百聞は一見に如かず
修学旅行は北朝鮮へ「本音なんて話せません」 朝鮮学校の卒業生が振り返る“悪夢の2週間”
https://news.livedoor.com/lite/article_detail/27863144/
デイリー新潮
◆修学旅行で訪れた北朝鮮
朝鮮学校の高校の修学旅行先は北朝鮮だった。しかも2週間も北朝鮮に滞在する。これはほぼ“短期留学”だ。北朝鮮では20時を過ぎるとお湯が出なくなり、錆汁しか出なくなるのでお風呂に入れなくなるし、停電も日常茶飯事だった。
これから北朝鮮での思い出話をつづっていくが、これはあくまで僕の修学旅行体験記だ。(略)
◆バス車中でのあり得ないルール
旅行中の2週間は、ほとんどバスで移動し、いろいろな観光地を回った。目的地まで片道何時間もバスに乗ることもあったのだが、車内では“絶対に守らないといけないルール”があった。寝ることは許されず、ずっと北朝鮮の曲を歌わないといけないというルールだ。
北朝鮮の曲とはもちろん、金一族をただただ褒め讃える曲、もしくは社会主義国家は素晴らしい的な曲の2パターンのみだ。日本から用意してきた北朝鮮の曲が100曲ほど載ってある歌集を開き歌う。マイクが用意されていて、指名されると1人で歌わないといけない。歌い終わると次の人を指名するシステムで、バスの中では、これが延々と行われていたのだから、まさに地獄絵図と言っていい。
途中から飽きてきたのかわからないが、朝鮮学校の先生と北朝鮮のガイドの方がバリエーションを増やして、男女のデュエットが始まった。ひたすら金一族を褒め讃える曲と社会主義国家は素晴らしい的な曲を歌わされ続け、聞かされ続けていたので、僕はどんどん自我が崩壊しそうになって――。
そこで僕が独自に編み出した技がある。それは脳内でJ-POPを流しながら、音姫のように北朝鮮の曲をかき消すといった技だ。バスの中でなんとか自我を保つことができていたのはJ-POPのおかげだったのだ。
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No.1 主 百聞は一見に如かず
25/02/19 17:18:01
◆本音は言えない。とにかくつらかった夜のディスカッション
朝から夕方までバスに乗って観光地を回り、ホテルに帰り夕食を食べ終わると1日が終わる……とはならなかった。夜のディスカッションが毎晩行われた。ホテルの部屋と部屋の間に机やソファーが置いてあるスペースがあり、そこでクラスごとに分かれて話し合いが行われていた。
朝鮮学校の担任の先生が、「はい、じゃあ今日~~と~~に行きましたが、何か感想のある人」と言うと、挙手をして感想を述べていく。
「早よ終わってくれ……」
僕はそう思いながらソファーに腰掛けていた。すると数人が手を挙げる。指名された同級生の女子が話し始める。「今日は~~に行きましたが、金正恩元帥様がおっしゃっていた~~~~というお言葉を聞いて本当にそうだと思いました」彼女は決まって一番に発言をしていた。発言はすべてコピペ。すると、先生が「良いですね」と彼女を褒める。
「ええの?」
僕は心の中で苦笑してしまった。その言葉を聞いてどう思い、どう行動に移すのかまで話していたのであればまだいいだろうが、このやり取り、ただのコピペにすぎない。もう茶番以外の何ものでもない。
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No.2 主 百聞は一見に如かず
25/02/19 17:18:36
◆金一族を褒め讃えるだけの不毛な時間が過ぎ…
金一族の発言コピペ女子は、その後しっかり朝鮮大学校に行って朝鮮学校の先生になった。彼女に続くように、朝鮮学校の先生から好かれている生徒たちが手を挙げて発言していく。もちろん北朝鮮や金一族を褒め讃える内容ばかりだった。そんな不毛なディスカッションが1~2時間も続いた。夜のディスカッションは、長引く日は2時間を超える日もあった。
僕はとにかく「早よ終わってくれ」と思い続けていた。この時間が不毛だからという理由もあったが、最大の理由は、早く終わってくれないとシャワーを浴びられなくなってしまうからだ。20時を過ぎるとお湯が出なくなり、錆汁しか出なくなる。絶対に汗を洗い流したい。
「早よ終われ!!」
20時が近づいて焦っていると、僕の親友が口を開いた。「今日行った観光地で『金正恩元帥様が~~~~』って言ってたけど、俺はあれ違うと思う」
場が凍りついた……。僕も親友の発言に賛同するが、今は北朝鮮にいるので口が裂けても言えなかった。無事に日本に帰国できなくなる恐れがあるからだ。すると、コピペ女子が「~~(親友の名前)!そういうところがダメだと思うよ!」と口撃した。
コピペ女子は北朝鮮と朝鮮学校に従順だ。どこがどうダメなのかは指摘しない。コピペ女子だから。当然のこと、親友とコピペ女子は口論になった。親友とコピペ女子の声だけが響きわたる北朝鮮の一角。「朝まで生テレビ!」くらい長丁場になりそうだった。
「シャワーが浴びたい!」
みながうつむく中、数人の生徒がざわつきだした。視線の先に目をやると、北朝鮮のガイドの男性が片隅に腰を掛けて話を聞いていた。
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No.3 主 百聞は一見に如かず
25/02/19 17:19:08
◆“体制批判”を口にしてしまった親友の命運は――?
夜に学校の先生が見回りに来たことはなかったが、昼夜問わず国家ぐるみで見回りされていた。それが北朝鮮、どこで誰が聞いているかわからない環境だ。ことわざっぽく言うと、“壁に金日成あり、障子に金正日あり”だ。
「~~(親友の名前)! 頼む! もうやめてくれ! 一緒に日本帰ろう!」
すると、ガイドが壁からひょっこり立ち上がって現れた。
「ちょっといいですか?」
ガイドの姿にようやく気づいた親友。一瞬顔が引きつったように見えたが、すでに詰んでいる、と何とも言えない顔をしていた。ガイドの男性の表情はサングラス越しのためわからない。
「私は金正恩同志を信じています。ですから、金正恩同志に一生ついていきます」
彼は僕の親友に何も言わず、ゆっくりとその場を去っていった。
とりあえず親友が無事でよかった。北朝鮮では本音なんてもちろん言わない。言わないんじゃない言えない国なのだ。僕はこの修羅場の中、反町隆史さんの歌が頭の中でリフレインしていた。
「言いたいことも言えないこんな世の中はPYONYAN」
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No.4 主 百聞は一見に如かず
25/02/19 17:20:14
◆軍事訓練所を視察。「軍人の話を聞く会」で遭遇した“壊れたラジオ”
修学旅行中、僕たちは北朝鮮のいろいろな軍事訓練所に行った。 成人男性の軍事訓練所、成人女性の軍事訓練所、同世代の男子の訓練所……。
とくに成人男性の軍事訓練所が思い出深い。僕らが到着すると、かなりの歓迎ムードだった。まず、お互いに合唱を歌い合った。そして、双方が北朝鮮の曲を何曲か歌い終えると懇談会が行われた。
軍人さん数名と朝鮮学校の生徒数名が各グループに分かれて席につくと、軍人さんが僕たちに質問してきた。「いくつに見える?」
「このノリって万国共通なんや」
同級生の1人が答える。「24歳ですか?」「違う」「22歳ですか?」「違う」「君は何歳だと思う?」僕に質問してきた。ここは一発ボケをかまさないといけないと思い、
「マフンサル?(朝鮮語で40歳)」
すると、軍人さんたちが、「マフンサル!マフンサル!」と喜び、笑いを取ることができた。北朝鮮だったら天下を取れるのではないかと思うほどウケたのだ。
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No.5 主 百聞は一見に如かず
25/02/19 17:21:40
会は進み、軍人さんが僕に言った。
「ただこの場所に来たと日本に帰ってお父さんとお母さんに言うのではなく、金正日将軍様が先軍政治を発表された由緒ある場所だとしっかり伝えないといけません」
「はい、わかりました」
「ただこの場所に来たと日本に帰ってお父さんとお母さんに言うのではなく、金正日 将軍様が先軍政治を発表された由緒ある場所だとしっかり伝えないといけません」
またまったく同じことを言ってきた。
「はい、わかりました」
「ただこの場所に……」
誇張なしで言うが、このラリーが5回は続いた。 僕はなんとか違う話題に変え、懇談会をやり過ごした。懇談会が終盤にさしかかったときに、軍人さんが僕の目を見て、
「ただこの場所に……」
もうええわそれ! 何回言うねん!!
日本に帰国してから、あの軍人さんの言葉を思い出した。金正日が先軍政治を発表した場所やって言わなあかんって言ってたなぁ~。僕は父と母にこう伝えた。
「何回も同じ話ばっかりしてくる軍人がおったで」
【著者】パク・ユソン
1997年生まれ。兵庫県神戸市出身。小中高12年間を朝鮮学校に通い、関西学院大学法学部法律学科に進学。その後、吉本興業のお笑い養成所に入学(NSC大阪43期)。2021年からピン芸人として活動。2023年から自身のYouTubeチャンネル「パクユソンちゃんねる」で朝鮮学校時代の思い出話を始める。現在はYouTubeチャンネル登録者数14万人、TikTokフォロワー数6万人。SNSを主な活動の場にしており、毎月大阪の楽屋Aや舞台袖で独演会を開催している。本書が初の著書となる。
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