マル
ワクチンを打つと不妊になる、流産するって本当? 専門家が解説
6/30(水) 15:28
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・ワクチンを打つと不妊になる?
・ワクチンを打つと流産してしまう?
・有害事象と副反応の違い
・mRNAは胎盤に届かない
・接種するリスクと接種しないリスク
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「ワクチンを接種すると不妊になる、流産してしまう」。インターネットで拡散されているこの言説は、全国の妊婦やその家族、今後妊娠の可能性がある女性たちに不安を抱かせている。
そこで、ワクチンと不妊・流産の因果関係について、新型コロナウイルスに関する正確な情報を届けるプロジェクト「こびナビ」の運営者であり、自身も妊娠中にワクチンを接種した経験のある、内田舞(うちだまい)医師にお話を伺った。(Yahoo!ニュース Voice)
■ワクチンを打つと不妊になる?
(略)
科学的に検証すると、この不妊説は誤りであるといえます。コロナウイルスの「スパイクたんぱく」と「胎盤のたんぱく質」は、塩基配列のごく一部のみが似ているだけで、構造としては全く異なるということがわかっています。つまり、ワクチンが胎盤のたんぱく質に悪影響を及ぼしてしまうということはありません。
ワクチンを接種しても、不妊にはならないといえる根拠は他にもあります。
ラットでの動物実験においても、妊娠前にワクチンを接種したラットが、その後正常な妊娠・出産を経験し、生まれた子どもにも異常がなかったということが、すでに確認されています。
また、ファイザービオンテック社・モデルナ社のワクチン臨床治験においても、ワクチン接種後に妊娠した方は多数います。ワクチン接種後の女性の妊娠の確率は、ワクチンを接種していないプラセボ群と、全く変わりがありませんでした。
■ワクチンを打つと流産してしまう?
アメリカでは、6月14日付で124,000人以上の妊婦さんがワクチンを接種されています。また、妊娠中にワクチンを接種された方、または受精や着床の時期にワクチンを接種された方については、アメリカの中で追跡調査が行われており、私自身も参加しています。
この追跡調査の3月までのデータが、非常に信頼性の高いピアレビュー(査読)をする科学雑誌「The New England Journal of Medicine (NEJM)」で発表されました。調査によると、「ワクチンを接種した妊婦の流産・死産率」と「パンデミック前の、一般的な妊婦の流産・死産率」は全く変わらないという結果が出ました。さらに、生まれてきた赤ちゃんに関しても、早産や低出生体重、先天性異常、新生児死亡などは、妊娠中のワクチン接種有無にかかわらず、同じ頻度で起きていました。
>>1に続く
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No.2 主 マル
21/07/02 08:47:04
>>1からの続き
■接種するリスクと接種しないリスク
妊娠中に接種を考えている方は、ワクチンを打ったらどうなってしまうんだろうと、「ワクチンを接種するリスク」に目を向けがちです。しかし、なんとなく怖いから何もしないという選択をした場合も、リスクはゼロではありません。「ワクチンを接種しないリスク」についても、忘れてはいけないと思います。
ワクチンを接種していない妊婦さんが、コロナに感染してしまった場合は、重症化リスクが高いと世界的に報告されています。妊娠中は、赤ちゃんが物理的に横隔膜を押し上げているので、肺活量自体が低下しています。そのため、コロナに限らず、肺疾患というものはどんなものでも、重症化リスクが高くなってしまいます。
妊婦さんがコロナに感染してしまった場合、集中治療や人工呼吸器が必要になるリスクは3倍高いといわれています。また、亡くなってしまうリスクも、1.7倍高いという報告があります。また、重症化してしまうと、早産のリスクが高くなったり、お腹の中の赤ちゃんへの悪影響があるというデータもあります。
こういった「ワクチンを接種しないリスク」を、無視することはできません。しかし、毎日いろんな不安や身体的な大変さの中も頑張っていらっしゃる妊婦さんが、さらに無理をしてまでワクチンを接種する必要はないと、私は考えています。妊婦さんとその周囲のみなさんは、感染予防に気を配り、妊婦さんがコロナウイルスに感染しないことを目的に生活していっていただければと思います。
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記事監修:こびナビ 新型コロナワクチンに関する正確な情報を届けるプロジェクト
解説者:内田舞(うちだまい)
こびナビメンバー
ハーバード大学助教授 小児精神科専門医
北海道大学医学部卒。在学中にイェール大学研修医プログラムにマッチし、卒業と同時に渡米。イェール大学病院で成人精神科レジデンシー、ハーバード大学・マサチューセッツ総合病院小児思春期精神科フェローシップを経て、2013年よりマサチューセッツ総合病院小児精神科指導医。現職はハーバード大学医学部助教授、マサチューセッツ総合病院小児うつ病センター長。小児精神疾患の診察と治療、子供の感情や思考に関する脳画像研究、子どもと家族の健康に関わる教育を専門とする。
https://news.yahoo.co.jp/articles/dd67e364a1ff12643c78189d9c07c4c69b5e5648
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No.1 主 マル
21/07/02 08:46:26
■有害事象と副反応の違い
本当に残念なことですが、流産という悲しい出来事は、パンデミック以前から世界的に10~26%ほどの頻度で起こっているものです。(略)
その時に考えていただきたいのは、「有害事象」と「副反応」の違いです。
ワクチン接種後に何か悪いことがあった場合、それらは全てワクチンの「有害事象」にカテゴライズされます。例えば、ワクチンの接種後にうっかり石につまずいて、転んで膝をすりむいてしまったとしましょう。それも有害事象です。有害事象には、ワクチンのせいで起きたこと、ワクチンとは全く関係なく起きたこと、どちらも含まれます。
有害事象とワクチンの因果関係を調べるために行われるのが、一般発生率との比較・検証です。「ワクチンを接種して、転んで膝をすりむいてしまった」という有害事象を検証する際には、転んで膝をすりむいた人が、ワクチン接種有無に関係なく、どのくらいの確率でいるのかを調べる必要があります。
ワクチンを接種していない人と比べて、ワクチンを接種した人の方が、より多く転んで膝をすりむいていたという結果が出たとします。その場合は、ワクチンのせいで「転んで膝をすりむいてしまった」という因果関係が示唆されます。
こうして因果関係が示唆された有害事象のことを、特別に「副反応」と定義します。
ですので、「ワクチンを接種した妊婦」と「接種していない妊婦」の流産率に差がない場合、流産はワクチンの副反応ではないということになります。
■mRNAは胎盤に届かない
流産に関して、基礎医学的に考えましても、ワクチン接種が悪影響を及ぼすことはないと言えます。なぜかというと、mRNAワクチンの「mRNA」は非常に脆いものなので、私たちの肩に注射された後、すぐに分解されてしまうのです。mRNA自体が胎盤に届くことも、胎盤を通って赤ちゃんに届くこともないと考えられています。
さらに、動物実験においても、安全性は示唆されています。妊娠中のラットがワクチンを接種した後、健康な妊娠をへて、健康な子供を出産したということが確認されているのです。こちらも安心材料の一つとしていただけたらと思います。
続く
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