• No.1 マル

    21/09/12 04:24:36

    新型コロナウイルス感染症で亡くなった方は、基本的に家族との面会はかなわない。「葬儀式場内で面会が不可能であるなら、到着する前にお別れできる場を設けることはできないか」と、病院の駐車場など密にならない空間で家族との対面を試みたりもした。

    病院から「想送庵カノン」に到着した棺は、区分けしたゾーンに入り、丁寧に消毒される。その後、安置室に入るのだが、こちらの場合は、倉庫のような殺風景な安置場所に棺が並べられるような光景はない。

    テーブルと椅子が配置された広々とした空間に花や仏具などが配置され、可能な限り故人の尊厳を最大限配慮した形で安置されるのだ。

    火葬までの間は、家族に代わってスタッフが線香を焚き、故人と向き合う時間を設けた。

    「想送庵カノン」に到着する遺体の約6割は、陽性と確定された状態での受け入れではない。つまり「コロナ死かもしれない」という疑いの状態で入ってくる。PCR検査の結果が出るまで3~4日間預かることになるのだが、擬陽性の遺体も、陽性者と同じように身だしなみを整えられることもなく、非透過性納体袋に納められて運ばれてくる。

    「陰性の場合は、ご家族の元に故人は戻ることができます。もし冷却しないで何もされていない状態で戻ったとしたらどう思うでしょう。東京都と契約を交わす時に、絶対に譲れなかったのは、ご遺体の尊厳を守るために陽性・擬陽性にかかわらず、全てのご遺体にドライアイス処置をすることでした。そして交わしたルールの範囲内で、故人の尊厳を守るために最大限できることを行ってきました」

    コロナ死者受け入れノウハウを伝えていきたい
    現在、「想送庵カノン」は東京都との契約が終了し、通常の葬儀の受け入れを行っている。裏を返せば、コロナ関連死者の専用受け入れ先がなくなったというわけだ。東京都の葬儀関連施設等を利用して受け入れることができれば得策なのだろうが、管轄が違うという理由で難しいのだそう。

    「感染症に対する理解と適切な対応をしていれば、葬儀をすることも可能です。この数か月の間にノウハウは蓄積しましたので、関係者の方とはぜひ共有したい」と三村さん。

    最近は「想送庵カノン」の取り組みを聞きつけた全国の葬儀社から問い合わせが多くなっているという。

    「すぐ火葬してしまうから、誰にも会わないからどうでもいいというわけではない。保冷処置を施すことで状態を保つことができ尊厳を守ることもできる。私たちが適切に感染予防対策をすることで遺族に十分なお別れの場を提供することもできる。そういった取り組みをぜひ多くの葬祭業者に伝えていきたい」と、三村さんはこの数か月間の激闘を振り返りながら語った。

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