- ニュース全般
- ルピア
- 23/02/01 15:08:35
統合失調症の兄を殺害したASDの弟に判決 裁判長は弟に「お父さん、お母さんに…」
2/1(水) 13:36配信
統合失調症の兄を殺害したASDの弟に判決が言い渡されました。判決のあと、裁判長が被告である弟にかけた言葉は、兄弟を育てた両親を思う言葉でした。実はこの裁判長、介護殺人など複雑な家庭で起きた事件の裁判を、富山地裁で何度も担ったことがある裁判官でした。
自閉症スペクトラム障害・ASDを抱える髙畠春樹(たかばたけ・はるき)被告(24)は2020年、富山市の実家で、統合失調症と、同じくASDを抱える兄の丈治(じょうじ)さん(当時25)の頭を18回以上もハンマーで殴り、殺害しました。
1月31日の判決公判で、富山地裁の細野高広(ほその・たかひろ)裁判長は「精神障害がある兄により家族が迷惑をこうむっているなどとして犯行に及んだが、それは被告の思い込みにすぎない」と指摘。「自殺にみせかけようと、遺体を山に捨てる方法を検索して道具を買ったり、通報できないよう電話線を抜くなど計画性が高い」としました。
一方、「兄弟の双方に精神障害があったことが影響して、両者が関係を修復するのが困難だった可能性は否定できず、このような経緯は被告人のために酌むことができる」などとして、髙畠被告に懲役11年の実刑判決を言い渡しました。
検察側の求刑は懲役15年、弁護側は懲役8年が相当としていました。
裁判長が判決を読み上げる間、髙畠被告はときおり証言台に頭が触れるほど深くうつむいて聞いていました。
前回の裁判では、被告の父親が黒いスーツ姿で証人として法廷に立ち、静かな声で淡々と証言していました。
父親:「(弟の)春樹が真剣に謝罪の気持ちを持つなら、残された1人の息子なので、更生を支援したいです」
検察官:「反省が見えなかった場合は?」
父親:「出所してもなおらないのであれば、施設などに入ってほしい。家に一緒に暮らすことはできません」
兄弟は折り合いが悪く、小さいころから喧嘩ばかりしていたといいます。
父親:「(兄弟が)同じ場所にいると喧嘩になるので2人が一緒にいないように考えていました」
事件当時は、高畠被告を家から出して、アパートで1人暮らしをさせていて、父親がアパートに食事を届けるなど様子を見に行っていたといいます。
>>1続く
- 0 いいね