官能小説得意な方! へのコメント(No.1420

  • No.1420 慎吾ママ

    14/02/05 00:00:27



    「だから…しんごに私だけを見て欲しいとか……
    そんな事願う権利無いんだよ」


    そこまでどうにか言って、口を一文字にギュッと結ぶ。


    「資格なんて…無いの…。住む世界だって」


    しんごは真っ直ぐ私を見つめ、自分の言いたいことだけを吐き出した私の体を静かに抱き寄せる。しんごの腕の中、何度も何度も優しく髪を撫でられる。


    「権利や資格があるとか無いとか住む世界がどうとか…

    そんなもんは俺が決める」


    私は黙って顔を上げ、しんごを見つめ返す。


    「でも……だって」
    「何を怖がってるの?」


    すぐにでもキスが出来そうなくらいの距離に顔をくっつけながら、静かに会話が続く。


    「何が怖い?」


    「全部…」


    「全部?」


    言ってはいけない。これ以上言ってはいけない。

    自分の立場、しんごの立場を考えて、何度も胸の奥にしまいこんだ言葉が、しんごの目を見ていると引きずり出されてしまう。


    「……こうしてることが世間にバレて、しんごが今の地位が壊れてしまうくらい責められると思うのが怖い。
    しんごが傷付くのが怖い。
    ………自分が傷付くのも怖い。
    心の中がしんごでいっぱいになってしまうのが怖い。
    これ以上しんごを好きになって、心も体も忘れられなくなるのが怖い。
    結婚してこの歳になって、弱くなった自分が怖い。
    …若い頃と違って、こういう事で傷付くのに慣れてない。…………んっ…」


    最後の方の言葉はしんごの唇で行き場を失う。



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