- ニュース全般
- 康治
- 20/04/10 21:50:25
・日本の新型コロナ対策「クラスター潰し」について、デイリー新潮が報じた
・集団感染が起きそうな集団に検査キットを集中させるもので、世界で唯一採用
・人口10万人当たりの死亡者数が世界的に非常に低く、奏功しているとの見方も
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【新型コロナ】死亡者数が少ない日本 世界で唯一の「クラスター潰し」が奏功か?
2020年4月5日 11時2分 デイリー新潮
日本の新型コロナウイルス対策については、「PCR検査の数が制限されていることから本当の感染者数が把握できていない」との批判が根強くある一方で、人口10万人当たりの死亡者数が世界的に見て非常に低いという興味深い事実が明らかになっている。
4月2日現在、イタリアの人口10万人当たりの死亡者数が22人、スペインが23人、米国が1・5人、韓国が0・4人であるのに対し、日本は0・05人である。
その理由についてはいまだ明らかになっていないが、その鍵は日本の戦略にあるのではないかと筆者は考えている。
日本の戦略を一言で言えば、「クラスター潰し」という、日本が世界で唯一採用している取り組みである。新型コロナウイルスの感染連鎖が起きている可能性がある集団に注目し、限りある検査キットを集中して投入して、市中感染となりうる芽を未然に摘み取ろうというものである。
政府は2月25日に新型コロナウイルス対策本部にクラスター対策班を設置し、感染症の専門家ら約30人を配置したが、これを率いるのは押谷仁東北大学教授と西浦博北海道大学教授である。
押谷氏は、WHOへ出向中にSARS封じ込めの最前線で陣頭指揮を執るという経験を有する日本の感染症封じ込め対策立案の第1人者である。その押谷氏が採用した基本方針が「社会・経済機能への影響を最小限にしながら、感染拡大の抑制効果を最大限にする」ことであり、対策の最大の目標は「発生の端緒を捉え早期に対策を講じることで、感染拡大の速度を抑制し、可能な限り重症者の発生と死亡者数を減らす」ことである。
具体的には、医師の届出等から集団発生を早期に把握し、積極的な疫学調査を実施し感染源等を特定することで、都道府県と連携しながら感染拡大防止対策(外出や大規模イベントの自粛要請など)をピンポイントで実施していくというものである。
この対策を支えるのは、疫学解析や数理モデル解析を用いて地域の流行状況をリアルタイムで把握する作業を取り仕切る西浦氏である。西浦氏の専門は「感染症数理モデルを利用した流行データの分析」であり、この分野で世界トップレベルの能力を有することは専門家の間で周知の事実である。
押谷・西浦両氏を始めとするクラスター対策班のおかげで、日本はクラスターが次のクラスターを生み出す連鎖を断ち切り、メガクラスター(非常に大規模なクラスター)の発生を食い止めることに概ね成功している。日本が得意としている職人気質が新型コロナウイルス対策でも発揮されているのである。
韓国の「検査のローラー作戦」を評価する向きが多いが、冒頭に挙げた人口10万人当たりの死者数を見れば、日本の対策の方が功を奏していると言っても過言ではない。
続き >>1 「成功」3つの理由
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寛平