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診療報酬改定で6月から初診・再診の負担増 医療従事者の賃上げの原資に
6/1(土) 20:15産経新聞
医療サービスの対価として保険料や税金、患者負担を財源として支払われる「診療報酬」が1日から改定された。初診時にかかる料金は30〜730円、再診時は20〜120円増加する。これに伴い、医療費の1〜3割にあたる自己負担額も増える。改定による引き上げは、医師や看護師ら医療従事者の賃上げの原資確保が目的だ。
今回の改定で初診料は原則、従来の料金より30円増の2910円となる。さらに、病床のない診療所が看護師らのベースアップ(ベア)を行う場合、初診料に60〜700円が加算され、引き上げ額は最大で730円に上る。3割負担の患者の場合、初診時の窓口での支払額が9〜219円増える計算だ。
また、再診料も20円増えて750円となる。同様にベアが行われた場合は20〜100円が加算され、3割負担の患者の窓口での支払額は6〜36円増加となる。
一方、入院基本料は病棟の種類に応じて1日当たり50〜1040円増やす。病院などがベアを行う場合、入院基本料に最大1650円が上乗せされる。このほか、1日3食を限度に1食あたり640円だった入院時の食事代は、物価高に伴う原材料費の高騰などを踏まえ30円増の670円に値上げされる。このうち、患者の自己負担分は30円増の490円となる。
また、マイナンバーカードと一本化した「マイナ保険証」の利用を促進するため、治療に活用できる態勢を整えた医療機関では診察料金が加算される仕組みも設ける。これにより、歯科を除く診療所や病院では、マイナ保険証と現行保険証のどちらを使っても80円増額となり、3割負担の患者は24円を支払う。
現行の健康保険証の廃止期限(12月2日)が半年後に迫る一方、マイナ保険証の利用率は6%台と低迷している。政府は加算によって医療機関から患者に対し、マイナ保険証の利用を促してもらいたい考えだ。
診療報酬は原則、2年に一度見直されている。今年度の改定では物価高や賃上げの機運の高まりを背景に、医師らの人件費などに充てる「本体部分」を0・88%のプラスとした。増額分を原資として医療従事者の賃上げを令和6年度は2・5%増、7年度は2・0%増とすることを目指している。
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