嵐(妄想・小説) (2ページ)

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ママ達の声

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51件~100件 (全 5020件) 前の50件 | 次の50件
    • 12/11/20 08:09:44

    雅紀「誰かぁ~書いてよぉ~」

    • 0
    • 12/11/20 06:45:42

    和也「じゃあ大野さん書いて下さい」

    • 0
    • 12/11/20 00:22:14

    智「誰か書いてよ」

    • 0
    • 12/11/19 22:00:21

    翔「誰か書いてよ」

    • 0
    • 12/10/12 02:38:18

    翔ちゃん

    久しぶりのデート。
    …って言っても彼女の家でまったり。外出は厳しいし、付き合ってまだ浅くて、なかなか会える時間もなくて。
    二人でくだらない事で笑ってる『今』が本当に幸せなんだ。

    『そろそろ帰ろうかな』

    そう言いながらウーーーンとソファーにもたれたまま背伸びをして立ち上がった。

    --------
    『また連絡するから』
    玄関で靴ひもを結びながら言った。
    背中に彼女の気配はあるのに返事は無い。
    紐を結んで立ち上がった瞬間、彼女が後ろから抱きついてきた。

    『今日はスゲー積極的じゃん』

    「だって次いつ会えるかわかんないもん、だからくっついとこーと思って」

    何とも無いように言ってたけど、声が震えてた事にはすぐ気づいた。
    それに耐えれなくて、俺は正面から抱き締めた。力いっぱい。強く、強く。

    自分の心臓がうるさい。

    「翔ちゃんの心臓うるさいね(笑)」


    『うっせーな(笑)お前のも一緒だよ。』

    抱き合いながら二人でクスクス笑った。

    『もっとくっついてみる?』

    そう言って体を、ちょっと離して彼女の顎を人差し指で少し上げてキスをした。

    軽く触れるだけのキス。

    唇が離れて目が合う。
    彼女の潤んだ瞳は真っ直ぐ俺を見ていた。
    きっと俺の顔は真っ赤だろーな。
    ダセー

    『あんま見んなよ』
    「フフ」

    お互い照れて笑った。
    あまりにも彼女がかわいくて。

    もう一度キス。
    今度は深く深く…

    何度も角度を変えて彼女と触れた。

    『今夜泊まってってもい?』

    彼女はコクンと小さく、恥ずかしそうに頷いた。

    • 0
    • 12/10/09 00:41:53

    【ニノ】


    地上を遥か下に臨むマンションのベランダから、ここよりもさらに高いタワーを遠くに眺める。
    青い空に、おいしそうなふんわりした雲が点在する、朝の空。

    カズくんと迎えた朝はこれで何度目だろう。


    「あっ…」

    一瞬タワーの上空に、虹が見えた気がした。

    「気のせいか…」

    まるでカズくんみたいだと思った。
    美しくて、たくさんの光に照らされて輝いていて、でもその存在は儚い。


    『何してんの?』

    優しい声が後ろから私を包む。

    「カズくん。おはよ。」

    『おはよ。』

    目を細めて愛しそうに私を見つめる。

    『どうした?ベランダなんか出て。』

    「うん…あのね、タワーの上に、虹が見えた気がして。」

    『虹?』

    「そう。でも…見えたかもって思った瞬間に消えちゃった。」

    『そっか…。』

    今度はカズくんの身体が、私の身体を後ろから包み込む。
    背中にカズくんの体温が満ちてくる。

    「一瞬だったけどね、すごくキレイだったの。まるで…」

    『まるで?』

    耳元でカズくんが囁く。
    くすぐったいけど、心地良い響き。

    「ううん。なんでもない。」

    『まるで俺みたいとか言うなよ。』

    「…えっ?」

    『俺は消えたりしないだろ?』

    「あ…」


    カズくんには私の心が見えるのかな。
    いつも気持ちを読まれてしまう。
    思ってること、考えてること、したいこと、全部。

    長い長いキスのあと、少し潤んだ目でカズくんは再び囁く。

    『ベッド行く?』

    「え?どうしたの(笑)?」

    『いいじゃん。行こ?』

    「カズくん…そんな気分?」

    『ううん。』

    「え(笑)?じゃあなんで…」

    『おまえがそんな気分だろ?』


    カズくんに手を引かれ、ベッドに倒れ込む。
    唇が触れるか触れないかの距離で止まって、カズくんは言った。

    『俺は消えたりしない。どこにも行ったりしない。おまえがいるから。』


    何度も昇りつめて、落ちて、それから果てた。

    カズくんから降り注ぐ『あいしてる』の五文字が、私の身体を駆け巡って、全身を震わせる。


    どこにも行かないで。
    ずっとここにいて。

    あの虹みたいに、儚く消えてしまわないで。


    『どこにも行かないよ。』


    お願いだから、どこにも行かないで。

    • 0
    • 12/08/27 00:15:45

    松潤。


    大きな仕事が終わった後、彼は必ず家にやって来る。それが例え深夜でも。

    ―カチャ。

    静まり返った部屋に響き渡る、ドアを開ける音。目を覚まし時計を見ると、もう早朝に近い時間だった。
    リビングに明かりが灯り、彼の小さな溜め息が聞こえる。

    「潤。お疲れ様。」
    『ごめん!起こしちゃった?』
    「ううん、大丈夫。」

    ソファに座る彼を、後ろからそっと抱きしめる。回した手に、彼の手が重なる。

    「お疲れ様。」
    『うん。』
    「見てたよ、ずっと。」
    『そっか。』
    「素敵だった。」

    表情は見えないけど、優しく微笑む彼が想像できた。
    ゆっくり後ろを振り返り、頭を撫でてくれる。

    『すっぴんだ。』
    「当たり前じゃん(笑)寝てたんだから。」
    『そっか。』
    「あれ?潤酔ってる?」
    『ちょっとね。…てかこっち来て。』
    「うん。」

    広げられた彼の腕に寄りかかる。

    「潤、眠そうだね。」
    『うーん、ちょっとね。』
    「ベッド行く?」
    『…大胆だな(笑)』
    「そういう意味じゃなくて!…泊まらないの?」
    『ううん。泊まるよ。』

    私に身体を預けるように抱きしめてくる。その背中をゆっくり撫でる。

    「今日はゆっくり寝な?」
    『うん。』
    「明日仕事は?」
    『2日間オフ。』
    「えっ?2日間も?」
    『うん。』
    「珍しいね。」
    『…うん。』
    「もう…半分夢の中だね(笑)潤、寝よう?」

    立ち上がると、彼は私の手を握った。上目遣いに見る目があまりにもキレイで、私の鼓動は速くなる。

    「あ…行こう?寝ようよ。」
    『一緒にいたい。』
    「ん?」
    『お前と一緒にいたい。』
    「う、うん。明日は私も休みだから…どこか出かける?」
    『明日だけとかじゃなくて、2日間とかじゃなくて。ずっと一緒にいたい。』
    「潤…」

    彼も立ち上がり、じっと私を見つめてくる。

    『帰ったら、いつもお前にいてほしい。』
    「どうした?潤。」
    『ずっと一緒にいよう?』
    「え…あ、当たり前じゃん(笑)ずっと一緒にいよう。」
    『良かった。』

    彼は私に深く口づけて、ベッドに入るとすぐに眠ってしまった。すやすやと寝息をたてて。

    「本気なの?」

    寝顔に問いかけても返事はない。

    「ああいうことは酔ってないときに言ってよね。」

    頬をつついても反応はない。

    辺りは少しずつ明るくなり、1日の始まりを告げていた。
    彼にぴったりとくっついて、ベッドに入る。

    「おやすみ。」

    すると彼の腕が私をしっかり抱きしめた。
    彼の温かさに包まれて眠る。この時がずっと続くよう祈りながら。

    • 0
    • 12/08/23 20:04:50

    【松潤】
    玄関に見慣れた靴があるのに気づいた。
    「来てたんだ。」
    テレビの前でくつろいだ姿を見せる潤。
    『予想外に早く終わったから。』
    久々に見た潤の笑顔。その笑顔が嬉しくて恥ずかしくて、私はベッドルームに向かう。

    『嬉しい?』
    ピアスを外し、部屋着に着替えている私に飛んできた言葉。振り返ると潤がドアの所に寄りかかっていた。
    「秘密。」
    私は潤を気にせず着ていたシャツを脱ぐ。
    私の体にスッと腕が伸びてきて、肩に潤の顎が乗る。
    『ねえ、嬉しい?』
    「今着替え中。」
    『知ってる。嬉しい?ねえ。』
    少し甘い声が聞こえてくる。
    『俺に会えて、嬉しい?』

    嬉しいに決まってる。
    私の答えを知っててわざと聞くんだ。潤は。
    「自分の時間が出来たなら、自分の興味ある事したらいいのに。」
    可愛くない返事に対しての返事。
    『お前以外に興味はない。』

    私の肩に軽くキスをしてリビングに戻っていく潤。

    嬉しいっ!て叫びたい気分。

    本当は潤だってやりたい事がたくさんあるはず。それでも私を一番にしてくれたんだから、嬉しいに決まってる。

    急いでTシャツを着て髪を束ねながらリビングに行く。今夜は嬉しいって言ってみよう。潤に会えて嬉しいって。

    END

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    • No.
    • 4962
    • にのみやさん☆

    • 12/08/19 09:23:20

    久しぶりに…
    微妙ですみません。



    ピンポン、ピンポーン

    部屋のチャイムが鳴る。
    ー誰だよ…
    そう思いながらも疲れていたオレは、横たわったまま目を瞑る。



    ピンポン、ピンポーン…
    何度となく部屋にチャイムが鳴り響く。
    この鳴り方で、アイツだとわかりオレは玄関へと向かった。


    和「はい。どちら様?」
    『あっ、やっぱりいたー!!あたし!!開けて!!』
    和「また来たの?ったく、ヒマだね~」
    そう言いながら鍵を開けると、勢い良くドアが開かれ、彼女がオレより先に部屋の中へと入っていく。

    和「今日はどうしたんですか?」
    『久しぶりにカズくんと飲もうと思って!』
    そう言うと、コンビニの袋の中からビールを差し出す。

    和「久しぶりにって、先週も来たじゃん(笑)ったく、一緒に飲んでくれるヤツくらいいねーの?」
    『いるじゃん、ここに!』

    彼女は昔オレが好きだった幼馴染みで、数ヵ月前に偶然再会してからこうしてたまに一緒に飲むようになった。


    オレより2つ歳上なのに、どこか子供っぽいところもあって何だか放っておけない。
    オレがまた彼女を好きになるのにそう時間はかからなかった。
    多分…向こうもオレのことが好きだ。
    でも、お互い一歩を踏み出すことが出来ないでいる。



    二人で飲み始めて一時間くらい経ち、だんだん酔ってきた。

    『ねぇ、ねぇ、嵐のDVD 見よっ!嵐会!!』
    和「イヤですよ。だいたい本人目の前で嵐会って…」
    『いいのっ!!』
    そう言うと、慣れた手つきでDVD をつける。

    『カズくんも、こうして踊ってるとカッコいいね~』
    和「普段だってカッコイイだろ~」
    『アハハ。そうだね~
    あっ、翔ちゃん!!やっぱカッコイイなぁ』
    彼女はいつも翔ちゃん、翔ちゃん騒ぐ。
    それが今日は特に面白くない。

    和「なぁ…オマエさぁ、オレのことどう思ってんの?」
    『えー、どうって!?気の合う友達?』
    TVから目を離すことなく答える。

    和「そうじゃなくって…」
    そう言いながら、オレは彼女の肩を掴み、自分の方へと向けさせた。

    『カズくん、急にどうしたの!?』
    和「いいから、答えて。オレのことどう思ってる?」
    もう一度同じ質問をする。

    『どうって…カズくんのことは好きだよ、それがどういう気持ちかわからないけど…カズくん嵐だし…』

    目線を下に落とし、ゴモゴモ答える彼女が愛しくてオレは彼女の顔を両手で包み込み、キスをした。


    彼女は驚いて、両手でオレを突き離す。彼女の手首を掴み、彼女を引き寄せる。

    和「オレのこと、好き?」
    耳元で囁くと、首をすくめ小さく頷いた。

    細い彼女の首筋にキスをすると、恥ずかしそうに顔を赤らめる。

    和「その顔反則…」
    そう言ってオレはもう一度彼女にキスをした。

    今度は深く…


    • 0
    • 12/08/06 21:36:46

    松本さん。

    買ったばかりのスムージーを手にして歩き出す。きっとこれを手渡したら文句を言うに決まってる。そして文句を言いながらも飲むんだ、きっと。

    『またこんな甘いの』

    ほらね。やっぱり文句。

    「疲れてるみたいだから気を使ったんですけどー」

    ビタミンたっぷり。な、はずのスムージー。
    潤はそれを受けとると一口飲む。

    『あ、これ、うめぇ』
    「でしょう?」

    私もベンチの隣に腰を下ろし、一口飲む。
    同じ物を飲んで、美味しいと言ってくれた事が嬉しくて、また一口、また一口と飲む。

    夜も深くなり、虫の音と目の前にある小さな池の水の音がよく聞こえる。遠くからは交差点で交わる車の音。都会の真ん中にあるこの場所はデートするには最適な場所の様で、手を繋いだカップルが私達の前を通り過ぎて行く。
    これだけ暗ければ潤には気付かないのかもしれない。通り過ぎて行く二人には私達は映っていなかったみたい。…いや、もしかしたら、同じ様に夜を二人で過ごしているカップルに見えたかもしれない。

    (それはないか…)

    私と潤の間に空いた微妙なベンチの幅が目に入る。

    (私も貴方達の様な関係になりたいんですけど!)

    後ろ姿のカップルを眺めながら、また一口、スムージーを口にする。

    『…お前さぁ…』
    「ん?」
    『誰かいないの?好きな奴とか』
    「なにそれ?」
    『いや。急な誘いでもこうやって俺と一緒にいるから、誰もいないのかなって思って』
    「…いるって言えばいる様な、いないって言えばいないような…」

    こんな時、素直に言葉が言えたらどんなにいいかと考える。【好き】と言えたなら、きっと私と潤の間に空いているこの微妙なベンチの間は上手く埋まる。埋まって欲しい。でも、やっぱり素直に言えなくて誤魔化してしまう。

    「忙しい潤の誘いだもん。相手してあげてるんだよ」
    『そーなのか、それはどうも』
    「感謝してね」

    私の可愛くない言葉を笑いながら聞いていた潤は、ふと考える仕草をしてこう言った。

    『俺が原因?俺の為?』
    「ん?」
    『お前に男がいないのって、俺のせい?』
    「…」

    返事に困ってスムージーを急いで飲む。溶けかけたスムージーが予想以上に口に入ってきて思わずむせる。

    『もしかして、俺、自惚れてる?』

    なかなか止まらない咳。
    突き刺さるような潤の視線。そしてその言葉。

    私はもう素直になるしかないみたい。


    おわり

    • 0
    • 12/07/27 02:11:05

    ニノで。

    友達の設定です。

    ピンポーン

    夜中にチャイムがなる。
    こんな時間に来るのは、奴しかいない。

    チェーンを外さずドアを開けた。

    ニノ「こんばんは。ってチェーン外せよ。入れないだろ?」
    「えっ入るの?」
    ニノ「えっ入れてくれないの?」
    「私もう寝るんだけど。」
    ニノ「まぁとりあえず入れてよ。」

    いつも連絡しないで突然やってくる。
    いつもの指定席に座りゲームを始める。
    とくに話すわけでもなく、部屋にはゲームの音だけが響く。

    今日もニノが来て一時間。会話らしい会話なんてしてない。

    「ねぇ。私寝たいんだけど。まだ帰らないの?」
    ニノ「帰ってほしい?」
    「うん。」
    ニノ「うわっハッキリ言うねぇ。」
    「話がないなら帰りなよ。明日も仕事でしょ?」
    ニノ「話がなくちゃ来たらダメなの?」
    「ダメ」
    ニノ「つめてーなぁ。俺は会いたくて来てるのに。」
    「…はい?」
    ニノ「だーかーらー。お前に会いに来てるの。何回も言わせんなや。」

    照れたときにする癖。
    私しか知らない癖を発見。

    「…あっ恥ずかしいんだね。」
    ニノ「バカじゃねーの!もう帰るわ。」

    玄関に行くニノを見送りに行くと、
    ニノ「また来るわ。」
    「うん。仕事無理しないでね。」
    ニノ「…俺…やっぱ好きだわ。」
    「なにが?」
    ニノ「お前がだよ!」
    「うん。知ってる。だって私も好きだもん。ニノが。」
    ニノ「うん。知ってる(笑)」

    手を繋ぎ
    ニノ「ねぇ。」
    呼ばれてニノを見たらキスをされた。

    「やっぱり照れてる(笑)」
    ニノ「うるせっ。」

    普段は恥ずかしくて自分の気持ち言わないニノが頑張って伝えてくれた気持ち。
    大切にしよう。


    なんか、微妙でした…(;´゚,∀゚

    • 0
    • 4959

    ぴよぴよ

    • 12/07/17 00:23:16

    みんな書いてくれないかな~。
    翔くんで書きます。



    【花火大会に行っても別にバレないよ。だってみんな花火見に来てるんだもん。】

    大野さんの言葉を信じて、俺は今花火大会へ向かおうとしているわけで。プライベートでは滅多に着ることのない浴衣に袖を通し、君との待ち合わせ場所に立っている。
    でも大野さんを100%は信じられず、メガネをかけ、口元を扇子で隠し...ってこれ普通に変装だな。

    『遅ぇな...』

    時計の針は待ち合わせの時刻の15分後を指している。
    目の前には人の波。ゆっくりゆっくり、大きなうねり。一度はぐれたら再び出会うのはきっと不可能だろうな。
    そんなことを考えていたら、君がやって来た。

    「ごめんごめん!やっと辿り着いた。」

    少し顔を赤らめて、首筋をハンカチで押さえて、いつもよりずっと色っぽい君。

    『もう遅ぇよ。』
    「ごめん!電車が混んでて、おまけに駅からここまでも混んでて...」
    『分かった分かった。この光景見てたら分かるから。つーか俺が早く来すぎたって噂もあるけどな。』
    「そうなの?だったら余計ごめんね。」
    『じゃ、行きますか。』

    君の手を取り、俺たちは人波に逆らって歩き出す。
    君を花火大会に誘ったら、「だったら人があまり来ない穴場がある」と君が教えてくれた。正直、少しショックだった。
    二人で行く初めての花火大会。実は君は毎年友だちと見に来ていたと聞いた。いつか俺と行けることを願っていたと。もっと早くこうしていれば良かった。

    背中の方から花火の音がする。

    『始まったね。』
    「そうだね、急ご。もうすぐ着くから。」
    『いや、そんな急がなくていいよ。歩きにくいでしょ?』
    「大丈夫大丈夫。」
    『そう?』

    今度は君が俺の手を引いて、小高い丘を登って行く。

    「着いたよー!」
    『おー!眺め最高じゃん。』
    「でしょ?ずっと一緒に来たかったんだよ、翔と。」
    『念願叶いましたね。』
    「そうですね。」

    穏やかに花火を見つめる君の横顔は、赤や青や黄色に照らされる。それに見とれる俺。
    さっきまでいたカップルの姿はいつの間にかなくなり、辺りは静まり返っている。そこに花火の音が響き続けるだけ。

    『ねぇねぇ。』
    「ん?」
    『こっち来てよ。』
    「どうしたの?」
    『いいから。』

    君の手を引き、後ろから抱き寄せる。

    「翔、大丈夫?」
    『何が?』
    「誰か来たらって...ちょっと心配(笑)」
    『大丈夫でしょ。変装完璧だし。』
    「メガネだけじゃん(笑)」
    『てかさ、みんな花火見に来てるから、大丈夫なんだって。』
    「なんだってって...誰が言ってたの(笑)?」
    『いいからいいから。だからさ...』


    君をこちらに向かせる。

    『...キスしていい?』

    「...そんなこと聞かないでよ(笑)」

    照れ笑いする君は、赤い花火の光に照らされていた。
    君の肩を抱き、ゆっくり顔を近づける。

    『あ。』
    「何?」
    『これ、邪魔だな。』

    俺はメガネを外す。

    そして、優しく君にキスをした。

    • 0
    • 12/07/03 17:58:35

    久しぶりに書いてある!ありがとう!後にのにのさん途中まとめてくれてたけどそれに>>3840抜けてたよ!

    • 0
    • 12/07/01 21:22:24

    >>4955あ、しおり挟むならウォッチ登録もしとかないと駄目かな?たまにしか使わないから忘れちゃった…誰か補足訂正あったらお願いします!

    • 0
    • 12/07/01 21:15:16

    アンカーじゃなくて、しおりを挟めば大丈夫だよ。見てるコメント開いて下の方見ればしおりを挟むってあるから。

    【相葉ちゃん】
    「あー…雨降ってきちゃったね」
    「私、折りたたみ傘持ってるよ」
    バッグから傘を出して、急いで開く。
    「持つよ」
    そう言ってすっと傘を持ってくれる。
    「ありがと」
    「どういたしまして♪」
    彼は微笑んで、私の肩に目をやる。
    「あぁもう濡れちゃってるから!もっとこっち寄って」
    右手に傘を持ち替えて、左手で私の肩を優しく抱いた。
    「よし、これで濡れないね」
    温かくて少し震える彼の手が心地良かった。
    だけど…今度は彼の右肩が濡れてるんだろうな。そう思ったら、申し訳ないけどちょっとおかしかった。

    かなり久々に書いてみました(汗) 似たようなのあったらごめんなさい。

    • 0
    • 12/07/01 18:28:03

    >>4953
    上がってると誰か書いてくれたんだと期待するから作品以外上げないで!
    そんな私もごめん!

    • 0
    • 12/07/01 18:13:50
    • 0
    • 12/07/01 12:39:16
    • 0
    • No.
    • 4951
    • 最初からよんでるから栞かわりにレスさせて

    • 12/06/28 10:10:14
    • 0
    • 12/06/22 00:21:52

    私は大丈夫じゃないでーす(笑)

    • 0
    • 12/06/21 09:06:25

    あはあははあははははは

    • 0
    • 12/06/21 08:36:06

    んもぅ~誰か書いてくれたのかと、ワクワクしたのに~。
    私も大丈夫だょ(^.^)

    • 0
    • 12/06/20 23:12:30

    だいじょーぶでーす!(^-^)b

    • 0
    • 12/06/19 02:28:15

    皆さん頭大丈夫ですか?

    • 0
    • 12/06/17 17:46:31

    相葉くん。


    「もしもーし?」
    『あ、雅紀ー?』
    「おう、どしたー?」
    『今から行っていー?』
    「はぁ!?」
    『じゃあ行くねー。』
    「ちょっと待て!何時くらい?」
    『うーん、あと20歩くらい。』
    「にじゅ...」

    ピンポーン。

    出た。
    彼女の得意な、アポなし突撃訪問。

    「あのさー、お前いつも言ってるけど...」
    『急に来るな、来るなら連絡しろ。...でしょ?』
    「分かってんじゃん。」
    『だから連絡したじゃん。』
    「それともう一つ。」
    『何?』
    「こんな時間に1人で出歩くな。」
    『...はーい。』

    彼女とは友達。
    いや、正確には、友達以上恋人未満というところか。

    いつも元気で天真爛漫。
    無邪気で人懐こくて。
    でも実はすごく繊細で傷つきやすい。
    彼女の特長をそんな風に誰かに話したら、【それお前のことじゃん】なんて言われたことがある。

    確かにそうかも。似てるから妙に共感できたり、ほっとしたりするのかも。

    『雅紀、ビール買ってきたよ!』
    「お、気が利くねぇ。たまには。」
    『たまには!?』
    「あ、時々?」
    『時々!?ビールあげないよ。』
    「あ、嘘です。ごめんなさい(笑)」

    ソファを背もたれにして、2人とも地べたに座ってビールを飲む。
    テレビを見ながら他愛もない会話を続ける2人。

    『ふぁ...』
    彼女が大口開けてあくびをする。

    「ちょっとー、緊張感ねぇなぁ。」
    『ごめん(笑)』
    「どした?眠くなった?」
    『うーん。大丈夫。』
    「眠いならもう帰れよ?」
    『うーん...』

    彼女はいつも、無防備に俺に寝顔を晒す。
    一緒にいてほっとしてたのに、鼓動が早くなる瞬間。

    「だから家では寝るなって。」
    『ん...』

    俺の肩にもたれかかってくる。
    きっと彼女にはもう記憶はないけど、俺はいつもはっきり覚えてるんだ。

    頬をつついてみる。

    鼻をつまんでみる。

    耳をひっぱってみる。

    それでも反応はなし。

    そっと頭をなでてみても、彼女は静かに寝息をたてるだけ。

    「重っ...」

    彼女を抱き上げてベッドに運ぶ。
    ゆっくり寝かせると、

    『まさ...き...』

    彼女が微かに俺を呼んだ。

    「何?どした?」

    彼女の耳元で囁いてみたけど、反応はない。

    「寝ぼけてんのかよ(笑)」

    薄暗い部屋に浮かび上がる、彼女のキレイな寝顔。
    ゆっくり頭を撫でてみても、やはり反応はない。

    「おやすみ...」

    そっとおでこにキスをして、部屋を出た。

    友達以上恋人未満の彼女。
    友達か恋人か、この先どちらに進むかは分からない。

    でも一つだけ。
    彼女は俺の大切な人。
    それだけは変わらない。

    • 0
    • 12/05/14 21:49:06

    彼の部屋に泊まります。シャワーを浴びた後に気づきました。バックの中にルームウェアを入れっぱなしな事に。

    《大野編》
    「智君、智君。」
    お風呂場のドアを少しだけ開けて彼を呼ぶ。
    『ん?』
    「ごめん、バックの中から服取ってくれる?」
    『服?』
    「忘れちゃって…お風呂から出られない…」
    私の声から数秒後。
    『開けるぞ、開けるぞ。』
    その言葉と共にドアが少~しずつ開いて私のバックがお風呂場にやってきた。
    『バック持ったか?手、放すぞ!』
    服を取ってとお願いしたのに、バックごと持ってきた智君。
    私はバックの中から買ったばかりのルームウェアを取り出す。
    「服だけ取ってくれたら良かったのに。」
    『あ、そう言う事?』
    ソファの上で胡座をかきながらハハッと笑う智君。
    彼との穏やかな夜はまだ続く。


    《櫻井編》
    「翔ちゃん、翔ちゃん。」
    お風呂場のドアを少しだけ開けて彼を呼ぶ。
    『ん?』
    「ごめん、バックの中から服取ってくれる?」
    『服?』
    「忘れちゃって…お風呂から出られない…」
    私の声から数秒後。
    トントンとノックの音がして、ドアの隙間からTシャツが出てきた。それを手に取る。くしゃくしゃだ。
    『やっぱ俺のじゃ大きいな。』
    くしゃくしゃなTシャツを着た私を見る翔ちゃん。
    「翔ちゃん、これ、洗濯した?」
    『したわ!』
    彼の服をアイロンしようと思った夜はまだ続く。

    《相葉編》
    「相葉君、相葉君。」
    お風呂場のドアを少しだけ開けて彼を呼ぶ。
    『ん?』
    「ごめん、バックの中から服取ってくれる?」
    『服?』
    「忘れちゃって…お風呂から出られない…」
    私の声から数秒後。
    買ったばかりと思われるTシャツがドアの隙間から勢いよく飛び出してきた。
    「ねぇ、相葉君。これ、」
    『ジャーン!!』
    渡されたTシャツを着てリビングに行くと、見て!見て!と言わんばかりにTシャツの裾をピンと引っ張った相葉君の姿。私が今着ているTシャツとお揃い。
    『可愛くない?可愛いいよね?』
    Tシャツを引っ張ったままの状態で、ぴょんぴょんと私に近づいてくる相葉君。私がシャワーを浴びている間に着替えたんだろう。
    そんな彼を心の底から愛おしいと思った夜はまだ続く。


    《二宮編》
    「カズ、カズ。」
    お風呂場のドアを少しだけ開けて彼を呼ぶ。
    『ん?』
    「ごめん、バックの中から服取ってくれる?」
    『服?』
    「忘れちゃって…お風呂から出られない…」
    私の声から数秒後。
    『お待たせしましたー。』
    そんな彼の言葉と共に見覚えのあるTシャツがドアの隙間からやってきた。私が随分前にあげた服だ。まだ持ってたんだ…。なんか嬉しい。
    『なんだそれ?』
    Tシャツ姿の私を見て一言。それもそのはず。カズが持ってきたTシャツは色が褪せて衿がでろんでろん。
    『ひっでーな。そのTシャツ!』
    嬉しいなんて思った私が馬・鹿だった。
    物持ちが良さすぎてこのTシャツの出所を忘れているであろう彼。
    彼と記憶の糸を辿ろうと思った夜はまだ続く。


    《松本編》
    「潤君、潤君。」
    お風呂場のドアを少しだけ開けて彼を呼ぶ。
    『ん?』
    「ごめん、バックの中から服取ってくれる?」
    『服?』
    「忘れちゃって…お風呂から出られない…」
    私の声から数秒後。
    『俺のでいい?』
    その言葉と共に彼のTシャツがドアからやってきた。
    『それ、お前にやるよ。』
    彼のTシャツを着た私にそう言う彼。
    『俺んちにいる時はそれ着てれば?』
    Tシャツからはほんのり彼の匂いがする。
    「似合う?」
    そう言えば、口角をキュッと上げながら笑う彼。
    そして次に真顔で一言。
    『どうせ直ぐに脱がせるけど』
    心臓が破裂しそうな彼との夜はまだ続く。

    おわり

    • 0
    • 12/05/14 08:30:58

    ありがちな話ですが。
    ニノで。


    トントン。
    「はーい。」

    ドアの中からは聞き慣れた声。

    『あー、俺。』
    「和?どうぞー。」

    ドアを開けるとそこには、純白のドレスに身を包んだ君が立っている。

    「どお?」
    両手を広げてみせる君。

    『うーん...まあまあかな。』
    照れ隠しをする自分。

    「まあまあって!相変わらずだなぁ、和也は。」
    『冗談ですよ。いいんじゃない?花嫁っぽくて。』
    「花嫁っぽいって(笑)花嫁なんですけど!」

    いや、キレイだ。
    今まで見たどんな人よりも。
    美しくて輝いていて、幸せそうで。

    『まあ馬子にも何とかって言うしねー。』
    「もう!和ってば!」

    君のとなりに立ち、2人並んで鏡を見る。

    『うん、お似合いだな。』
    「そうだね。」
    『まさかこんな日が来るとはな。』
    「...そうだね。」
    『すげぇキレイだよ。』
    「和...」

    物心ついた時から一緒に居て、小さい頃は俺の後ろばっかりついて来た君。俺の小さな手を、さらに小さな君の手がギュッと握り、いつも2人で居たことを覚えている。

    『でもお前、いつの間にか俺に憎まれ口叩くようになったけどな(笑)』
    「違うよ!それは和が意地悪するからでしょ?」
    『あれは意地悪じゃないの。愛情だろ?』
    「ばーか(笑)」

    気がついたら君は、キレイな大人の女性になっていて、俺の知らないところで、俺の知らない人に出会い、今こうして、人生の大事な瞬間を迎えている。

    『いい人そうじゃん。』
    「ん?誰が?」
    『旦那だよ。まぁ、俺には劣りますけどね。』
    「そうだね(笑)」
    『いや、そこは否定しろよ(笑)』
    「ううん、いいの。」
    『え?』
    「和也はね、ちっちゃい頃から、私のヒーローだから。」
    『...え?』
    「私のピンチにはなぜか必ず駆けつけてくれて、なんだかんだいつもすごく優しくて。」
    『...』
    「和と一緒に過ごして来れて、本当に良かった。」

    俺が君のヒーローだなんて。
    そう言う君は、俺にとっては...

    「ありがとう、和。」

    穏やかな微笑みだな。
    もうこの笑顔に、会えなくなるのか。

    『我慢するなよ。』
    「...え?」
    『お前、頑張り屋なのはいいけど、何かとすげぇ我慢すんだろ。それ、もう止めろよ。』
    「はい、気を付けます(笑)」
    『あと、1人で何でも抱え込むなよ?』
    「...うん。」
    『それでさ...』
    「うん?」
    『それで、駄目だと思ったら、帰って来いよ。』
    「和...」
    『俺はいつだってお前の味方だから。』

    久しぶりに涙を流す君を見て、俺はどうしていいか分からない。
    君の泣き顔は見慣れていたはずなのに。

    『おい泣くな。不細工になんだろ?』
    「もう!和が泣かせるから...」
    『あーもう、ハンカチ、ほら。』
    「ありがと...」

    親指でゆっくり君の涙を拭う。

    『俺、そろそろ行くね。』
    「うん。」
    『ちゃんと化粧直せよ。』
    「分かってるよ(笑)」


    『幸せになれよ。』

    「うん。」

    今まで見たこともないとびきりの笑顔。
    俺の大好きな、笑顔。
    俺はただ、君の幸せを願うだけ。

    • 0
    • 12/05/13 21:11:23

    「ごめん、待った?」
    『潤!』

    行きつけのバーで久しぶりにあいつと待ち合わせをした。

    『久しぶりだね~!元気だった?』
    「うん、元気元気。」
    『てか髪切ったね。かわいい!』
    「かわいいかぁ(笑)?」
    『うん、なんか若返った(笑)最近は忙しかったの?』
    「まぁねー。ドラマ撮ってたし。今は何も入ってないけど。」
    『へー、ドラマ?どんな?』
    「お前相変わらずテレビ全っ然見てねぇんだな(笑)」

    店員にも突っ込まれ、バツが悪そうに笑う彼女。久しぶりだ。この感じ。

    このバーで出会って、どれくらい経つだろう。
    仕事であちこち飛び回っている彼女は、俺のことなんて最初は知りもしなかった。
    でも、びっくりするくらい俺たちは打ち解けて、いつの間にか何でも話せる仲になっていた。

    ずっと同じところに缶詰めの俺とは違い、色んなものを見て聞いて、経験している彼女と話すのは、とにかく楽しい。
    そして、ほっとする。彼女と居ると。

    『それでこれが現地の人に超人気のお店でー。』
    「うわー。すげー洒落てんなー。」
    『それでほら、この夕焼け、すごくない?』
    「おー!超キレイ!」

    彼女のカメラに収められた、世界中の1コマ1コマ。いつか俺も、こんな景色を見てみたい。彼女の隣で。

    『潤も行こうよ、いつか。』
    「え?」
    『今すぐにっていうのは無理だろうけどさ。いつか、行こう?』
    「...うん。そうだな。」

    俺の返事を聞いてにっこり微笑む。
    明るくて無邪気で、彼女の周りにはいつも自然に笑顔が溢れて、その場の雰囲気を穏やかにする。
    彼女には、人を魅了する不思議な力があるんだ。

    「俺この間さ、スペイン行ったの。お前行ったことある?」
    『スペインはないんだよね。どうだった?』
    「超良かったよ。やっぱりあれ、サグラダファミリア?圧巻だったなぁ。」
    『いいなぁ。羨ましい。』
    「じゃあ、スペインも今度行こう。」
    『うん!行きたい!』
    「てか、今度とかじゃなくてさ...」
    『ん?』
    「今度とかじゃなくて、絶対に、ちゃんと行こうな。」
    『あの...私は...いつもそのつもりで誘ってるんだけど...』

    恥ずかしそうな、困ったような、何とも言えない表情で俯く彼女。

    「ごめん、ごめん。」

    彼女の頭をポンポンと撫でる。

    「お前はいっつも真っ直ぐだよな。純粋でさ。」
    『そんなことないよ(笑)』
    「良かったよ。俺、社交辞令とか嫌いだし。本当に行こうな。」
    『...うん!』

    「てか俺さ...」

    今までは仲の良い友人だった俺たち。
    でも今日は、会う前から決めていた。

    今日から2人の新しい毎日を始めるために。

    「俺、お前のこと...」

    • 0
    • 12/04/12 09:12:18

    嵐さん全員参加。ニノ目線。



    相「ねぇ、ねぇ。」

    相葉さんが隣に座っている松本さんに声を掛ける。

    相「天使っていると思う?」
    松「………」
    相「………?」
    松「おかしな事言い始めたぞー」

    松本さんが大きな声でみんなに言う。

    櫻「春だからね」
    二「相葉さんに関しては年がら年中…」
    松「相葉さんだからね」
    松「ちょっと!待ってよ!」
    大「んふっ」

    相葉さんは今朝見たと言う天使の話をし始めた。そんな話を聞きながら今朝の事を考える。

    いつも通る道。車の中から見る景色が冬から春に変わり、街の色が鮮やかになる。そんな中を歩いていたあの人。

    昨日まで暗い色のコートだったのに、今朝は淡い色の春コートに変わっていた。

    …いつの間にか、俺の視界に入り込んで来た彼女。そしていつの間にかそんな彼女を車の中から探すようになった俺。

    ある時は、髪を結わいていたり。ある時は、肩の辺りで毛先が揺れていたり。ある時は、耳にイヤホンを伸ばしていたり。ちょっとした変化がある彼女、いつも背筋をピンと伸ばし、前を向いている。

    そして彼女が歩く様子はふわっと跳ねているかのよう。妖精みたいに。

    と、ここまで考えて気付く。

    相葉さんが天使がいると言うなら、本当に妖精がいるのかもしれないと。

    二「ねぇ…」
    大「ん?」

    俺の隣に座っていた大野さんは、目を閉じながら返事をする。

    二「妖精っていると思う?」

    俺の言葉にカッと目を見開き、じーっと俺を見つめる。

    大野さんに見つめられては恥ずかしいやら、相葉さん並みにおかしな事を言った事に恥ずかしいやら。

    二「なんでもない、なんでもない」
    大「…」

    向かいの席では、相葉さんが天使を力説している。

    そんな妖精のような人に恋をするのは時間の問題。

    相「俺見たんだって!天使!信じてよ!」

    今の俺なら信じちゃうかも。



    おわり

    • 0
    • 12/04/10 16:34:39

    智くんです。
    イメージと違ったらごめんなさい。
    -----

    「身体、大丈夫なの?」
    「ロケ弁うめぇから大丈夫だって。」
    「違う違う、そういう事じゃなくて。んー‥ソファで寝る癖どうにかなんないかな‥若い時はよかったけど、智くん30過ぎてるんだよ?せめて松本さんみたいにメンテナンスするとかさ‥あ、お邪魔します。」

    手を顎に当てて、何やらぶつぶつと言いながら靴を脱いで揃える。
    顔を合わせればいつもこれだ。
    母ちゃんみたいな事を言う。

    「はい。これだよね?」
    「お~スゲー、これこれ。よく持ってたなあ?」
    「昔買ったんだ。」

    手渡されたのは、ずっと見てみたかった美術誌。
    これ関係で知り合ってから、どのくらい経つだろう。
    俺より年下だと知ったのはそれからずっと後で、その性格はむしろ俺よりもずっとしっかりしている。
    パラパラとページをめくりながらソファに座った。
    彼女はというと、部屋の隅に置かれたイーゼルや画材道具に目を爛々と輝かせている。けれど決して触れようとはしない。
    「持ち主の手そのものでしょ。簡単には触れないよ」というのが彼女の弁だ。

    「智くん、パレットまた新調したの?」
    「うん、新しいの描くから」
    「おーいいね。次はどんなの?」
    「ん~‥でっかいやつ」

    時々家に来てこうして話をする。関係を問われれば、所謂『友人』で。

    「智くん。私、いってくる。」
    「え?」

    顔を上げると、満面の笑みを浮かべた彼女がソファの前に立っている。
    「挑戦しに。」ピースをしてそう続けた彼女の頬は、すこし紅い。

    「‥マジで?」
    「うん。智くんが個展開いたのって今の私の歳でしょ?だから私も頑張ってみようって。」

    応援の言葉をかけようとしたけど、うまい言葉が見つからない。
    これまでも、会うのは時々だった。でも、簡単に会えなくなるかもしれないと考えたことがなかった。

    年下の、友人。
    顔を合わせれば母ちゃんみたいな小言をいってきて。
    うるせーなあと思いながらも心地好い自分がいて。
    こうして過ごす時間に、『自分』が取り戻される感じがして。

    「あ~‥そっか。」
    「ん?なに?」
    「いや、好きなんだなあと思って。」
    「そうだよ?絵が好きだから行くって決めたの。」

    君がいなければ僕になれない――そんな唄を昔歌った。
    あれは失った恋の唄だったけど。

    不安や弱音を見せずひたすらに前を向く、この年下の友人のことが。

    「違う、そうじゃなくて」
    「?」

    どうやらたまらなく好きらしい。




    end

    • 0
    • 12/04/04 08:42:47

    翔くんで。
    ちょいエロな感じなので、嫌な方はスルーしてください。



    私の隣に横たわる翔。
    優しく私の頭を撫でながら、他愛もない会話を続ける。

    今日の出来事、友人の話、家族との思い出、週末の予定。
    少しハスキーな独特の声は、いつもよりトーンを落として。
    その声は子守唄のように、私の身体に低く響く。

    『眠くなったら寝ていいからね。』
    「うん。」

    でも眠ってしまうのはもったいない。
    翔と居られる時間は、限られているから。

    頭を撫でる翔の手を取り、手首にそっとキスをする。

    『なんだよ(笑)』
    「あ、顔赤くなってる(笑)」
    『なってねーよ!』

    照れ隠しのためか、私の頭を自分の胸に引き寄せる。

    筋肉の付いた胸板。ボディーソープの甘い香り。ゆっくりとした鼓動。

    私は翔の背中に手を回す。

    『ん?どした?』
    「ううん。何でもない。」
    『そう?』
    「うん。」

    翔は腕を私の頭の下に滑り込ませ、もう片方の手で私の腰を抱く。急に私の鼓動が速くなる。

    『あったけぇ...』

    私のおでこにキスをした翔の唇は、熱い。
    じっと翔を見つめると、

    『もう、なんだよ(笑)』

    と、恥ずかしそうに目を伏せる。

    『お前ってさ…』
    「ん?」
    『...』
    「何(笑)?」
    『ん...いや、何でもない。』
    「えー?何それ(笑)変なの。」

    すると翔はギュッと私を抱き締め、

    『すげぇ好き。』

    耳元でそう囁いた。

    きっと耳まで真っ赤になっている私に、翔は深くキスをした。

    夜明けまであと少し。
    私たちは再び一つに重なり、溶けてゆく。

    • 0
    • 12/03/31 02:06:43

    ニノ。


    彼は勝手だ。
    冷たく突き放したかと思えば、ふいに優しくしたりする。

    ほら。約束もしていないのに、ああやって私を待っている。
    日が長くなったせいで、暗闇に姿を隠すことは出来ないから、帽子をいつもより目深に被り、ストールに顔を埋めて。

    それが和也だと気付くのは、たぶん私だけだろう。どんな姿をしていても、彼を見つける自信がある。

    『...和也?...どうしたの?』

    チラッとこちらを見ると、やや強引に私の手を握り、

    「遅ぇ。」

    と言うと、私の手を引いたまま、後ろは振り返らず歩き続ける。
    家路を急ぐ人の波をかき分けながら、どんどん進んで行く。

    『...和也...昨日...』

    「ん?」

    ー昨日はごめんねー

    本当は彼もこの言葉を言いたいはず。
    私たちはささいなことでぶつかり合うから。

    すれ違ったり傷つけ合ったりすることもしょっちゅうで、実はもう、限界を感じていたりする。

    『和...』

    「なんて言おうとしてる?」

    『えっ?』

    「何か言おうとしてるだろ。」

    『...昨日...ごめんね...って...』

    彼の視線は、私の身体の奥の奥を突き刺す。

    「そうじゃないでしょ。」

    『え?』

    「本当は、もう限界って思ってんだろ?」

    『そんなっ...』

    「何でそんなこと思うの?」

    『思ってないよ!』

    「頼むから俺から離れようとすんなよ。」

    ビルとビルの隙間。彼は私の身体を力いっぱい抱き締める。

    『痛っ...』

    身体だけじゃなく、心まで締め付けられる感覚。

    『痛いよ...和也...』

    繊細な彼の心は絶えず揺れ動いていて、私は時々見失ってしまう。

    「ごめん...」

    私の身体から一旦離れると、今度はそっと抱き締めてくれる。

    「俺、本当はお前に優しくしたいの。」

    『和...』

    「お前を責めたりしたくないんだよ。」

    『私だって...』

    彼のキスはいつも優しい。
    私の頭を撫でながら、優しく優しくキスをする。

    「ちゃんと、俺んとこ、いてよ...」

    彼の心には、なぜかいつもぽっかり空いた部分があって、それを埋めるのに私は必死だ。

    『居たいよ。...ずっと。』

    「...うん。」

    振り回されて、傷付けられて。
    それでも離れられない私たち。
    いや、私。きっと、この先もずっと。

    • 0
    • 12/03/25 12:50:05
    • 0
    • 12/03/21 22:25:24

    友達の結婚式二次会に出席している翔君とあなた。



    近すぎて気付かない物ってあるのかも。

    『おい、口。口開いてるって』
    「え?」

    学生時代からの男友達が、年下の可愛い女の子と結婚した。

    女の子。

    私からしたら『女の子』と言う言葉がピッタリな子。その子と友達が遠くの場所でキスをしろと囃し立てられ、嫌そうに、でも本当は見せつけるようにキスをしていた。

    それを眺めていた私は口が開いていた…らしい。隣に立つ櫻井が呆れたように私を見ている。遠くで賑やかに声が挙がる。

    『やっぱり結婚っていいんだろうな』

    櫻井が隣で呟く。

    「結婚するの?」
    『いや』
    「結婚したいの?」
    『お前したくないの?』

    また遠くで賑やかな声がする。

    「櫻井の相手は大変そうだよね」
    『何が?』
    「色々とさ」

    櫻井の仕事上、相手は大変そうだな。なんて考える。

    『だろうな』

    櫻井は苦笑い。

    『いや…でもさ』

    櫻井は俯きながら言葉を続けた。

    『お前なら大丈夫そうだけど』

    …?

    「え?」
    『また口開いてるって』
    「櫻…」
    『俺、お前となら上手くいく気がするんだよ』

    友達の櫻井から、まさかの言葉を聞き私は自分でも口が開いているのが分かる。

    「またまた~」
    『ま、考えといてよ』
    「本気で言ってるの?」
    『本気で言ってますね』
    「ちょっと…そんな事今言う事?」
    『勢いも必要って事で』

    遠くで櫻井を呼ぶ声がする。櫻井の足がその方向に動き出す。

    「櫻井、ちょ、」
    『マジで考えといてよ』
    「櫻井!」

    櫻井は顔だけ私の方へ向ける。


    『俺達、ぜったい上手くいく』


    あの自信はどこから来るのか。

    近すぎて見えなかった櫻井は、これから私の運命の人になるのだろうか。櫻井の後ろ姿を見ながら、色んな事を考える。


    私、今、口が開いているに違いない。


    おわり

    • 0
    • 12/03/19 00:36:12

    「虹」のテーマが「別れ」だと聞いたので、それっぽく書きました。
    分かりづらかったらすみません。



    拗ねたきみはかわいい。
    俺の反応を伺いながら、俺の大事な物を隠したり。
    でもその行動はいつもワンパターンで、たまに俺は先回りしてきみを驚かせる。

    「和也のばか。」

    そう言って唇を尖らせる。
    その唇にキスをすれば、きみの顔は一瞬で明るくなり、すぐに「好き」なんて恥ずかしげもなく言うんだ。

    優しく笑ったり、かわいく怒ったり。
    そして気持ちを素直に言葉にするきみ。
    大好きだった。



    そして今日、俺の隣にいる君は。
    照れている気持ちを、『面倒くさい』なんて表現する、不器用な君。

    でもこれからは。

    【これからはさ、素直に気持ち伝えてよ。】

    『...頑張る。』

    【まあ、ちょっとくらいなら、わがまま聞いてやるから。】

    『本当?』

    【ただし、俺にだけだぞ。】

    『...うん。』

    【好き?】

    『...。』

    【シカトすんなよ~(笑)】

    『違っ!そうじゃ...なくて...。』

    【全く、素直じゃないんだから。】

    『ごめん。』

    【好き...って、一言だぞ?】

    今日は君と俺が、名字を重ねた日。
    それでも、君は素直じゃないんだな。


    綺麗なものを見たとき、

    「和也の瞳の方がずっと綺麗。ビー玉みたいだよ?」

    なんて、きみはよく言ってたっけ。
    さすがに照れていたきみの横顔が、目を閉じると浮かんでくる。

    大好きだったきみへ。
    ありがとう。ありがとう。

    そして...。

    • 0
    • 12/03/04 21:13:57

    智くん不倫系です。
    嫌な方はスルーしてください。



    彼女と会える時間は限られている。
    日付が変わる頃、いつも同じ場所。

    「遅ぇな...」

    タバコに火を付け、携帯を取り出す。
    彼女からの連絡はない。
    だからと言って、俺から連絡することも出来ない。

    俺はいつまでこんなこと続けるんだろう。

    そのとき、後ろから聞き覚えのある足音がした。
    振り返ると、急いで来たのか少し息を切らした彼女が立っている。

    『智くんごめんね、遅くなっちゃって。』

    そう言って微笑む彼女を前にすると、さっきまで揺らいでいた心はどこかへ行ってしまう。

    「来ねぇかと思った...」

    彼女をきつく抱き締める。

    『ごめんね。不安にさせちゃった?』

    「ううん、大丈夫。」

    彼女の髪を撫でると、シャンプーの優しい香りがした。
    それを吸い込んで、彼女にキスをする。

    「俺さ、あんたのこと、どっか連れてっちゃってもいい?」

    『智くん...』

    「俺だけのもんになってよ。」

    わざと彼女を困らせる。
    彼女の答えは決まって同じだ。

    『ごめんね、辛い思いさせて。』

    彼女と会えるほんの少しの時間。
    抱き締めあってキスをすれば、すぐにタイムアップ。

    辛いけど、苦しいけど、手離せない。
    彼女のこと、愛してるから。

    • 0
    • 12/03/04 00:21:06

    ニノで。


    好きな人に執着したり、縛ったりしない。我が儘を言ったり、逆に我が儘を言われて困ったりもしない。深くはのめり込まない。
    それが自分の恋愛の形だと思ってた。

    でも、目の前にいるあなたに出会って、俺は変わったと思う。

    「さっきさー、喋ってたのって、誰?」
    『ん?さっきって?』
    「ほら、あなたが会社出てくるとき。」
    『あー...たぶん同じ部署の同期。』
    「ふーん...。」
    『えっ(笑)?何で?』
    「いや...別に。」

    ばかみたいに嫉妬する。
    ほんの一瞬あなたと会話を交わしていた、名前も知らない男に。

    『何?やきもち(笑)?』
    「はぁ!?違ぇよ!」
    『ねぇ、ムキにならないでよ(笑)』
    「なってないし!」

    自分のペースが完全に崩れてる。
    あなたと居ると自分が自分じゃないみたいだ。

    『心配しないでよ、和也。』
    「別に心配とかじゃないけど...」
    『かわいいね(笑)』

    ほんの少し年上なだけなのに、あなたは俺を子ども扱いする。
    ムカつくけど、でもなんかすげぇ好きなんだ。

    『ビール、もう一本飲む?』
    「...うん。」

    立ち上がり、キッチンへ向かおうとするあなたを、後ろから抱きしめた。

    『ん?和也どうしたの?』
    「どうもしねぇよ。」
    『ねぇ和也。』
    「何?」
    『好きだよ。』

    あなたは裏表がない。
    いつも正直で、変に俺に好かれようとしたりもしない。
    でも、全力で俺を愛してくれる。

    「こっち向いて?」
    あなたの耳元で囁いた。

    ゆっくり後ろに向き直り、俺の胸元に顔を埋める。
    そんなあなたを優しく抱きしめ、俺は何度もキスをする。

    恥ずかしそうに顔を背けようとしても、それを遮ってキスをする。

    「大好き。...愛してる。」

    今夜も二人は一つに重なり、溶けていく。
    この幸せが、永遠に続きますように。

    • 0
    • 12/03/03 21:03:23

    >>4931感想専用のトピがあったんですね!これからはそちらに書くように気を付けます。失礼しました

    • 0
    • 12/03/03 12:52:44

    下の二人。そういうのは感想トピに書いてください。見づらくなるからね。

    • 0
    • 12/03/02 23:54:11

    >>4928
    いくらニノでも鼻カプリされたら臭そうだ

    • 0
    • 12/03/02 22:23:36

    >>4925なんか切なくて泣いちゃったよ。凄く上手だね。引き込まれました

    • 0
    • 12/03/01 23:26:12

    こたつに並んで座り

    和也はテレビ私は隣でミカンを剥く
    白いとこがなくなるまで綺麗に剥いたミカンに満足しつつ
    「はい」
    と和也の口まではこぶと
    「あ。」とテレビから目を離さず口をあけるので口のなかに入れてあげた


    かぷっ
    「ちょっと!イタタ指まで食べてるって」

    ミカンをつまんだ人差し指まで噛まれ慌てて和也の口から指を引っこ抜くと

    素知らぬ顔でミカンをもぐもぐしながら
    「ふふんっ」
    と笑った

    「あ…わざと?」
    「うん」
    イタズラして喜ぶ少年のようにニヤリとして答える
    悔しい。ならば仕返しだと耳を噛んでみた

    かぷっ
    「ちょっっ痛!」
    ビックリしてこちらを見るので同じくニヤリと笑ってみせると私の耳を噛みかえそうと押し倒してきた
    「耳出せ」
    「やだ!やめて!」
    噛まれまいと両手で耳を抑さえる
    「手どけろ」
    私の腕を掴んで耳から離そうとするから
    「やーだー!」
    と必死で抵抗しているとじゃあこっちだ!とばかりにと私の鼻をカプリ
    「わー鼻はやめて!」
    首をブンブン横にふって逃げると
    「俺の勝ちな」
    としたり顔で笑って私の腕を離しさっきテレビを見ていた位置に戻ろうとした和也の服をつかんで唇をカプッと噛んでみた
    「うっ」
    そう一言声をだすと噛まれた唇に手をあて私を見ろす
    「油断したね。私の勝ちー」
    といいかけたあたりでガバっと襲われ大人の時間がスタートしてしまった

    おわり
    久々すぎてあまり妄想できませんでした
    失礼しました

    • 0
    • 12/02/29 22:14:08

    相葉くん



    今日は付き合って初めてのお家デート。
    朝から部屋を片付けて、お酒とおつまみを大量に買い込んで、今か今かと彼女の到着を待っている。

    夜7時過ぎ、家のチャイムが鳴った。

    「はーい。」

    平静を装ってインターホンに出る。

    『あ...こんばんわ。』

    モニター越しに、彼女の姿が見える。急いでドアを開けると、

    『ごめんね、雨強くなっちゃって...』

    傘は持っているものの、びしょ濡れの彼女。

    「ちょっと大丈夫!?そんな雨降ってた!?」

    『家出るときは小雨だったんだけど、本当についさっきどしゃ降りになっちゃって...』

    「マジかぁ。ごめんね、迎えに行かなくて。とにかく中入って!」

    申し訳なさそうにしている彼女を部屋に入れて、バスルームへ連れて行った。

    「風邪引いちゃうからシャワー浴びて。ごめんね、部屋着こんなのしかないけど、着替えな?」

    『ごめんね...ありがとう。』

    彼女が来ることに浮かれていて、雨に全く気付かなかった。悪いことしたな...。
    リビングに置かれた手土産も、袋がシワシワになっている。

    「乾くかなぁ...」

    彼女の服をハンガーにかけていると、

    『相葉くん、ごめんね。』

    彼女が風呂から出て来た。

    「大丈夫?あったまった?」

    『うん、ありがとう。』

    にっこり微笑む彼女。
    まだ髪が濡れたままの彼女を、優しく抱き締める。

    『相葉くん、濡れちゃうよ?』

    「いいのいいの。」

    タオルで彼女の髪を拭き、ドライヤーで乾かす。

    『あ、相葉くん、自分でやるから...』

    「いいのいいの。」

    恥ずかしそうに俯きながら、俺のシャツの裾をキュッと握っている彼女。
    その姿があまりにも愛おしくて、ドライヤーの途中で彼女にキスをした。

    顔を真っ赤にして、俺を見つめている。

    「雨の中来てくれてありがとね。」

    彼女をしっかり抱き締めれば、彼女もそれに応えてくれる。
    顔にかかるまだ少し濡れた髪をそっと手で払い、彼女の頬を両手で包む。

    それから俺たちは何度も何度もキスをして、俺は彼女への思いがどんどん強くなるのを感じていた。

    「大好きだよ。」

    彼女は恥ずかしそうに微笑むだけで、言葉には出さない。
    それでも俺は繰り返す。

    「好き。」

    『...私も...好き。』

    胸が苦しくなるほど幸せだ。
    雨の音にかき消されそうな彼女の声は、確かに俺の中に響いた。

    • 0
    • No.
    • 4926
    • キュンさん最高

    • 12/02/29 17:20:59

    >>4894
    完結願う(笑)

    • 0
    • 12/02/29 11:33:11

    >>4924 潤くん目線

    仲間内の飲み会の帰り道、同じ方向に帰る俺たちは、いつものように二人きりになった。

    自販機でコーヒーと、あいつの好きなオレンジジュースを買う。

    この場所からの眺めが好きだ。
    そして、あいつと過ごすこういう時間が好きだ。

    『今日よく来れたね?明日も朝から撮影?』

    「いや、明日は昼から。今日も夕方で終わりだったんだよ。だからちょうどよかった。」

    『昼からか。じゃあそろそろ帰った方がよくない?もう1時回ってるし...』

    「あー、大丈夫大丈夫。てか早く帰らせてぇのかよ(笑)」

    『いや!違うよ?そうじゃないけど...』

    「何焦ってんだよ(笑)」

    いつもさり気なく俺を気遣ってくれて、優しい言葉をかけてくれる。
    不器用だって思うときもあるけど、あいつが俺にとって大切な存在であることは間違いない。

    『潤、なんか疲れてる?』

    「なんで?」

    『いつも、私の前じゃタバコ吸わないじゃん。』

    タバコを吸わないあいつのために、普段は気を付けているのに。
    こういう時はそこまで気が回らない

    「...まぁ、疲れるわな。今の時期、特に。」

    『え...?』

    「いや、今日久々にさ、みんなと会うのしんどかったもん(笑)」

    『潤...』

    あいつの少し潤んだ瞳に、一瞬吸い込まれそうになる。

    「まぁ、会えて良かったけどな。やっぱりみんなと居るとパワーもらえるし。」

    『...うん。私も。』

    あいつは優しいから、俺のこと本気で心配してくれてんだろうな。
    ひょっとしたら、今日の飲み会に誘ったことを後悔してるのかもしれない。

    「お前にもさ。」

    『ん?』

    「やっぱお前に会うと、なんか一番パワーもらえるよ。」

    『え?』

    「癒されるしさ。」

    『ええっ?』

    大げさとも思えるくらい驚く姿を見て、俺は大笑いする。

    『何...それ。てか、笑い過ぎだし!』

    「悪ぃ、悪ぃ(笑)」

    『てか私なんて...』

    「ん?」

    『私なんて、潤の近くに居ても全然力になれないし...パワーもらえるって、それ私のセリフだし...』

    なんでこんなに素直じゃねぇんだ。
    俺はあいつから、計り知れないくらいのパワーをもらってるのに。

    気付かない振りしてるのか、めちゃくちゃ鈍感なのか。
    まあ、後者だろうな。

    「純粋っつーかなんつーか、俺はお前のそういうとこが...」

    いや、止めとこう。
    焦る必要はない。

    「行くぞ。」

    『ねぇ潤...』

    「ドラマ終わって落ち着いたらさ、また来ようよ。」

    『ここに?』

    「うん、ここに。」

    『いいけど...』

    「そしたら、ちゃんと言うからさ。」

    『何を?』

    「...」

    『潤?』

    「ばーか(笑)」

    ちゃんと大切にしたいんだ、あいつへの気持ち。
    きっとこれからも、俺を支えてくれる人だから。

    なんだか勝手に嬉しくなって、走り出した。一生懸命追いかけて来るあいつを見て、穏やかな気持ちになる。

    不意にあいつが俺の手を握った。
    すげぇドキドキしたけど、俺は迷わずその手を握り返した。

    「階段昇るの危ねぇから。」

    完全に手を繋ぎたい口実。
    あいつの冷えた手を握って、俺たちは帰り道を歩いていく。

    「このまま行くか、寒いから。」

    あいつと初めて繋いだ手の温もり。
    真冬の空の下で、二人の手の中にだけ春が来たような温かさ。

    次にここへ来たときには、もっとしっかりと繋ぎ止めるから。

    • 0
    • 12/02/28 19:32:35

    一人、また一人と別の道へ消えて行く。残されたのは、潤と私。

    仲間内の飲み会の帰り道、同じ方向に帰る私たちは、二人きりになった。

    自販機でコーヒーを買う潤。

    「お前は?オレンジジュースでいい?」

    『うん。ありがと。』

    いつもの光景。
    川辺のベンチに並んで腰かけ、水面にゆらゆら映るビルの灯りを眺める。

    潤の視線は、時折遠くの方に注がれて、それからまた水面に落とされる。
    長い睫毛が風に揺れている。

    『今日よく来れたね?明日も朝から撮影?』

    「いや、明日は昼から。今日も夕方で終わりだったんだよ。だからちょうどよかった。」

    『昼からか。じゃあそろそろ帰った方がよくない?もう1時回ってるし...』

    「あー、大丈夫大丈夫。てか早く帰らせてぇのかよ(笑)」

    『いや!違うよ?そうじゃないけど...』

    「何焦ってんだよ(笑)」

    優しく微笑むとタバコを取り出し、「いい?」と私に聞いてから火を付ける。

    煙を吐く音。遠くで聞こえる車のクラクション。流れる水の音。
    潤と過ごす、穏やかな時間。

    『潤、なんか疲れてる?』

    「なんで?」

    『いつも、私の前じゃタバコ吸わないじゃん。』

    「ああ、そうだよな。ごめん。」

    『あっ、いいんだけどね、いつも。そんなに気を遣ってくれなくてもさ。』

    「...まぁ、疲れるわな。今の時期、特に。」

    『え...?』

    「いや、今日久々にさ、みんなと会うのしんどかったもん(笑)」

    『潤...』

    いつもは力強い眼差しが、今は何だか弱々しく見える。

    「まぁ、会えて良かったけどな。やっぱりみんなと居るとパワーもらえるし。」

    『...うん。私も。』

    近くに居るのに、潤の力になれないことが、もどかしい。

    「お前にもさ。」

    『ん?』

    「やっぱお前に会うと、なんか一番パワーもらえるよ。」

    『え?』

    「癒されるしさ。」

    『ええっ?』

    驚く私を見て、大口を開けて笑う。

    『何...それ。てか、笑い過ぎだし!』

    「悪ぃ、悪ぃ(笑)」

    『てか私なんて...』

    「ん?」

    『私なんて、潤の近くに居ても全然力になれないし...パワーもらえるって、それ私のセリフだし...』

    「なんでさー」

    『え?』

    「なんでお前って、素直じゃねぇの?」

    『何が?』

    「言うことは素直じゃねぇのに、顔には正直に出るんだよな(笑)」

    『何よそれ。』

    「純粋っつーかなんつーか、俺はお前のそういうことが...」

    『?』

    潤のキラキラした瞳が、私を見つめる。

    『何よ。』

    「...何でもねーよ。」

    そう言うと、私の頭をポンポンと叩いて立ち上がった。

    「行くぞ。」

    『ねぇ潤...』

    「ドラマ終わって落ち着いたらさ、また来ようよ。」

    『ここに?』

    「うん、ここに。」

    『いいけど...』

    「そしたら、ちゃんと言うからさ。」

    『何を?』

    「...」

    『潤?』

    「ばーか(笑)」

    潤は走り出してしまった。
    私はそれを精一杯追いかけた。

    追いついた時に思わず潤の手を掴んでしまって、慌てて引っ込めようとしたけど、潤は何事もなかったように私の手を握り返した。

    「階段昇るの危ねぇから。」

    ぶっきらぼうに言うと、帰り道へ続く階段を、私の手を引いて昇っていく。

    「このまま行くか、寒いから。」

    私たちは、初めて手をつないで歩いた。

    静かな冬の夜。
    潤の手は、大きくて、温かかった。

    • 0
    • 12/02/27 23:40:47

    翔くん


    翔の部屋に行くと、何故だかベッドの上に布団がクルクルと丸めて筒状になっていた。

    「ねー、これ、何?」
    『うわっ!』

    翔は慌ててその筒状になった布団を元の状態だったであろう状態に戻す。

    「まーた変な事してたんでしょ?」
    『…するかよ』
    「ふーん…」
    『…ちょっ、ちょっ、』

    翔が小さく手招きをする。何?と言いながら翔に近づくと…ギュッと抱きしめられた。私の耳元で翔がクスッと笑う。

    「ん?何?」
    『やっぱりこれだなってさ』
    「何が?」

    翔は私を抱きしめながら言葉を続ける。

    『この感じ』
    「何?」
    『お前をハグした時のこの感じ』
    「?」
    『体が覚えてるって言うか、皮膚が覚えてるって言うか』
    「覚えてるって?」
    『お前をこうやってる時の感じって、時々無性になんてゆーか…思い出したくなるんだよ』
    「…もしかして布団を丸めてそれを再現したの?」

    私をハグしている感覚を布団で再現しようとしていた翔。

    『…うるせぇなぁ…』
    「布団と私、どっちが良かった?」
    『うるせえって』

    そう言いながら翔の腕の力は少し強くなる。可愛くない事言っちゃったかな?

    でもね。

    翔の体が、翔の皮膚が私の体を覚えてくれている。翔の腕の中でそんな事を言われたら、恥ずかしくなってそんな気持ちを隠す為に可愛くない事も言っちゃうに決まってる。

    『あ…、駄目だ。俺、やっぱ駄目だ』

    翔の手が私の頭に移動する。

    『お前の事、かなり好きかも』

    キスをしながら呟く翔の声。

    私はその声を、体で、皮膚で覚えよう。

    2人の影は部屋に長く伸びる。2人の重なった影は長く長く伸びる。


    終わり

    • 0
    • 12/02/09 20:39:16

    大野くん

    「年の差カップルねぇ」

    雑誌を見て呟く私に返ってきた返事。

    『年の差なんてそんなに関係ないんじゃねぇの?』

    その言葉がちょっとトゲトゲしていたのは気のせいではない。

    深夜、【今から行く】とメールを一方的にくれた智くん。私の前に現れた智くんは明らかに苛立っていた。

    「…ほら、この2人6歳差だって」

    私は智くんの苛立ちに気づかぬように雑誌の中のカップルを指差す。

    「6歳年下って恋愛対象になるのかな…6歳って言えば私と智く、」
    『だから関係ないっつ言ってんだろ!』

    私の言葉を消すような智くんの声。

    「…ご機嫌斜めだね」
    『…』
    「智くん?」

    沈黙が部屋の中を走り回る。時計の秒針の音だけが大きく響く。

    『…あんたさ、』

    智くんは俯いたまま私に言葉を投げる。

    『危機感とかない訳?』
    「え?」
    『夜遅くに部屋に男入れてさ』
    「…男って…」
    『もっと危機感持てよ』
    「ちょっ、待ってよ。何の話?」

    智くんの言葉がだんだん強くなる。

    『何にも分かってねぇんだよ。年上のくせして。すんげームカつく』

    智くんのイライラは言葉に乗って私に伝染。

    「深夜に来たのは誰?」
    『…』
    「突然来てイラついてるのは何?」
    『…』

    智くんは相変わらず俯いたまま。突然やってきて、意味も分からず【危機感がない】なんて言われた私。年下の智くん相手に年甲斐もないな…なんて思いながらも私のイライラは止まらない。

    「何しに来たの?」
    『…』
    「意味わかんない。なんで智くんにそんな事言われなきゃならないのか、意味わか、」
    『好きなんだからしかたないだろーがっっっ!』

    また部屋の中に沈黙が走る。

    【好きなんだからしかたない】

    智くんはこう言った。確かに智くんはこう言ったんだ。

    「…」
    『…ほんっと、ムカつく…』
    「…えっと、智くん、」
    『…』
    「…えっと…それは…誰が?誰を?」

    智くんがスッと立ち上がって玄関に向かって行く。

    「智くん、ちょっと!今の、今の何?」

    智くんは私の声に顔だけちょっと振り向いて、捨て台詞の様に一言。

    『分かるまで1人で考えてろ!』

    バタン!と派手な音を立てて部屋を出て行く智くんの後ろ姿を見ながら、頭をフル回転させて考える。6歳年下の智くんに告白されたんだと気づいたのは、もう1度視線を戻した雑誌の中のあの2人。

    年の差カップル。

    !!!

    手にしていた雑誌を放り投げる。まだ智くんに追いつくはず。走れば智くんに追いつくはず。

    智くんが立てたドアの音よりも派手に音を立てて私は部屋から走り出す。

    6歳年下の素直なんだか素直じゃないんだか分からない、智くんの元へ。


    おわり

    • 0
    • 12/02/05 21:28:32

    ちょっと悪いニノで。



    向かい合って座る彼。
    頬杖をついて、少し俯きながら、半分ほどになったカクテルのグラスをくるくる回している。
    目にかかる前髪の隙間から、ビー玉みいな瞳が2つ、こっちを見ている。

    『なんで?』

    「だから、別に理由はないよ。」

    さっきからこの会話の繰り返し。

    地方へ異動が決まった私。
    それを彼には黙っていた。
    出発前夜の今まで。

    『内緒にする意味、あった?』
    「だから、別に内緒にしてたわけじゃないよ。」
    『じゃあなんで今日なの?出発前夜って。』
    「和也、忙しそうじゃない?だから敢えて言わなくてもって思って。」
    『俺って、その程度?』
    「その程度って...」

    よく言うよ。
    人の気持ちに気付いていながら、知らん顔して、思わせぶりな態度を取って。
    それがどれだけ苦しいことか、彼には分からないんだ。

    『今日俺がご飯誘わなかったら、お前黙って居なくなったわけ?』
    「居なくなるって...別に一生会えないわけじゃないし...」

    こんな時に限って、真剣になる彼。
    そこにまた、期待してしまう自分に苛立つ。

    「てか...私、もう行くね?明日早いし。」

    一人席を立ち、俯いたままの横顔の隣を通り過ぎようとすると、勢いよく腕を掴まれた。

    「和...何?」
    『いや、何じゃなくて!』

    そう言って見上げる瞳は、いつもより潤んでいた。

    『...行くなよ。』
    「無理だよ。」
    『ずるいよ...』
    「ずるいのは和也の方だよ!」

    一瞬驚いた表情を見せたかと思えば、腕を掴んでいる手に力を込め、私を隣に引き寄せる。

    「ねぇ止めてよ。」
    『嫌だ。』
    「もう行か...」

    彼の唇が、私の唇に触れた。

    『マジ行かないで。お願い...。』

    私を抱き締めようとする腕を、力いっぱい振り解く。
    ここで彼を受け入れても、同じことの繰り返しだから。

    『おい!!』

    私を叫ぶ声は聞こえても、追いかける足音は聞こえない。
    それが、彼の答えだ。

    さよなら。

    • 0
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