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- 21/05/12 11:45:00
ため池に落ちると、なぜ命を落とすのか
5/10(月) 11:22
5月9日午後、香川県丸亀市のため池に釣りに来ていた小学1年生の男の子と33歳の父親の2人が死亡しました。なぜ、ため池に落ちると命を落とすのでしょうか。繰り返される事故にどう対処すればよいのでしょうか。(略)
わが国におけるため池水難事故については農林水産省がデータとしてまとめています。平成22年から令和元年までの間に、毎年20人から30人がため池転落で命を落としています。(略)
■宮城県大衡村八志沼での事故調査
(略)
典型的なため池といえば、陸から見て、波もない、流れもない、鳥のさえずりに囲まれ、斜面も低く見える、全てにおいて安全を錯覚させるような条件を満たしています。八志沼はまさにその条件をすべてクリアしていました。
水難学会事故調査委員会では、現場に赤十字水上安全法指導員有資格者の救助員複数名、医師を配置し、各種実験を行いました。
動画1をご覧ください。現役の水難救助隊員が斜面を登り降りしています。乾燥した斜面では歩行に何の支障もありません。ところが、足を水に少しだけ浸けたら、滑っていっきに池に吸い込まれました。数秒もたたないうちに背の立たない深みにもっていかれています。
【動画1】ため池斜面から滑り落ちる様子(水難学会提供)
https://youtu.be/AXWP3zXfXKM
動画2では、自力で上がろうとしています。途中まではいいのですが、腰が水面に出るくらいの地点で足が滑り、それ以上は上がれません。無理するとむしろ、より深い方に体がもっていかれます。勢いをつけて上がろうとすると、反動でさらに深い方にもっていかれ、呼吸を確保できなくなれば、そこで溺水します。
【動画2】ため池から這い上がろうとする様子(水難学会提供)
https://youtu.be/u7k2t82Hn4I
子供が先に落水したらどうでしょうか。当然大人が助けに池に入ることでしょう。そして子供を陸に上げようとしますが、上げることができるでしょうか?動画3をご覧ください。ポリタンクに水を入れています。重さはほぼ18 kgになります。小さいお子さんの体重を想定しています。お父さん役が頑張って陸に上げようとしていますが、かないません。そして、最後はポリタンクを水没させてしまっています。これこそ、現世の地獄です。
【動画3】子供を上げようとするが(水難学会提供)
https://youtu.be/cl5KznU6M9g
続く>>1 ■どうすれば命を落とさずに済むか
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