石油業界「助けて!みんな出かけないから石油貯蔵庫がもうパンパンなの!」【原油暴落】

匿名

天元

20/04/22 10:31:10

原油暴落が表す深刻な経済減速 歴史的スピードで在庫増

2020年4月21日 21時05分

 世界の原油市場で動揺が続いている。米国産WTI原油の先物価格が、史上初のマイナスをつけた。新型コロナウイルス対策で需要が急減し、在庫がだぶついていることが背景にある。株式市場はこのところ回復傾向にあったが、「実需」を映す原油価格の動揺は、実体経済の減速の深刻さを物語る。

■ゆらぐ経済復活の期待

 米国や世界の経済の先行きをめぐっては、株式市場では悲観論が和らぎつつあった。米ニューヨーク市場では主要銘柄で構成するダウ工業株平均が4月に入ってから急速に値を戻し、3月23日につけた直近の安値(1万8591ドル)から前週末までに3割超も回復していた。

 米連邦準備制度理事会(FRB)による未曽有の金融緩和や、米政権による2兆ドル超の経済対策を好感したほか、ここに来てトランプ大統領が経済活動の「再開」に前のめりになっていることへの期待が膨らんでいる。

 ただ、「実需」をより敏感に反映する原油市場の動揺は、経済の先行きが必ずしも楽観できないことを示す。原油のマイナス価格転落を受け、株価は日米欧で軒並み下落基調となった。

 日本でも急速な景気悪化で原油需要は大幅に落ち込んでいる。世界的な移動制限で、全日本空輸、日本航空ともに4月は国際線の便数が当初計画比9割減、国内線でほぼ半減しており、「ジェット燃料の需要が急速に減少している」(出光興産の月岡隆会長)。緊急事態宣言後は自動車のガソリン需要も想定より2割減だという。

 工場の稼働率を落としている企業も多く、業界では4~6月の石油製品全体の需要は前年同期に比べ2割ほど減ると見込む。ただ、急激な需要減で石油元売り各社の原油の備蓄タンクが満杯に近づいており、「安くなった原油を買いたくても、タンクのキャパがない」(月岡会長)状態だ。

 SMBC日興証券の太田千尋氏は、今後の取引の中心となる6月物でも「同じような急落もあり得る」。原油価格がこのまま低迷を続ければ、関連企業の業績に大きく響くと指摘する。

続き >>1 ■原油の貯蔵、満杯近づく

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  • No.1 天元

    20/04/22 10:31:30

    ■原油の貯蔵、満杯近づく

     WTI先物は、指定の期日が来ると、石油パイプラインが集中し貯蔵施設も豊富な内陸部の米オクラホマ州クッシングで現物が受け渡される。しかし、一帯では原油の貯蔵容量はあと数週間で満杯になるとみられており、それにつれ原油保管料も高騰している。

     石油精製会社は買い手がつかない製品をつくろうとせず、原油を調達しようとしない。一方で、原油生産者が生産量を減らすペースは鈍く、米国では4月に入り歴史的なスピードで原油在庫が積み上がっている。

     5月物の最終取引が翌21日に迫る中、市場参加者は一時的な損失を被ってでも先物を売ることにより、行き場を失った原油を抱えて損が大きく膨らむのを避けようとしたとみられる。

     4月に入ってコロナ危機が深まるにつれ、市場では原油がマイナス価格に陥る可能性がかねて指摘されていた。実際に商品取引所などはそれに備えてシステムを改修していた。

     国際エネルギー機関(IEA)は、今年の世界の石油需要が前年比で日量930万バレル減ると予想する。とくに4月は前年同月比2900万バレル減と、世界の原油生産量の3割にあたる史上最大級の落ち込みになるとみている。

     石油輸出国機構(OPEC)と非加盟国のロシアなどを含めた主要産油国は12日、世界全体で日量970万バレルと過去最大レベルの協調減産で合意した。だが、減産の効果が出るのは数カ月先とみられるほか、減産量が足元の急激な需要減に対応するには不十分との見方が強く、原油価格の下落に歯止めがかからない。

    ■シェールオイル業界にも危機

     歴史的な原油安は、米国を世界最大の産油国に押し上げたシェールオイル業界には猛烈な逆風となっている。中堅シェール企業が4月初めに連邦破産法適用を申請して経営破綻(はたん)。米石油サービス大手ハリバートンは20日に発表した1~3月期決算で、設備の減損などで約10億7千万ドルの費用を計上した。

     米エネルギー情報会社は、原油価格が1バレル=20ドルの水準が続けば、米国で石油や天然ガスを生産する140社が債務を支払いきれなくなると予想する。シェール企業は多額の借り入れで事業を拡大してきた。破綻(はたん)が相次げば金融機関やファンドなどに打撃が波及し、金融危機につながる恐れも指摘されている。

     トランプ米大統領は20日の記者会見で、マイナス価格は「一時的だ」とし、戦略備蓄を最大7500万バレル積み増すことを検討していると明らかにした。「今は原油の買い時だ」とも語り、価格はいずれ持ち直すとの見方を示した。

    朝日新聞デジタル
    https://www.asahi.com/articles/ASN4P6HPNN4PULFA01H.html

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