- 下話
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>>118続き
「上手だね」
ささやくような声でそう言いながらしんごの顔が近づく。スッと指を抜かれ、少し開いたままの私の唇にしんごの唇が重なった。長い長い、唇を合わせるだけのキス。たまに呼吸に合わせて離れ、角度を変えてまた重なる。顔が……熱い。
「舌出して」
またささやくような声で言う。私は戸惑いながら少しだけ舌を出した。
「もっと」
言われるままに出来るだけ伸ばしてみる。しんごがゆっくり吸い付く。
吸い付きながら舌を絡め、上の歯の裏や舌の裏をしんごの舌先が移動する。お互いの唾液を交換するように、私も舌を動かししんごを受け入れる。
キムたくは甘くとろけるようなキスだったけど、しんごは少し激しい。その激しさに私は飲み込まれていく。
キスをしながら私の頭や肩を撫でていた大きな手が、太ももの方へ移動する。膝より少し上の丈のドレスの裾に手を入れて、ゆっくり太ももをなでるように上に上がってきた。
「あ………あのっ」
しんごの胸を両手で少し押し、顔を離した。
「なぁに?ここで帰るって言う?そりゃいつでもって言ったの俺だけどさぁ。」
「い、いや…シャワーを」
「いいよ。いい匂いだよ」
しんごが私の首筋に顔を落とす。
「お、お願い。ね?」
「ん~」
駄々っ子のように唇を尖らす。やだ、可愛い。
「じゃあ一緒に入ろうか?」
「い…いや、一人で」
だって、色々なとこ最終チェックしなきゃ。
「いいよ、行っといで」
優しく微笑んで、しんごはゆっくりと私の体を起こしてくれた。- 0
13/11/27 02:45:18