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13/03/07 13:33:03
>>1621 ■燃料の規制の緩さが原因 直接的に関わっているのはエネルギー業界だ。 微粒子状物質の発生原因の半分は自動車の排ガスであり、その素はガソリンやディーゼル油に含まれる硫黄などの成分だからだ。 中国のガソリン、ディーゼル油に含まれる硫黄分の規制は「150ppm以下」で、日本や欧州の「10ppm以下」と比べ、何と15倍の濃度でも認められている。 中国では乗用車の排ガスに含まれる一酸化炭素、窒素酸化物(NOx)などの規制は欧州が2005年から導入した「ユーロ4」とほぼ同水準のものが新車にはすでに適用されているが、燃料の規制は緩く、硫黄酸化物(SOx)がPM2.5の有力な原因になっているといわれる。 自動車メーカーは外資との合弁が多く、排ガス対応の技術も外資から得られるためNOx対策などで高いハードルを課しても問題はないが、PM2.5の主因の1つであるガソリンやディーゼル油の硫黄分を先進国並みに削減しようとすれば、製油所に高度な脱硫装置を整備する必要があり、石油会社は莫大な投資をせざるを得ない。 投資負担を嫌う中国石油天然ガス集団(CNPC)、中国石油化工集団(Sinopec)の2大国有石油会社は残留硫黄の規制を強化することに反対してきた。 中国の電力の約70%は石炭火力発電所が生みだしており、残りの大半は三峡ダムのような水力発電。 天然ガス火力や原子力、再生可能エネルギーはそれぞれ数%規模にすぎない。石炭火力発電は自動車と並ぶ大気汚染源のため、今世紀に入って中国政府は脱硫、脱硝装置を義務付け、対応はそれなりに進んできた。 だが、PM2.5の回収に効果的な煙突の集塵装置については、政府は義務付けていなかった。 急激な電力需要の伸びに対応するため、電力会社を発電能力拡大の投資に集中させる必要があったからだ。 PM2.5問題は中国政府と石油産業、電力産業が生み出した複合汚染といってもいいだろう。 続く
13/03/07 13:35:25
>>1622 ■逃げ出す富裕層と耐える庶民 PM2.5に覆われた北京、天津などでは裕福な市民の脱出が始まっている。 比較的、空気のよい福建省、四川省、雲南省などに一時的に長期滞在したり、都市中心部のマンションから郊外の別荘地に移ったりする動きだ。 極端なケースはPM2.5を機に海外移住をめざす人も増えている。 中国人の米国、カナダ、マレーシア、ニュージーランドなどへの移民はこの4、5年増加してきたが、それが今年、急増する気配を見せ始めている。 昨年の尖閣諸島国有化のあとの反日で、激減していた日本への中国人観光客の訪問も今年に入って、底打ちして増えつつあるのは「反日」が収まったというよりも、きれいな空気を求めた訪日の面が強い。 だが、住む場所を変えることのできない庶民は外出抑制やマスクくらいしか対応法はない。 大気汚染への対応にも貧富の格差が反映される。 高濃度のPM2.5を吸い続けるしかない庶民の怒りはやがて政府や共産党一党支配体制への不満に発展していきかねない。 中国政府は石油産業や電力業界への規制強化に動くだろうが、今や国を牛耳るほどの権力組織となったエネルギー産業を押さえ込むのは簡単ではない。 中国政府は排ガス規制の強化や集塵機の整備をすでに打ち出しているが、実施時期や拘束性には疑問符がついている。 続く
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13/03/07 13:41:27
>>1623 ■体制に影響を与える可能性も 政府の対応が生ぬるいとなれば、政府批判が起きるのは確実だ。 大連での化学工場閉鎖の時のように、一般の国民が中南海(中国の最高指導者たちが居住する北京中心部の地区)に押しかけ、シュプレヒコールを挙げれば、指導部には大きな脅威となる。 選挙や民主化という抽象概念よりも今、自分が吸っている空気の汚染、健康への被害は中国国民にとってはるかに重要であり、深刻な問題だ。 金持ちだけが海外移住などでそれを逃れようとしている事実も怒りを倍加させるだろう。 ソ連邦が崩壊する直前、2つのことが庶民を苦しめていた。 1つは食糧や日用品など物資の不足であり、もう1つはアラル海や西シベリアの油田地帯など各地で深刻化した環境破壊、モスクワをはじめとする大都市の大気汚染など公害問題だ。 体制を崩壊させるほどのエネルギーを国民に与えるのは食糧とよい環境の2つの不足なのだ。 中国には食糧は不足していないが、庶民が安心して暮らせるよい環境は失われた。 PM2.5が思わぬ衝撃を中国の体制に与える可能性をみておくべきだろう。 執筆者 高村悟
13/03/07 13:49:38
中国環境汚染関係 >>1576>>1577>>1588>>1592>>1593>>1594>>1597>>1598 97%の都市で地下水汚染=高まる危機感―中国 >>1605 中国が公式文書で「癌(がん)症村」の存在認める 少なくとも国内200カ所以上>>1609 中国の原発事故想定 規制委、対応策を検討 「次々と建設、日本に影響甚大」>>1612 「PM2.5」だけではない「環境汚染」が生む新たな中国危機>>1620>>1621>>1622>>1623>>1624 自治体にデータ公表の動き >>1591
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No.1622 続き
13/03/07 13:33:03
>>1621
■燃料の規制の緩さが原因
直接的に関わっているのはエネルギー業界だ。
微粒子状物質の発生原因の半分は自動車の排ガスであり、その素はガソリンやディーゼル油に含まれる硫黄などの成分だからだ。
中国のガソリン、ディーゼル油に含まれる硫黄分の規制は「150ppm以下」で、日本や欧州の「10ppm以下」と比べ、何と15倍の濃度でも認められている。
中国では乗用車の排ガスに含まれる一酸化炭素、窒素酸化物(NOx)などの規制は欧州が2005年から導入した「ユーロ4」とほぼ同水準のものが新車にはすでに適用されているが、燃料の規制は緩く、硫黄酸化物(SOx)がPM2.5の有力な原因になっているといわれる。
自動車メーカーは外資との合弁が多く、排ガス対応の技術も外資から得られるためNOx対策などで高いハードルを課しても問題はないが、PM2.5の主因の1つであるガソリンやディーゼル油の硫黄分を先進国並みに削減しようとすれば、製油所に高度な脱硫装置を整備する必要があり、石油会社は莫大な投資をせざるを得ない。
投資負担を嫌う中国石油天然ガス集団(CNPC)、中国石油化工集団(Sinopec)の2大国有石油会社は残留硫黄の規制を強化することに反対してきた。
中国の電力の約70%は石炭火力発電所が生みだしており、残りの大半は三峡ダムのような水力発電。
天然ガス火力や原子力、再生可能エネルギーはそれぞれ数%規模にすぎない。石炭火力発電は自動車と並ぶ大気汚染源のため、今世紀に入って中国政府は脱硫、脱硝装置を義務付け、対応はそれなりに進んできた。
だが、PM2.5の回収に効果的な煙突の集塵装置については、政府は義務付けていなかった。
急激な電力需要の伸びに対応するため、電力会社を発電能力拡大の投資に集中させる必要があったからだ。
PM2.5問題は中国政府と石油産業、電力産業が生み出した複合汚染といってもいいだろう。
続く
No.1623 続き
13/03/07 13:35:25
>>1622
■逃げ出す富裕層と耐える庶民
PM2.5に覆われた北京、天津などでは裕福な市民の脱出が始まっている。
比較的、空気のよい福建省、四川省、雲南省などに一時的に長期滞在したり、都市中心部のマンションから郊外の別荘地に移ったりする動きだ。
極端なケースはPM2.5を機に海外移住をめざす人も増えている。
中国人の米国、カナダ、マレーシア、ニュージーランドなどへの移民はこの4、5年増加してきたが、それが今年、急増する気配を見せ始めている。
昨年の尖閣諸島国有化のあとの反日で、激減していた日本への中国人観光客の訪問も今年に入って、底打ちして増えつつあるのは「反日」が収まったというよりも、きれいな空気を求めた訪日の面が強い。
だが、住む場所を変えることのできない庶民は外出抑制やマスクくらいしか対応法はない。
大気汚染への対応にも貧富の格差が反映される。
高濃度のPM2.5を吸い続けるしかない庶民の怒りはやがて政府や共産党一党支配体制への不満に発展していきかねない。
中国政府は石油産業や電力業界への規制強化に動くだろうが、今や国を牛耳るほどの権力組織となったエネルギー産業を押さえ込むのは簡単ではない。
中国政府は排ガス規制の強化や集塵機の整備をすでに打ち出しているが、実施時期や拘束性には疑問符がついている。
続く
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No.1624 続き
13/03/07 13:41:27
>>1623
■体制に影響を与える可能性も
政府の対応が生ぬるいとなれば、政府批判が起きるのは確実だ。
大連での化学工場閉鎖の時のように、一般の国民が中南海(中国の最高指導者たちが居住する北京中心部の地区)に押しかけ、シュプレヒコールを挙げれば、指導部には大きな脅威となる。
選挙や民主化という抽象概念よりも今、自分が吸っている空気の汚染、健康への被害は中国国民にとってはるかに重要であり、深刻な問題だ。
金持ちだけが海外移住などでそれを逃れようとしている事実も怒りを倍加させるだろう。
ソ連邦が崩壊する直前、2つのことが庶民を苦しめていた。
1つは食糧や日用品など物資の不足であり、もう1つはアラル海や西シベリアの油田地帯など各地で深刻化した環境破壊、モスクワをはじめとする大都市の大気汚染など公害問題だ。
体制を崩壊させるほどのエネルギーを国民に与えるのは食糧とよい環境の2つの不足なのだ。
中国には食糧は不足していないが、庶民が安心して暮らせるよい環境は失われた。
PM2.5が思わぬ衝撃を中国の体制に与える可能性をみておくべきだろう。
執筆者 高村悟
No.1625 ん
13/03/07 13:49:38
中国環境汚染関係
>>1576>>1577>>1588>>1592>>1593>>1594>>1597>>1598
97%の都市で地下水汚染=高まる危機感―中国
>>1605
中国が公式文書で「癌(がん)症村」の存在認める 少なくとも国内200カ所以上>>1609
中国の原発事故想定 規制委、対応策を検討 「次々と建設、日本に影響甚大」>>1612
「PM2.5」だけではない「環境汚染」が生む新たな中国危機>>1620>>1621>>1622>>1623>>1624
自治体にデータ公表の動き >>1591