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値上げは悪なのか? 輸入小麦の高騰から考える「価値ある値上げ」への転換
2022年3月12日 9時00分
(略)
今回の輸入小麦の値上げはパンだけでなく、うどんやラーメン、菓子にまで広く影響が出る可能性があり、私達の生活に強く結びつく話です。
■まだまだ値上げは止まらない
そもそもなぜ、輸入小麦の価格を政府が決めるのでしょうか?
国内で消費されるおよそ9割を輸入でまかなっている小麦。今や日本人の“主食”で、毎年パンや麺類など小麦関連製品の1世帯あたり消費支出はコメを上回り続けています。
小麦はそんな主要な食料であるため、安定的な供給および価格を実現するため政府がまとめて買い付け、製粉会社に売り渡す仕組みが取られています。金額は半年ごとに見直され、直近6か月の買い付け価格の平均となります。
今回の値上がりの主な要因は3つです。
(1)主要な産地であるアメリカ・カナダの高温、乾燥による不作。
(2)小麦の質の低下による日本が求める高品質な小麦の調達価格の上昇。
(3)ウクライナ情勢による供給の懸念です。
(略)
■小麦の高騰は政権を倒すほどの破壊力も
2011年初頭に北アフリカ・中東地域で相次いで政権交代が起こった民主化運動の波「アラブの春」。その一因と言われているのが小麦の値上がりなのです。そして、当時の値上がりの要因となったのがくしくもロシアとウクライナです。
2010年に起きた大規模な干ばつの影響で、ロシアは小麦の他国への輸出を禁止。ウクライナは上限を定めた輸出制限を行いました。小麦の輸入をこの2カ国に頼っていた中東とアフリカでは、瞬く間にパンなどの値段が上昇、国民の不満が爆発したのです。
現在の日本はどうでしょうか?
すでに小麦を原料にした食品の値上げが相次いで発表されています。パンやパスタ、うどんやたこ焼きなどの冷凍食品、カップ麺。銀座コージーコーナーのケーキやエクレア。ミスタードーナツのドーナツ。大手コンビニエンスストアではサンドイッチや麺類などを値上げします。コンビニ各社では小麦の原材料価格の動向も踏まえながら、今後も必要に応じ引き続き商品価格の見直しを検討するとしています。(略)
■ただ、値上げは悪なのか?
企業が仕入れるモノの値段である企業物価指数、日本銀行が10日に発表した今年2月の数値は、前の年に比べて9.3%上昇。過去最大の伸びとなりました。
一方、消費者のコストを表す消費者物価指数は、最新のデータとなる今年1月の値で0.5%上昇。企業物価指数が大きく上回っていて、企業はコスト上昇を商品価格に転嫁出来ていないのです。つまり企業がコストを被っていることになります。この傾向は特に中小企業で顕著です。
中小企業家同友会が1日に発表した経営者へのアンケートによると、およそ8割の中小企業が十分な価格転嫁が出来ていないとしています。値上げ出来ない中小企業は従業員の給料を上げられません。さらに最悪の場合、倒産という形で従業員に跳ね返ってきます。
適切な値上げは企業活動を継続するため、私達の雇用を維持するために必要なのです。
■企業が取り組むべき戦略の1つ「価値ある値上げ」
企業は値上げとどう向き合うべきなのでしょうか?
大手コンビニの関係者は「国産食材を使用するなどリニューアルした上で値上げする道を探っている」といいます。付加価値をつけた上で消費者に値上げを納得して貰うのです。
日本人は価格にシビアと言われ、これまで多くの企業がコスト削減のもと価格を抑えてきました。しかし、給料も上がらない現実があります。今、そのループを脱するチャンスなのかもしれません。
価値ある値上げとともに給料も上げる、その背中を国がどう押していくのか、“東洋の春”が起きないよう、岸田総理の対策に注目です。
TBSテレビ経済部 農水省担当
金子泰拓
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye6007261.htm
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