- 下話
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「違っ、私なんかが来ても良かったの?だっ‥」
私が言い終える前に、しんごがガバッと抱きついてきた。
持っていたバッグと荷物が落ちる。
「会いたかった‥
ゆり、ずっと会いたかった‥」
しんごの抱きしめる力が強くなる。
そっと私もしんごの背中に手を回す。
そのままどれくらい経っただろう‥
しんごは抱きしめていた力を緩めたかと思うと、両手で私の頬を包んだ。
ジッと確かめるように私を見つめてくるしんごの目を、私もジッと見つめ返す。
しんごが優しく唇を重ねてくる。思わず私は全身の力が抜けた。
何度も何度も唇を重ね、しんごの激しい息づかいを感じる。- 0
14/09/20 15:12:20