• No.8 デザイナー(インテリア)

    24/09/28 15:47:58

    医師はマユミさんが横になっているベッドの横に座ると、最終確認を行いました。

    「この点滴を開けるとどうなるかわかっていますか?」
    「私は死にます」
    「死を望む気持ちが確かなら、この点滴を開けていいですよ」

    その言葉を聞き、頷いたマユミさん。

    点滴のバルブを見つめながら、自問自答していたのでしょうか、数秒の沈黙がありました。

    覚悟が決まったのを察した夫から「ありがとうな」と、言葉がかけられると、それに続いて娘たちも、「ママ大好き」「また会おう」と涙ながらに母への言葉を送りました。

    マユミさんはそっとバルブを開けました。

    「スイスに行っていいよって言ってくれてありがとう。みんな、元気でね。」

    その言葉を最後に、夫の腕に添えていた手から力が抜けていき、深い眠りにつきました。


    夫は、その現実をまだ受け入れられてないようにも見えました。
    上を見て、下を見て、ため息をつく。

    そんな時間が永遠のように繰り返されました。

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