはわかんないけど、まさか釣り合うとは思ってないよね?」
そうか。この子しんごが好きなんだ。私も…今まではファンとして好きだったけど、この子は近くでずっとしんごを見つめてたのかな。
若くて綺麗。スタイルもいい。- 0
13/11/25 11:06:43