• No.1 山城守

    25/04/24 19:50:42

    (トピックに引き続いて)次に、茶栽培にネオニコチノイドが使われているという根拠で真っ先に思いつくのは「Contamination by neonicotinoid insecticides and their metabolites in Sri Lankan black tea leaves and Japanese green tea leaves」(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2214750018300647)であるから、玉著がこれを根拠に執筆されたものであるという前提で一言申し上げる。
    当該論文では2016年1月から同5月にかけて国産緑茶39検体、ペットボトル茶に至っては僅か9検体を調べて(「 2.1.2. Tea leaves and beverages」の「From January to May 2016, green tea leaves labeled “domestically grown” of different brands and manufacturers were purchased from randomly selected grocery stores in Japan (n = 39), and black tea leaves were purchased from grocery stores in Sri Lanka (n = 30). 」という一文)偶々ネオニコチノイドが検出された(「3.1.1. Neonicotinoid insecticides and metabolites in green tea leaves」の「All seven neonicotinoid insecticides and nine of the 20 neonicotinoid metabolites examined were detected in Japanese tea leaves (Table 2, Table 3).」という一文)からと言ってネオニコチノイドが茶栽培に多用されているという玉著の記載はあまりにも早計であろう。
    (続く)

  • No.2 山城守

    25/04/24 19:53:49

    >>1(続き)そもそもネオニコチノイド殺虫剤については小澤朗人氏・小杉由紀夫氏 ・片井祐介氏 ・吉崎真紀氏が1998 年~2008 年(2006 年は除く)にネオニコチノイド殺虫剤のチャノミドリヒメヨコバイに対する防除効果を静岡県農林技術研究所茶業研究センター内茶園で試験し、2004年には被害防止率が35.1%に低下し、その後も被害防止率が低迷するという結果を得ている(https://www.jstage.jst.go.jp/article/ktpps/2009/56/2009_56_107/_pdf/-char/ja 小澤朗人・小杉由紀夫氏・片井祐介 ・吉崎真紀「茶園のチャノミドリヒメヨコバイに対するネオニコチノイド系殺虫剤の防除効果の低下 」)。また、同論文に拠れば、小澤朗人氏等の右研究以前からチャノミドリヒメヨコバイに対するネオニコチノイド殺虫剤の防除効果の低下が現場から指摘されるようになったのである(同論文冒頭)。そうすると、態々かくの如く薬効が疑問視されているネオニコチノイド殺虫剤を好んで使う茶農家がそう多くいるのかという疑問が浮かぶ。(続く)

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  • No.3 山城守

    25/04/24 19:55:11

    >>2(続き)更に遡って1999年には多々良 明 夫氏が「チ ャに お けるBT剤 とIGR剤 を基 幹 と した天 敵保 護 防 除体 系 下 での害 虫 と天 敵 類 の発 生」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/ktpps1999/1999/46/1999_46_119/_pdf/-char/ja)題して天敵への影響が少ないBT剤(対象とする害虫に対して特異性(対象のみに効果を現す性質)の高い微生物を使った農薬(姫 野 道 夫「微 生 物 殺 虫 剤(BT剤)の 改 良 と作 用 メ カ ニズ ム」 (https://www.jstage.jst.go.jp/article/microbes1996/14/4/14_4_245/_pdf/-char/ja)の 「1. は じめ に」を参照のこと)やIGR剤(昆虫の脱皮 , 変態や生殖 に かかわ る 生理作用をか く乱する化合物の総称(中村知史「昆虫成長制御剤開発の最近の動向」 (https://jppa.or.jp/archive/pdf/52_07_01.pdf)の「はじめに」を参照のこと))を使用した防除に係る研究を発表していること、平成9年2月発行『新・目で見る茶の病害虫』に主要害虫を対象とした複数のBT剤、IGR剤という選択毒性が高い薬剤が複数紹介されていることも踏まえると、態々ネオニコチノイド殺虫剤という薬効に疑問が残る薬剤を玉著執筆時点の2019年10月19日時点で使い続ける茶農家が果たしてどれだけいるか甚だ疑問である。
    更に、ネオニコチノイドは茶農家にとって別のデメリットもある。例えば、茶の主要害虫の一つとして知られるチャノコカクモンハマキの天敵の一であるキイロタマゴバチ(高木一夫「茶園に寄生蜂のモニタリング」(昭和49年10月農林省茶業試験場『茶業試 験報告第10号』p91-131(内当該箇所p99))はネオニコチノイド系農薬に対し高い感受性を持つことが指摘されている。(続き)

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