オリオン
2018年10月18日 2:00
沖縄科学技術大学院大学のウォルフ・マティアス准教授と大阪大学の杉田征彦特任研究員らは東京大学などと共同で、エボラ出血熱を引き起こすエボラウイルスの核となる構造を突き止めた。
エボラ出血熱は現在、有効な予防や治療法がなく、新たな治療薬の開発につながる。成果は英科学誌ネイチャー(電子版)に18日、掲載される。
エボラ出血熱は主にアフリカで流行する感染症で、致死率は90%に達する。2013年末から西アフリカを中心に起こった流行では1万1千人を超える死者が出て、欧米にも感染が広がった。
エボラウイルスは感染すると細胞内で増殖し、細胞を破って外に出て広がる。ウイルスの核となる部分は、たんぱく質がらせん状につながった構造と、遺伝情報を伝えるリボ核酸(RNA)でできている。研究グループは、極低温でたんぱく質などを観察する「クライオ(極低温)電子顕微鏡」を使って核となる部分を解析した。
また構造データはインターネット上で公開し、治療薬の開発につなげる。
/日本経済新聞
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