官能小説得意な方! へのコメント(No.448

  • No.448 慎吾ママ

    13/12/24 07:41:46

    プルルル


    大分小さくなったポルシェがキキーっと止まる。まだ走っている車がほとんど無いせいか、街にブレーキ音が響く。


    『もしもし、ゆり?もう何かあったの?(笑)』














    「好き………………好きなの。」


    『!?…』


    電話の向こうでしんごの息を飲む声が聞こえる。


    「SMAbのかとりしんごじゃ無くて……………しんごが好きなの」


    自分の言葉で感情が高ぶり、涙が溢れてくる。


    『……うん。わかった』


    ピッ


    通話が切れる。何?その呆気なさ。夕べはあんなに私を求めてくれたのに。


    しんごの素っ気なさが物足りなくて、私は寂しい気持ちでポルシェを見つめる。


    車の窓が再び開いてしんごの腕が出てくる。ヒラヒラと舞うように手を振り、人差し指を立てた後ぎゅっと拳を作る。そして親指を立てた。


    「あれは………」


    考えている間に車は再び発進し、朝もやの中に消えていった。


    あれは『世界に一つだけの花』のサビ部分の手の動きだ。

    気づいた瞬間、また涙がブワっと溢れてきた。今度のは嬉しい涙だった。




    空はだんだん明るくなり人も車もちらほら増え、街が目覚めてくる。新しい一日がまた始まろうとしていた。



    おしまい

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