「物」には人の念が入ってるから中古品は避けたほうがいいらしい

  • なんでも
    • 160
    • 慶雲
      19/09/17 00:45:58

    昔、ある田舎町に、新しい宿屋が店を出しました。
    この主人はあまりお金もなかったので、必要なものをほうぼうの古道具屋さんから買い集めました。
    ある日のこと、初めてのお客が二階の部屋で寝ていると、「兄さん、寒かろう」「おまえも、寒かろう」という話し声が、布団から聞こえてくるというのです。怖がった客はさっさと宿屋から逃げて行きました。
    次の日もまた別の客に同じような怪異がおこり、不審に思った宿屋の主人もその布団に寝てみる事にしました。すると、確かに布団からあの声がするのです。

    この布団には、きっと何かワケがあるのだろうと思い、布団を買った古道具屋をたずねてみました。実はこの布団は、町はずれにある一軒の小さな借家に住んでいた家族のものでした。大変、貧乏で家賃を払うのがやっとだったところに、父親が死に母親も死に、とうとう身寄りのない小さな兄弟だけになってしまいました。
    兄弟たちは家財道具や着物を売ったりして暮らしていましたが、とうとう布団が一枚残るだけになりました。
    厳しい冬のある日、家賃が払えなくなった兄弟は最後の布団を取り上げられ、家から追い出されてしまいました。行くあてもなくあちこちとさまよった兄弟は、元の借家に戻ってしっかりと抱き合って眠りました。「兄さん、寒かろう」「おまえも、寒かろう」それから数日後、二人は遺体で発見され観音堂に葬られました。
    この話を聞いた宿屋の主人は、布団を観音堂に運びお経をあげてもらいました。それからは、もうこの布団がものを言う事はなくなったという事です。

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