官能小説得意な方! へのコメント(No.303

  • No.287 慎吾ママ

    13/12/14 00:21:13

    どれくらい抱き合っていただろう。しんごの胸が私の顔から少し離れ、ふたたび頬を手で包まれる。手で包んだまま、親指で何度も私の唇をなぞりその動きをじっと見つめたまましんごの顔が近づく。私は少し上を向き、しんごの唇を受け入れた。


    ジン、と胸が熱くなる。


    会いたかった。あの出来事を夢だと思い込みたくなかった。ずっと………この感触が欲しかった……。


    しんごの唇がハムハムと動く。私は軽く顔を離し、しんごの顔を確認するかのように見つめた。しんごも見つめ返してくる。再び唇を重ね、優しくゆっくり入ってくる舌に自分の舌を絡めた。


    ピチャピチャ…

    お互いの唾液を交換する音。


    「ん…んふっ」


    チュッと最後に軽く吸い、しんごの顔が離れた。


    「どうする?」


    おでことおでこをコツンと合わせ、いつものゆっくりとした口調でしんごが話す。


    「デートしたい……けど…」



    無理だよね。しんごは目立つ。変装しててもシルエットで気付く人もいるだろう。ファンなら尚更だ。実際私もすぐわかった。ここでこうしてる事でも、マスコミだけじゃなく他の人に見られてないかと思うと気が気じゃない。


    「いいね、デート」

    しんごはポンっと私の頭に手を乗せる。

    「え?いいの?でも…」


    「ちょっと待って」


    しんごはあちらを向いてどこかに電話をかけた。

  • No.303 慎吾ママ

    13/12/15 12:46:48

    >>287
    続き


    しばらくしんごは電話で話していた。何ヵ所かかけていたようだ。

    「オッケー、行こう!」

    スマホをポケットにしまい、マスクをかけ直してしんごはパッと私の手をとって引っ張った。

    ドキっとした。男の人と手を繋いで歩くのも何年振りだろう。しんごの手も冷たい。もしかしてしんごもずっと外にいたのかな。

    「行くって、どこに?」

    私は手を引かれるまま着いていく。

    「とりあえず車乗ろう。俺電車乗れないし。ていうか、乗り方もわかんないかも(笑)」

    クスッ

    思わずちょっと笑う。やっぱり普通の人とは違うんだ。

    私達はすぐ近くのビルの地下にある駐車場に入った。人気は無い。誰かに見られている様子もない。地下だと見つかりにくいのかな?一番隅っこの方に、きれいに整備されたポルシェが停まっていた。


    「乗って」


    右側の扉を開けてくれる。左ハンドルの車に乗るのは初めてだ。

    「これ、しんごの車?」

    「デートにマネージャーの運転するワゴンは無いでしょ(笑)仕事の車をプライベートで使うと怒られちゃうよ。俺達、あまり運転するのもいい顔されないけどね」


    しんごも運転席に乗り込み、シートベルトを締めながら話す。

    そうか。事故に合うとニュースになるもんね。起こしても起こされても。


    「でも今日は特別」

    ブロンッ

    エンジンをかけ、車が発進する。薄暗い坂を上りきり、地上に出た。ファーっと車内は明るくなりこれからお出かけするんだという気持ちが高まりウキウキしてきた。子供みたい(笑)

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