「まさかマイナス?」8歳の貯金箱 駆け込みでATM故障も

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  • 日暮里・舎人ライナー
  • 22/01/23 18:53:14

ゆうちょ銀行が2022年1月17日に「硬貨取扱料金」を新設し、硬貨を預ける際に枚数に応じた手数料が掛かることになった。こうした手数料は、長引く超低金利を背景に多くの銀行が導入済み。「最後のとりで」だったゆうちょ銀の徴収開始に、大量の硬貨を扱う神社や募金の受け付け団体からは悲鳴が上がる。コツコツと小銭を貯めても手数料で目減りしかねない時代。どこの家庭でも見掛けた貯金箱は姿を消す運命なのだろうか。(時事ドットコム編集部 太田宇律)

◇「駆け込み」ATM壊れる

 手数料の導入前最後の平日となった1月14日、各地の郵便局では硬貨の「駆け込み貯金」が相次いだ。東京都目黒区内のゆうちょ銀の窓口では、大量の硬貨の入ったビニール袋を抱えた利用者が順番待ちをしており、職員は「普段の倍以上のお客様が見えている」と忙しそうに話した。

 福岡市内にある福岡西郵便局では導入前日の16日、硬貨を現金自動預払機(ATM)に入金しようとする利用者が相次ぎ、昼過ぎに4台のATM全てが故障した。家族への送金に訪れた女性は「1時間くらいなら待とうかと思ったが、何時間掛かるか分からないと言われてあきらめて帰った」。同局によると、許容量を超える枚数の硬貨が投入されたことが故障の原因で、復旧は夕方ごろになったという。

◇超低金利、しぼむサービス

 金融機関が相次いで手数料を新設する背景には長期化する超低金利がある。貸し出しによる利ざや収入が減少した各行は、経営環境の悪化を防ごうと、2019年ごろから振り込みや両替の手数料引き上げを打ち出してきた。大量硬貨の取り扱い手数料もその一環だ。

 みずほ銀行では20年4月以降、窓口に101枚以上の硬貨を持ち込んだ場合、550円の手数料が掛かる。501枚を超えると1320円、1001枚超だと1980円となり、以降500枚ごとに660円ずつ増えていく。ATMでの預け入れは手数料不要だが、一度に投入できる枚数に制限がある。

 三菱UFJ銀行やりそな銀行、三井住友銀行なども、金額は若干異なるものの、同様の手数料を徴収している。

 「最後のとりで」と言われていたゆうちょ銀では、ATMで硬貨1枚を預け入れる場合も手数料が掛かる。同行広報部の担当者は「銀行業界を取り巻く経営環境は厳しい状況にあり、安定的なサービス提供やネットワーク維持のため、手数料を見直すことになった」と説明。硬貨の輸送保管費やATMの保守には年間数億円規模の費用が掛かっており、「心苦しいが、お客様にも手数料をご負担いただくことになった」と理解を求めた。

◇まさかのマイナス

 「下手すれば手数料でマイナスになってしまうかも…」。福井県敦賀市内に住む会社員の男性は、8歳の長女が大事にしている貯金箱のことが頭によぎった。2、3歳のころから家の手伝いをしたお駄賃やお小遣いを貯めてきた、ゲームキャラクターの「スライム」の形をした貯金箱だ。開けてみると、500円玉は1枚だけで、ほとんどが1円玉や10円玉。1月17日より前なら手数料が掛からないと分かり、急いで最寄りの郵便局窓口で数えてもらうと、総額7500円ほどになった。長女は職員から「こんなによく貯めたね」と褒められ、喜んでいたというが、男性は「今後は子どもたちが楽しく貯めたお金からも手数料を取られると思うと寂しい」と語った。

 東京都江戸川区に住む自営業の男性は、禁煙を機に、たばこを吸ったつもりで代金分をためる「つもり貯金」を始めた。コカコーラの瓶型の貯金箱にためた硬貨は計1万801枚。総額約120万円になっていた。手数料導入直前にゆうちょ銀に預けることができたが、「『来週なら1万円以上手数料が掛かるところだった』と窓口で言われた。楽しかったが、もう小銭貯金は止めます」と苦笑いした。

多くのさい銭が集まる神社や寺にとっては死活問題だ。「ご縁」に掛けて5円玉をさい銭箱に投じる参拝客も多いが、仮に5円玉が1万枚集まったとしても、預金すると5万円のうち1万円以上が手数料で消えてしまう。1円玉はどんなに集めても、手数料が発生すれば赤字になる計算だ。

1へつづく 
https://news.yahoo.co.jp/articles/ba0e09f440e40796dd6058092b78adcc0261f7c7?page=2

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    • 日暮里・舎人ライナー
    • 22/01/23 18:53:28

    「ゆうちょ銀でも手数料が導入されると聞いて、正月分のおさい銭を急いで入金してきた」と話すのは、大阪市天王寺区にある「東高津宮」の中村徹宮司。この神社では数年前、取引先の銀行からさい銭の集計作業を断られ、ゆうちょ銀行に預け先を変えたばかりだった。「1円玉は神社で保管するか、寄付するくらいしか使い道がない」と困り果てた様子で、「以前国会で『もう1円玉や5円玉は廃止したほうがいいのでは』と論戦になっていたが、こうなってみるとその通りだと思う」と嘆く。

     東本願寺(京都市)など一部の寺社では、さい銭に電子マネー決済を導入する動きもあるが、中村宮司は「機械の導入費用や決済手数料などを考えると、小規模な神社では難しい」。神社関係者の間で、地元の信用金庫と手数料の交渉をしたり、最寄りのコンビニと契約して両替をしてもらったりするなどの「自衛策」について話し合っているという。

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