長袖脱がない子 毛深い、不安定、理由さまざま 「ヘルプサイン」?

匿名

応援合戦

24/06/01 17:33:34

夏なのに、長袖の服を脱ぎたがらない子どもがいる。夏は熱中症の危険もあり、教員たちは半袖にするよう働きかけるが、容易ではない。「子どものヘルプサイン」を感じ取る教員もいる。

「真夏日でも長袖を脱がない児童が数年前から目立ち始めた」。今年初め、日教組の教研集会で、兵庫県の私立小学校の教員がこう発表した。パーカやハイネックのフリース、冬用のジャンパー姿などだ。児童数約400人の学校で昨年度は3人いたという。 教職員にアンケートしたところ「体形や毛深さを気にしている」「肌が覆われていないと気持ち悪い」「『寒いから』と言いつつ『のどが渇いた』と汗だく」「家で不安定になるときに長袖を着ているようだ」との情報が寄せられた。

教員は熱中症対策のほか、スクールカウンセラーにつなぎ、悩みを聞き取るようにしているが、子どもたちはなかなか脱がない。「長袖は子どものヘルプサイン。孤独を感じたり自尊感情が低下したりしていることが背景にある」と話す。 福岡県の公立中学校の養護教諭は4年前から気づいていたといい、「ブレザーのカチッとした圧が気持ちいいと『脱がない子』と、腕を見せるのが怖くて『脱げない子』がいる」と話した。鹿児島県の公立小学校の養護教諭は「暑い時にトレーナーを着ている。皮膚感覚が鈍くなっているのでは」と指摘した。 スクールカウンセラーにつないだが、3年生になっても長袖のままだった。

NGO「子どものからだと心・連絡会議」議長で、日本体育大子どものからだ研究所長の野井真吾教授(教育生理学)は、コロナ禍の影響が大きいとみる。

「2020年以降、休校が続き、外遊びができず、生活習慣の乱れも重なって、体温調節の機能が育成できていない可能性がある」。もう一つは「仲間と遊ぶ時間がなく、人間関係が結べず、自尊感情や自己効力感がなかなか育っていない」。からだと心が影響を受けているというのだ。野井教授は「いきなり脱げといっても難しい。『脱いでみては』と提案し、見守り続けることが重要だ」と話す。

朝日新聞社
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6502916

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