「無添加で汚れ落ちいいのに…」ミヨシ石鹸の洗濯用粉せっけんが製造終了 洗剤の主役交代の事情とは

匿名

いぶりがっこ鍋

24/04/01 09:56:55

「無添加にこだわった『ミヨシ石鹸(せっけん)』の洗濯用粉せっけんが販売中止になります。

◆1960年からのロングセラー「採算難しくなった」

ミヨシ石鹸は、東京都墨田区にあるせっけんメーカー。1921年創業で「自然由来の天然油脂にこだわり、化学物質は一切使用しない」がモットーだ。
 
同社のウェブサイトを見ると、3月末の販売終了予定商品一覧に「そよ風粉せっけん」があった。容量2.16キログラムで税込み924円。代替商品として同じシリーズの液体せっけん(容量1.1リットルで税込み880円)などが紹介されている。
 
「事業としての採算確保が難しくなった」。

同社消費者窓口の担当者は説明する。そよ風粉せっけんは、60年から製造販売が始まったロングセラー商品で、2000年代に入るまでは主力だった。

だが、液体せっけんに取って代わられ、3月で製造を終えた。同社の粉せっけんの生産量は14年は1230トン、19年は1000トン、昨年は940トンと減少の一途をたどっていた。

◆溶け残り多く、粉末に対応しない洗濯機も

担当者によると、粉末タイプは洗浄力が高いが、溶け残りが多く使い勝手の悪さから次第に需要が減少。かき回す力が強い2槽式洗濯機と相性が良かったが、最近は粉末に対応していない洗濯機も増えたという。
 
昨年12月1日に製造中止を発表すると、愛用者から惜しむ電話が同社に殺到。販売継続を社内で検討したものの、製造設備の老朽化もあり、担当者は「やむなく終了を決めた」と話す。
 
◆販売量・金額とも液体洗剤が粉末上回る
 
墨田区のドラッグストア「くすりの福太郎東向島店」を訪ねた。さまざまな液体の洗濯用洗剤が並ぶ棚の一番下、「ミヨシの粉せっけん」が片隅にひっそりと置かれていた。土屋優希店長(29)によると、週に3、4個売れるという。

 
隣には大手メーカーの粉末洗剤も。こちらは週に20〜30個売れるが、液体洗剤はその倍の週50〜60個売れるという。経済産業省の統計でも、2011年に通年で販売量・金額ともに液体洗剤が粉末を上回り、洗濯洗剤の主役が代わった。
 
東京新聞 2024年4月1日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/318483

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