嵐(妄想・小説)

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    • 匿名
      12/07/17 00:23:16

    みんな書いてくれないかな~。
    翔くんで書きます。



    【花火大会に行っても別にバレないよ。だってみんな花火見に来てるんだもん。】

    大野さんの言葉を信じて、俺は今花火大会へ向かおうとしているわけで。プライベートでは滅多に着ることのない浴衣に袖を通し、君との待ち合わせ場所に立っている。
    でも大野さんを100%は信じられず、メガネをかけ、口元を扇子で隠し...ってこれ普通に変装だな。

    『遅ぇな...』

    時計の針は待ち合わせの時刻の15分後を指している。
    目の前には人の波。ゆっくりゆっくり、大きなうねり。一度はぐれたら再び出会うのはきっと不可能だろうな。
    そんなことを考えていたら、君がやって来た。

    「ごめんごめん!やっと辿り着いた。」

    少し顔を赤らめて、首筋をハンカチで押さえて、いつもよりずっと色っぽい君。

    『もう遅ぇよ。』
    「ごめん!電車が混んでて、おまけに駅からここまでも混んでて...」
    『分かった分かった。この光景見てたら分かるから。つーか俺が早く来すぎたって噂もあるけどな。』
    「そうなの?だったら余計ごめんね。」
    『じゃ、行きますか。』

    君の手を取り、俺たちは人波に逆らって歩き出す。
    君を花火大会に誘ったら、「だったら人があまり来ない穴場がある」と君が教えてくれた。正直、少しショックだった。
    二人で行く初めての花火大会。実は君は毎年友だちと見に来ていたと聞いた。いつか俺と行けることを願っていたと。もっと早くこうしていれば良かった。

    背中の方から花火の音がする。

    『始まったね。』
    「そうだね、急ご。もうすぐ着くから。」
    『いや、そんな急がなくていいよ。歩きにくいでしょ?』
    「大丈夫大丈夫。」
    『そう?』

    今度は君が俺の手を引いて、小高い丘を登って行く。

    「着いたよー!」
    『おー!眺め最高じゃん。』
    「でしょ?ずっと一緒に来たかったんだよ、翔と。」
    『念願叶いましたね。』
    「そうですね。」

    穏やかに花火を見つめる君の横顔は、赤や青や黄色に照らされる。それに見とれる俺。
    さっきまでいたカップルの姿はいつの間にかなくなり、辺りは静まり返っている。そこに花火の音が響き続けるだけ。

    『ねぇねぇ。』
    「ん?」
    『こっち来てよ。』
    「どうしたの?」
    『いいから。』

    君の手を引き、後ろから抱き寄せる。

    「翔、大丈夫?」
    『何が?』
    「誰か来たらって...ちょっと心配(笑)」
    『大丈夫でしょ。変装完璧だし。』
    「メガネだけじゃん(笑)」
    『てかさ、みんな花火見に来てるから、大丈夫なんだって。』
    「なんだってって...誰が言ってたの(笑)?」
    『いいからいいから。だからさ...』


    君をこちらに向かせる。

    『...キスしていい?』

    「...そんなこと聞かないでよ(笑)」

    照れ笑いする君は、赤い花火の光に照らされていた。
    君の肩を抱き、ゆっくり顔を近づける。

    『あ。』
    「何?」
    『これ、邪魔だな。』

    俺はメガネを外す。

    そして、優しく君にキスをした。

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