官能小説得意な方! へのコメント(No.134

  • No.134 慎吾ママ

    13/11/27 23:47:07

    「お待たせ…しました」


    少し恥じらいながらリビングに戻る。しんごはソファーに腰掛け、まだビールを飲んでいたが、私の声に気づいて振り返った。

    「おお~☆いいね~バスローブ。何だかエッチだねー」

    ちょっと照れくさくてうつむいた。

    「じゃ、俺も行ってくる。」

    私の横を通りざまに、肩に手をおき軽く耳にキスをしてしんごもバスルームに消えた。


    「ふー」


    あらためて緊張してきた。喉もカラカラになってくる。私はバーカウンターでカルアミルクを作り、窓にもたれて夜景を見下ろしながら飲んだ。甘くて口当たりのいいカルアはすぐ飲み干せてしまう。でもアルコール度は高めで、ちょっと顔が熱くなる。空になったグラスを置いて、私は腕をくみながら窓におでこをあててまた夜景を見下ろした。窓の冷たさが心地いい。


    一人でぽーっと夜景を眺めていると、色々な思いが渦巻いてくる。

    夫や子供の事…ただしこれはすぐに薄れた。多分これはただの一般人との不倫ではなく、芸能人だから特別な何か…上手く言えないけどここにいることの罪悪感は全く無かった。最低かもしれないけれど。

    そしてしんごのこと…。ずっとファンだったしんごとここにいることは本当に幸せで、例えば明日人生が終わるとしても私は満足だ。私は…。

    でもしんごは?

    もし私とこうしてることがマスコミに、世間にバレたら?ただの情事では無く不倫。たちまちしんごの社会的信用もアイドル生命も落ちてしまうだろう。もしかしたら今見えてる夜景の中に、ものすごく高性能なカメラを持ったパパラッチがいるかもしれない。

    考えれば考えるほど不安になってくる。

    どうしよう…どうしよう。私は大変な事をしてるんじゃ…。


    そんな不安も丸ごと包み込むように、後ろからそっとしんごが両手を回してきた。

    「お待たせー」

    耳元でささやくように言いながら、耳たぶや首筋に優しくキスをする。黒い窓に移るしんごの姿を見ながら、彼の両手に私の手を添える。

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