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文氏が親北容共路線であるのは、いまやだれもが承知しているが、正恩氏と十分な意思疎通ができているのかどうか、も怪しくなった。綿密に打ち合わせしていたなら、過大な要求をすれば、会談が決裂する可能性も想定できたはずだ。
今回の結末を見る限り、文大統領は正恩氏の単なる「使い走り」程度なのかもしれない。
■日本も「勝者」と言っていい
トランプ氏に次ぐ勝者は安倍晋三首相である。日本とすれば、米国が下手に宥和姿勢に傾いて、非核化も拉致問題も日本を狙う中距離ミサイル「ノドン」の撤去問題も前進がないまま、制裁緩和に動けば、置き去りにされかねない局面だった。
それが正恩氏の強気のおかげで、会談決裂という結果を得た。最高とは言えないが、最悪でもない。むしろ正恩氏が負けたのは、日本にプラスである。とはいえ、これで北朝鮮が日本に経済支援を求めてくる可能性は当分、なくなった。
その限りでは、拉致問題の解決にマイナスと言えなくもない。ただ、北朝鮮が経済制裁に音を上げているのは間違いない。ここは、しばし我慢のしどころだ。
中国とロシアも敗者である。中ロ両国は韓国と歩調をそろえて、北朝鮮に対する制裁緩和を求めていた。ところが、肝心の正恩氏が大きく出過ぎたために、せっかく北朝鮮を応援しようにも、応援のしようがなくなってしまった。
こうしてみると、今回の大失敗を招いたのは、正恩氏自身の稚拙さとうぬぼれ、見通しの甘さが原因だ。それを前提に、今後のシナリオを考えてみよう。
まず、正恩氏はどうするか。
稚拙さを考えると、メンツを守るために、再び強硬路線に戻る可能性はゼロとは言えない。トランプ氏をののしるか、あるいはいっそ、核とミサイルの実験を再開するか。私はどちらも難しいとみる。
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19/03/01 19:45:11