官能小説得意な方!

  • 下話
    • 109
    • 慎吾ママ
      13/11/25 13:40:29

    「!……………さっきのあの子…何か言われた?」

    私は否定も肯定も出来ず、ただ泣いていた。


    「あの子ねー、前に携帯番号聞かれたけど教えなかったんだ。あの子だけじゃなく、俺ほとんど人に携帯番号って教えないんだけどさ。もしかしたらそれで怒らせちゃったのかな?ごめん、俺のせいで嫌な思いさせて。」

    今度は首を横に振った。

    「おわびさせてって言ったのに、また泣かせてしまって本当にごめん。」

    しんごは掴んだ手に力をこめた。

    「いいんです。少しの間、夢の中にいるようでしたから。ありがとうございました。私、帰りますね。」

    そしてもう二度と会えないだろう。シンデレラの魔法は0時前に解けてしまった。溢れる涙は止まらない。


    「ダメだ。そんな顔したまま帰らせないよ。
    ………ねえ、ちょっと待っててくれる?今度はちゃんと、すぐに戻るから。」

    「?ここで…ですか?」

    しんごは目だけを上に向けて少し考えていた。

    「うーん、そうだな…。10分後に西エレベータで最上階まで来てくれる?西エレベータしか最上階に行けないから気を付けて。パンダのままでいいから。」

    そう言ってしんごは小走りでどこかへ行ってしまった。


    ……………パンダ?


    慌ててファンデを取り出し鏡を見る。


    ああ、パンダだ…。確かにこのままじゃ帰れないな。私、しんごに恥ずかしいとこばかり見られてる。

    約束の10分までの間、パウダールームで直してこなくちや。

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