娘の最期の作文、いじめなくすため 両親「一人じゃない。逃げて」

匿名

富士山

24/06/02 18:41:19

娘の最期の作文、いじめなくすため 両親「一人じゃない。逃げて」
朝日新聞6/2(日)15:00

 人は一人じゃ生きていけない――。こうつづった埼玉県蕨市の中学2年の女子生徒(当時14)が、いじめを苦に亡くなってから3日で20年になる。いまもいじめはなくならず、自殺する子どもが絶えない。文部科学省のまとめでは、2004〜22年度で少なくとも117人がいじめを受けて自ら命を絶ったとされる。両親は「娘の思いを子どもたちに知ってほしい」と願う。

 自宅の仏壇には、満面の笑みの女子生徒の写真が飾られている。母(63)の目に浮かぶのは、いつも友だちと笑い転げていた娘の姿。家族から離れて墓に一人入れるのが可哀想で、いまも遺骨は自宅に置いている。

 娘が大切にしたもの、書いたものすべてがいとおしく、一昨年まで娘の部屋はそのままにしていた。

■「告白ゲームいや」、ノートに書き残し

 女子生徒は2004年6月3日の朝、亡くなった。学校側が同級生に聞き取りをしたところ、女子生徒が同級生から罰ゲームとして男子生徒5人に告白することを強要されていたことがわかった。亡くなる前日に1人に告白させられ、学校のトイレで泣いていたという。亡くなった日は、あと4人に告白させられることになっていた。ほかにも、仲がよかった友だち数人から突然無視されたり、うざい、きもいなどの言葉の暴力を受けたりしていた。

 女子生徒は自宅のノートに「告白ゲームなんていやだ」などと書き残し、命を絶った。罰ゲームを主導した同級生を非難した一方で、ほかの生徒には「ありがとう」という言葉を残していた。

■ありがとうの意味は

 両親は最初、ありがとうという言葉が理解できなかった。ただ、時が経つにつれ、娘の優しさだったと思うようになった。

 友だちも本当は自分のことをいじめたくていじめたのではない。今度は自分がターゲットになるのが怖くて加担させられていたのだ。友だちも本当はつらかったのだと思いやりを持ったのだ、と。

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