砥石
(注)この裁判でセクハラ判定されたのは「ちゃんづけ」だけではなく、被害者女性が体形や下着について日常的に言及されていたことで精神を病んでしまった事象も含んでいました。
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「職場でちゃん付けはセクハラ」のニュースへの絶対NGな5つの反応「窮屈な世の中」「嬉しい人もいるはず」【石原壮一郎氏が考察】
2025.10.25 16:00
NEWSポストセブン
「ちゃん」付けがセクハラであるとの判決が注目を集めたが、男性はこのニュースに不用意な一言を述べてしまうと即座に「ダメなオヤジ」認定される可能性があるという。コラムニストの石原壮一郎氏が解説する
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ニュースを見て「ギクッ」とした方も多いのではないでしょうか。
佐川急便の営業所に勤めていた40代の女性が、年上の元同僚男性に精神的苦痛を受けたと約550万円の慰謝料を求めた訴訟で、東京地裁は23日、男性の行為を「許容される限度を超えた違法なハラスメント」と認定して22万円の支払いを命じる判決を出しました。
女性は、男性から名字に「ちゃん」を付けて呼ばれたほか、「かわいい」「体型いいよね」と言われたり、下着について言及されたりしたとか。判決では「ちゃん」付けは幼い子どもに向けたもので、業務で用いる必要はないとし、一連の発言も含めて「羞恥心を与える不適切な行為だった」と指摘しています。
たちまち多くのメディアが、この裁判に関するニュースを発信。ネット上には、たとえばこういう見出しが躍りました。
【「ちゃん」付けで呼ぶのはセクハラ 元同僚男性に22万円支払い命令】(日本経済新聞)
【同僚男性からの「ちゃん」付けはセクハラ 賠償命じる 東京地裁】(NHK ONE)
【職場で「〇〇ちゃん」はセクハラ 元同僚に22万円支払い命令】(共同通信)
どの媒体も、目を引きやすい「ちゃん」付けにスポットを当てています。そのせいか、ネットやSNSに飛び交っているこの裁判に関するコメントは、「ちゃん」付けに関するものがほとんど。実生活で話題になる場合も、たぶん傾向は同じでしょう。
続き>>1■「『ちゃん』付けがセクハラだなんて……」と嘆くオヤジが残念な理由
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No.1 主 砥石
25/10/28 07:25:12
■「『ちゃん』付けがセクハラだなんて……」と嘆くオヤジが残念な理由
「オヤジ」という属性を持つ私たちにとって、このニュースを話題にするのはけっこうリスキーです。反応の仕方によっては、即座に「ダメなオヤジ」「困ったオヤジ」と認定され
かねません。つい言ってしまいそうだけど、知らないうちに白い眼を向けられる危険なセリフをピックアップしてみました。
・その1「部下を『ちゃん』付けしたらセクハラだなんて、窮屈な世の中だな」
記事をきちんと読めばわかりますが、「ちゃん」付け自体がセクハラとされたわけではなく、体型や下着に関する発言など、日頃から不愉快なことを言ってくるヤツが、仲がいいわけでもないのに馴れ馴れしい呼び方をしてくることが問題だと判断されました。
こういう嘆き方をした途端、部下や後輩に「ああ、この人は表面的な情報に脊髄反射するしかできない残念な知性の持ち主なんだな」と思われるでしょう。そして、世の中を窮屈にしている張本人は、物事を表面的かつ単純な図式でしか見ない人たちです。
・その2「『ちゃん』付けが嬉しい人だっているはずなのに、理不尽な話だよね」
嬉しい人もいるかもしれませんけど、嫌と思う人もたくさんいます。判決は「誰かれかまわず言っていわけじゃない」という当たり前のことに気づかせてくれたわけで、理不尽でも何でもありません。部下や後輩は「こういう人が、相手との距離感を考えずに『ちゃん』付けしちゃうんだろうな。ああ、気持ち悪い」とウンザリした気持ちになるでしょう。
・その3「嫌なら嫌だって言えばいいのに。言えないほうも悪いんじゃないの」
出た! 被害者にも落ち度がある理論。このセリフを聞いた人は「なるほど、性犯罪の被害者に平気で誹謗中傷の言葉を投げかけるのは、こういう人か」とか「自分が男性の上司であるってだけで、どれだけ周囲に気をつかってもらっているかを自覚していないなんて、どこまでおめでたいんだろう」と感じずにはいられないでしょう。
続く
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No.2 主 砥石
25/10/28 07:28:27
・その4「40代で『ちゃん』付けしてもらえるなんて、ありがたいと思えばいいのに」
ありとあらゆる無神経さが凝縮された最低のセリフです。もはやセクハラと言っても過言ではありません。しかも、本人は「オレ、ちょっと面白いこと言った」と思っていそうなところが、さらに厄介です。同僚の女性が聞いたら、心の底から軽蔑し「この人とは、必要最小限しか関わらないようにしよう」と強く決意するでしょう。
・その5「じゃあ、群馬県の『ぐんまちゃん』も『ぐんまさん』って呼ばないとね」
ぜんぜん関係ない話なのに、これも本人は「気の利いたコメント」と思っていそうなところがトホホです。「これからは『チコちゃんに叱られる!』も放送できないね」も同様。問題なのは「ちゃん」自体ではありません。セクハラに苦しんで訴訟を起こした女性に極めて失礼だと気づいていないところも、周囲を激しくガッカリさせるでしょう。
続く
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No.3 主 砥石
25/10/28 07:29:07
■なぜオヤジは年下の女性部下を図々しく「ちゃん」付けしたがるのか
ほかにも、今まで「ちゃん」付けで呼んでいた女性部下に、ニヤニヤしながら「俺もセクハラって言われちゃうかな。ねえ、○○ちゃん」と言うのも、やめたほうがいいでしょう。強制的に「ぜんぜん嫌じゃないですよ」と答えさせられた部下が、これまでは寛大に許していた「ちゃん」付けに、今日から嫌悪感を抱く可能性は大いにあります。
そもそも、オヤジ世代が年下の女性部下を「ちゃん」付けするのが好きなのは、親しみを表現したいというより、相手を子ども扱いして自分が優位に立ちたいというセコイ了見がベースになっている側面があります。年下の男性を「ちゃん」付けする場合も、自分のほうが立場が上だと言いたい気配が漂いがち。本人は「気さくなオレ」を演出しているつもりかもしれませんが、多くは自信のなさを感じさせてしまっています。
もちろん、親戚の子どもや親しい関係の相手や幼馴染などは、どんどん「ちゃん」付けで呼んで、そういう関係だからこそ味わえる幸せを噛みしめたいところ。仕事のつながりでも、「ちゃん」付けがしっくりくる関係性が作れたら、とても素敵なことです。ただ、上のようなセリフがノドまで出かかっていた人は、悪いことは言わないので、会社での「ちゃん」付けは封印したほうがいいでしょう。今日もお仕事おつかれちゃんです。
https://www.news-postseven.com/archives/20251025_2072326.html/
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