不倫@落書き帳 へのコメント（No.57227）

名古屋女子大生誘拐殺人事件（戸谷早百合さん誘拐殺人事件）の犯人の自伝。
この手の粗暴犯にしては達者な文章だが、長々と書いてあるわりには内容がなく、言い訳がましく、支離滅裂な本である。

たとえば木村は、みずからの被差別部落民としての出自を持ち出して
「検察官は事件について全てを知りたいと言いながら、部落民としての私の被差別体験については
いくら語っても耳を貸してくれなかった」旨を不満げに綴っている。当たり前だ。
どんな犯罪にせよ、犯人が部落出身であるか否かで刑罰が左右されるべきではない。
一人でも殺したら死刑、というのは営利誘拐事件ではごく普通の通り相場であり、
木村は犯した罪に見合う一般的な判決を受けたに過ぎない。
被差別部落出身という出自は、悪事を甘く見てもらうための免罪符ではない。
その意味で、本事件の犯行内容や裁判に「差別」が介在する余地はない。