戦争をすると言った人 へのコメント(No.303

  • No.302 続き

    13/03/29 08:05:43

    >>301
    ■7.明治末から始まっていた日貨排斥

     日貨排斥は、「日本の中国侵略」に対抗するための中国側の正当な手段である、と主張する向きもあろうが、実は「日本の中国侵略」のはるか以前から始まっている。


    『シナ人とは何か 内田良平の「支那観」を読む』は、日貨排斥の始まりについて、次のように説明している。

     明治時代には清国から多くの留学生が日本を訪れ、また孫文など革命家を日本が支援していたので、日中関係は良好だった。
    __________

     雲行きがおかしくなったのは、辛亥革命後、清朝軍閥の生き残りである袁世凱と革命派が妥協して袁が新「中華民国」の大総統に就任した「南北妥協」(明治45年1月)の頃からである。

     袁は革命派鎮圧のため清朝政府から全権を授けられながら模様眺めをした老獪な人物である。

    彼は革命派の弱体を看て取り、革命により自国権益が回収されることを恐れるイギリスを後ろ盾に、革命派と日本の離間を図り、日本に満洲侵略の意図ありとの風説を流した。

     動乱の責任を日本になすりつけ、漢民族大衆の「中華」意識から発する排外主義に火をつけた袁の術策は当たり、大衆は日貨排斥に走った。

     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

     袁世凱は革命派を追い落とすために、その後ろ盾になっている日本に対してボイコットを仕掛けたのである。

    西洋の侵略からアジアを守るために、一刻も早く中国に近代化してほしいと孫文ら革命派を支援してきた日本としては、思いも寄らぬ仕打ちだった。

    「南北妥協」の明治45年と言えば1912年。

    「日本の中国侵略」の端緒と言われる満洲事変が始まったのが1931年(昭和6年)、さらにその淵源と言われる対華21ヶ条要求でも1915年(大正4年)である。

    続く

  • No.303 続き

    13/03/29 08:12:04

    >>302
    ■8.「賢者は歴史に学ぶ」

     袁世凱の日貨排斥の成功に学んだのは、蒋介石率いる国民党であった。

    昭和初年に、満洲の支配者・張作霖を打倒するために、張を「日本の傀儡(かいらい)」として、大衆の排外ナショナリズムを燃え上がらせ、日貨排斥を広めたのである。

     このように排外ボイコットは、中国社会に深く根ざした伝統であり、外国と対立すれば、ごく自然に「ボイコットで圧力をかけよう」という発想が浮かび上がる。

    戦前は日本からの石炭輸入阻止、現代では日本へのレアアースの出荷制限、とその具体的な手段は変われど、発想はまったく同じである。

     したがって、今後も日中摩擦が起こるたびに、排外ボイコットは常套手段として繰り返される可能性がある。

    「誠意を尽くして話し合えば」とか「過去の侵略の真摯な謝罪をすれば」で、解決する問題ではない。

     これに対抗するには、排外ボイコットは自分の首を絞めるだけと中国に理解させる事が必要である。

     たとえば、今回、初めて中国はレアアース輸出制限というカードをちらつかせた。

    国内需要の9割以上を中国から輸入している米国では、即座に下院がレアアースの自給体制の確立を目指す法案を可決した。

    我が国でも大畠経産相が「補正予算でレアアースの安定供給のための対策を検討する」と語った。

     レアアースの生産では中国が世界の97%を占めているが、埋蔵量自体は世界の3割超に過ぎない。

    中国のレアアースの独占的供給は以前から危険視されていたが、今回、そのカードを実際にちらつかせてしまった事で、賢明な国はそのリスクに気がつき、一斉に対中依存から逃げ出していくだろう。

     同様に賢明な企業は貿易や工場投資なども中国向けを減らして、ベトナムやインド、ブラジルなど、より安全な新興国に向けていくだろう。

    「賢者は歴史に学ぶ」とはこういう事である。

    (文責:伊勢雅臣)

    ■参考■
    a. JOG(043) 孫文と日本の志士達

    b. JOG(319) 山田良政・純三郎兄弟 ~ 孫文革命に殉じた日本武士


    1. 産経新聞、H22.10.02『「中国は脅威」7割』

    2. 渡部昇一(解説・編)『全文 リットン報告書』★★、ビジネス社、H18

    3. 宮崎正弘・内田良平研究会編著『シナ人とは何か 内田良平の「支那観」を読む』★★、展転社、H21.10.18

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