官能小説得意な方! へのコメント(No.1042

  • No.1042 慎吾ママ

    14/01/18 23:00:14



    扉が開ききる直前、私はマキがいる方の反対側の手を突然誰かに握られた。


    「!?」


    咄嗟のことで声が出ない。


    痴漢?


    ほんの少しだけ、恐る恐る首を横に向ける。


    「白」


    すぐそこに立っていた背の高い男性は、私にしか聞こえないくらいの小さな声でボソっと呟いた。そして握った手をもう一度ぎゅうっと固く握り、エレベーターを降りる人の流れに乗ってスッと去って行った。


    「嘘……………」


    私がよく知っているその後ろ姿はすぐに人混みに紛れて視界から消え、扉が閉まる。


    私は握られた方の手を胸にあて、もう片方の手で包む。


    「どうしたの?さっき降りてったやつ、どっか触られた?」


    少し怒り気味にマキが心配してくれる。


    「うん………え?あ、ううん」


    どうして手袋を外してなかったんだろう。外しておけば良かった。


    些細な事だが後悔する。


    「大丈夫、何もされてな………」


    自分の意思とは関係無しに、突然涙がボロボロと溢れてきた。


    チーン


    エレベーターが地下に到着する。


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