官能小説得意な方! へのコメント(No.703

  • No.658 慎吾ママ

    14/01/02 00:44:41

    控え室でモニターを観ながらメンバーは軽食や飲み物を取ったり、ステップの確認をする。先に気持ち良さそうに活躍する後輩たちの姿に背中を押される思いがする。もうすぐ出番だ。


    「しんご」


    ツヨポンが大丈夫か?と言いたそうな目で俺を呼ぶ。


    「だーいじょうぶ」


    「SMAbさーん、スタンバイお願いしまーす」


    俺が拳で胸をドンドンっと叩いて笑顔を見せると同時にスタッフが呼びに来た。


    今はファンの為だけの時間。


    「行くぞーっ!!」


    舞台裏で小さく円陣を組み、気合いを入れて俺達はステージに躍り出た。


    割れんばかりの声援に押し潰される………のは小物のやる事。俺達はその受けたパワーを倍にして弾き返す。


    やっぱり生ライブのステージは最高だ。照りつけられるライトと観客の熱で汗が流れる。それでも俺達は歌い、踊り、走る。


    順調に演目が進み、歌いながら観客席の間にぐるりと円を描くように作られた通路を歩く。握手を求めて何本も腕が伸びてくる。時間に限りがあるので一人一人にしっかり握手をしていられない。マイクを持っていない方の手でちょんちょんとタッチしていく。


    それはSMAb応援ゾーンでなくても同じ事だった。後輩のオスマイファンの席でもみんな手を振って握手を求める。嬉しくて自然に大きな笑顔になり、そこでもタッチで返す。


    チョン、チョン、チョン、チョ…………………



    ぶっっっ!!



    タッチの最中、思わず吹き出した。


    「ゆっ………」

  • No.703 慎吾ママ

    14/01/04 01:27:20

    >>658
    続き


    タッチを交わしていた観客の後ろの方に、よく知っている顔があった。思わず2度見してしまった。吹き出したのが間奏中で良かった。曲に合わせて早足で通路を歩いているのでその姿はすぐに後ろに流れていった。


    ………けど彼女だった。


    てか何でいんの?てか何でオスマイゾーンなの。てか何?あのタイピーと書いたうちわ。


    一瞬だったが意外によく見えてるもんだ。


    いやいやいや、今はとにかく集中集中。


    歌詞に入る前に俺は建て直し、全然問題ナイ感じで大歓声に包まれた。


    出番が終わりステージを降りてメンバーとハイタッチを交わす。興奮冷めやらぬまま控え室に戻り、ライブの成功に誰ともなくふーっと大きく安堵の息を漏らす。


    モニターでは次のアーティストと、盛り上がっている観覧客をたまに映す。俺は思わず彼女の姿を探す。見つからない…。何度かそれを繰り返しているうちに、ライブはフィナーレの時間を迎える。


    「ステージに集合お願いしまーす」


    出演アーティストがまた全員舞台に揃い、本日一番の歓声の中スーパーライブは終了した。



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