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「どうすれば、どうすれば、どうすれば…」統合失調症の兄をASDの弟が殺害 法廷で後悔の涙 富山
1/20(金) 11:01配信
「お兄さんの償いのためにも、これからどうすれば、どうすれば、どうすれば…」
兄を思い、法廷で声をふるわせる24歳の被告。「お兄さんにも思うところはあったはず」。審判を前に後悔をにじませた。
髙畠春樹被告は、22歳だった2020年11月、富山市の実家で当時25歳の兄・丈治さんの頭をハンマーで何度も殴り、殺害した。統合失調症と自閉症スペクトラム・ASDを患い、時には暴れて手がつけられず、入退院を繰り返す兄だった。
コミュニケーションが苦手で、こだわりを強く持つなどの特性があるASD。幼い頃から兄弟間でトラブルが絶えず、髙畠被告は「兄は障害者、自分は健常」と考えていたというが、事件後の鑑定で初めて、自身もASDと診断された。小中学校でも人間関係がうまくいかず、いじめに遭っていたという髙畠被告。ASDと聞いて、法廷で「腑に落ちた」と口にした。そして12日の被告人質問で、こう語った。
髙畠被告:「障害を持ったお兄さんが身内にいるせいで、人から好かれない、女性にももてないと思いました」「自分はZ世代。Z世代の人から笑われたり、ばかにされたり屈辱的に感じました」
弁護人:「そのストレスを誰かに向けましたか?」
髙畠被告:「家族やお兄さんに向けました」
裁判では、このASDが犯行に影響したかどうかが量刑を決める争点となっている。
■■相模原の事件に触発された
髙畠被告は、2016年に神奈川県相模原市の障害者施設で入所者19人が殺害された事件に「触発された」と法廷で話していた。
髙畠被告:「(植松死刑囚の)『障害者なんて死んだほうがいい』そんな言葉です」
19日の公判で検察側は、「被告は以前から障害者を蔑視する言動があったうえ、殺害したあとは遺体を山へ捨てようと『死体処理』『死体を山に埋める』などと検索して道具をそろえるなど計画性が高い」ことを指摘。「犯行を決意したのは自分の意思で、ASDの影響はない」として懲役15年を求刑した。
一方、弁護側は「計画性が高く見えるのは、ASDの影響から犯行計画を途中で修正したりやめたりすることが困難だったためで、非難の程度を下げるべき。更生が期待でき、長期間服役させる必要性は高くない」などとして、懲役8年が相当だとした。
髙畠被告は、裁判官から最後に言いたいことがないかと問われると、ゆっくりと口を開いた。
髙畠被告:「お兄さんも思うところはあったはずです。自分の病気のことを理解して、更生することに全力で努めたいという気持ちでいっぱいです」
こう述べたあと、うつむいて「どうすれば、どうすれば、どうすれば…」と声を詰まらせた。「どうすればこんなことにならなかったか、あの時どうすればよかったか…これからも考えて生きていきます」
社会は2人を助けることはできなかったのか。今月31日に判決が言い渡される。
チューリップテレビ
https://news.yahoo.co.jp/articles/13b4c806279b6ba716724ef6d4efcc3f7ed6b6c9- 2
23/02/02 10:30:29