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お正月用品、何買いましたか?
14/01/18 23:01:04
「ちょっっ…本当に大丈夫?警備員呼ぼうか?とりあえず降りよう」 エレベーターを降りて、すぐ近くにあった階段に腰掛ける。 「本当に大丈夫、そんなんじゃないから。ごめん、5分で立て直すからちょっと待って」 私の肩に手を置き、心配そうに見ていたマキがバッと立ち上がる。 「わかった。じゃあちょっとコーヒー買ってくる。5分で戻るからそこで待ってて」 マキが離れた後もすぐには涙は止まらなかった。手袋の上からだったのに握られた手がまだ熱かった。その熱を逃したくなくて私はずっともう片方の手で包んでいた。その包んだままの手を口許にあて、首を落としたまま泣いた。 私………ちゃんとこんなに好きだったんだ………。 手を握られた、ただそれだけなのに全身を嬉しさと切なさで一気に覆われてしまった。胸がぎゅうっと苦しい。これだけ苦しくなるくらい、私の中は彼でいっぱいだったんだ…。 胸の痛みの代わりに頭の中にかかっていた靄はゆっくり晴れていく。それと同時に涙も止まる。 立ち上がり、大きく深呼吸をした所にマキが帰ってきた。 「よし、白!!」 「え?ブラックだよね?」 マキがきょとんとして買ってきたコーヒーを渡してくれた。 「ありがと。もう大丈夫!これ飲んだらマキが言ってたとこ行こう」 「その前に化粧室ね。顔直しなよ(笑)」 二人でコーヒーを飲みながら笑う。 結婚して、子供を産んで、アラサーになって………私は人生最大にして最後の恋にどっぷりと堕ちてしまった。吊り橋効果なんてもんじゃない、細い細い……綱渡りだ。 この許されない恋はそのうち身を焼くかもしれない。ドロドロに汚れるかもしれない。堕ちるとこまで堕ちてしまったとしたら、その先に何があるのか全くわからない。 それでも彼が私の手を握ってくれるなら、私も彼の手を握り返したい。 たとえそれが、家族と彼は絶対に傷付けたくないという自分の良心との狭間で、身も心も引きちぎられるような思いをすることになったとしても。 おしまい
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古トピの為、これ以上コメントできません
14/01/19 00:32:46
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No.1043 慎吾ママ
14/01/18 23:01:04
「ちょっっ…本当に大丈夫?警備員呼ぼうか?とりあえず降りよう」
エレベーターを降りて、すぐ近くにあった階段に腰掛ける。
「本当に大丈夫、そんなんじゃないから。ごめん、5分で立て直すからちょっと待って」
私の肩に手を置き、心配そうに見ていたマキがバッと立ち上がる。
「わかった。じゃあちょっとコーヒー買ってくる。5分で戻るからそこで待ってて」
マキが離れた後もすぐには涙は止まらなかった。手袋の上からだったのに握られた手がまだ熱かった。その熱を逃したくなくて私はずっともう片方の手で包んでいた。その包んだままの手を口許にあて、首を落としたまま泣いた。
私………ちゃんとこんなに好きだったんだ………。
手を握られた、ただそれだけなのに全身を嬉しさと切なさで一気に覆われてしまった。胸がぎゅうっと苦しい。これだけ苦しくなるくらい、私の中は彼でいっぱいだったんだ…。
胸の痛みの代わりに頭の中にかかっていた靄はゆっくり晴れていく。それと同時に涙も止まる。
立ち上がり、大きく深呼吸をした所にマキが帰ってきた。
「よし、白!!」
「え?ブラックだよね?」
マキがきょとんとして買ってきたコーヒーを渡してくれた。
「ありがと。もう大丈夫!これ飲んだらマキが言ってたとこ行こう」
「その前に化粧室ね。顔直しなよ(笑)」
二人でコーヒーを飲みながら笑う。
結婚して、子供を産んで、アラサーになって………私は人生最大にして最後の恋にどっぷりと堕ちてしまった。吊り橋効果なんてもんじゃない、細い細い……綱渡りだ。
この許されない恋はそのうち身を焼くかもしれない。ドロドロに汚れるかもしれない。堕ちるとこまで堕ちてしまったとしたら、その先に何があるのか全くわからない。
それでも彼が私の手を握ってくれるなら、私も彼の手を握り返したい。
たとえそれが、家族と彼は絶対に傷付けたくないという自分の良心との狭間で、身も心も引きちぎられるような思いをすることになったとしても。
おしまい
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No.1056 慎吾ママ
14/01/19 00:32:46
---episode---ゆり
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