官能小説得意な方! へのコメント(No.655

  • No.648 慎吾ママ

    14/01/01 03:39:58

    女優とは、世間一般で言うとこのセフレだった。お互い愛情があるわけではない。前に付き合っていた彼女と別れ、たまに溜まる性を発散させるためだけの存在。


    芸能人の中には風俗に通ったり複数の同業者やファンに手を出してるやつもいる。それよりはお互い割り切ってるわけだし、他に何人もいるわけでもないし、はるかに健康的だろう……と俺は思ってる。


    「もうそれもお・し・まいっ………と」


    削除の表示を押すと女優の番号が消え、一覧が出てくる。


    ……………そこに彼女の名前も浮かび上がる。その名前にそっと指をあてると彼女の電話番号が大きく表示される。


    仕事モードに切り換えたはずの脳裏に、昨日の出来事がブワッと蘇る。


    「あーーーーっ!」


    かき消すように片手で頭をくしゃくしゃにし、スマホの電源を切る。


    「もう着きますよ」


    マネージャーにそう言われ、朝食にとそこに置いてくれていたおにぎりを口に詰め込んだ。


    次は年末ライブのリハで、メンバーが全員揃う。こんな気持ちのまま行けばまずキムラくんに怒られちゃうだろうな。


    「うっし!!」


    おにぎりを全部口に押し込み、お茶で流し込んで気合いを入れ直した。

  • No.655 慎吾ママ

    14/01/02 00:35:55

    >>648
    続き


    「はい、それではSMAbさんリハーサル入りまーす」


    本番と同じ衣装を着て決められた立ち位置を確認する。歌やダンスは何度もやっていることなので本番ほど力は入れないが、ステージの形が違うので他のライブと間違えないよう神経を使う。年末のこの時期はとにかく歌番組が続き、新曲以外は選曲も変わるのでごっちゃにならないようにするのが大変だ。


    順調に2曲が終わり、残りはもう1曲と新曲のみになる。他のメンバーもなかなかのいい仕上がりにテンションが上がってきたのか、お互いに笑顔で舌を出したり指をさしたりする余裕が出てきた。


    次の曲が流れる。バラードなのでメンバーの顔からさっきまでの笑顔も消える。軽く歌いながら位置を間違えないようにステップを踏む。


    最後の大サビにかかった時、急に音楽が止まった。


    「はーい、一旦止めまーす」


    ADが大きく両手を振って合図を送る。


    なんだ?


    他のメンバーが俺を見る。


    俺?何かとちったか?


    「おい、しんごどうした?」

    何がだよ


    キムラくんが心配そうに声をかける。
    ゴローちゃんも眉を潜めて近付いてきた。

    何だよ、ゴローちゃんまで


    「しんご、どうして泣いてるの?」







    「………………………え?」


    俺は自分の目の下に指をあてる。知らない間に涙が頬を伝っていた。

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