官能小説得意な方! へのコメント(No.267

  • No.261 慎吾ママ

    13/12/12 02:26:59

    でも一人でシた後はすごい虚無感に襲われた。そして切なくなってテレビの中のしんごを見られなくなった。


    ただのファンだった時より、繋がる事が出来た今の方が切なくて辛いなんて…。あの時間の後は例え人生が終わっても後悔はないとか、思い出を胸に生きていけるとか思っていたのに。

    毎日欠かさず聞いていたSMAbのアルバムすら聞けず、代わりにB'zの「Easy Come,Easy Go!」ばかり聞いていた。


    『濃密な夜を思い出せば、泣けてくるほど切ないのに』


    今の私はまさにこの曲のままだった。

    入れたコーヒーが冷めてしまっても手をつけず、私はテーブルに肘をついてボーっとテレビを眺めていた。


    『SMAbはほかは誰も結婚せぇへんのか?もうみんなええ歳やろ。俺が言うのも何なんやけど』

    いわしが軽快な話術で話を振る。

    『ボックはねー、結婚願望あまり無いんですよねー。寝る時なんか一人で寝たいんですよ。しんごはどうなの?』

    ナカイ君が話す。

    『うーん、ボクも無いかなー。今はお酒と世界に一つだけの花があればいいの』

    『何やそれー(笑)』

    子供がテレビの前できゃっきゃと笑う。

    「ねえママー、しんごだけ花が違うよー」


    「花?」

    SMAbのメンバーはクリスマスカラーの真っ赤なスーツを着て、クリスマスに合う花をコサージュとして着けていた。でもしんごの花だけ種類が違う。


    「しんごの花、何ていうやつー?」




    …………………………百合だ。


    思わず肘についていた顎を離し、テレビをよく見るために背筋を伸ばした。

  • No.267 慎吾ママ

    13/12/13 01:51:31

    >>261続き

    季節外れの百合…。どうして。

    胸がトクンと小さく鼓動する。

    『世界に一つだけの花って、アレか?コレか?』

    テレビの中でいわしが小指を立てる。

    『いわしさん、僕達一応恋愛禁止なんで(笑)』

    ナカイ君が胸の前で両手の人差し指を出して小さくバツを作る。


    『そ、ボクは今この花があればいいんです』

    しんごは胸に挿してあった百合を手に取り、目を閉じてスーッと匂いを嗅いだ。


    『どうしたの、しんご。さては酔ってるの?』


    しんごの隣に座っているつよぽんが優しく肩に手をおいて覗きこむ。


    『ちょっと、カメラ止めてー(笑)』


    ナカイ君が大きく手を振りながらカメラの前に出る。スタジオ内ではクスクス笑い声が聞こえる。

    メンバー内では末っ子のしんごがふざける。それを他のメンバーがそれぞれのフォローで受け止める。いつもの見慣れた場面。他の視聴者にはそうだろう。


    でも私は何故だろう。百合の花に顔を寄せるしんごから目を離せなかった。画面の向こうの唇から目を離せなかった。


    抑えていた想いが溢れそうになり、私は唇に指をあて食い入るように画面を見つめた。

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