• No.2 延徳

    19/08/30 17:41:38

    ◆「核付き南北統一」は認めがたい

    だが、これは単純すぎるだろう。私はそんな見方に同意しない。ここで米軍が撤退したら、それこそ「文政権と北朝鮮の思うつぼ」になってしまうからだ。

    文政権の目標は、成功するかどうかは別にして、自ら「北朝鮮の代理人」として米国を翻弄しつつ、やがて米軍を追い出したうえで左翼政権として南北を統一する、という点にある。しかも、実は「核付きの南北統一」だろう。核付きの統一朝鮮なら、中国やロシア、米国のような大国に小突き回されないですむからだ。


    先週のコラムで指摘したように、半島の小国である韓国と北朝鮮は、歴史的に地続きの大国である中国の顔色を見ながら生きてきた(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/66554)。子分として忠誠を誓うことで、生き延びてきた。だが、核さえあれば、そんな弱い立場とサヨナラできる。だから、何があっても核兵器は手離さない。

    この局面で、米国が文政権を見限って撤退するとなったら、文氏も正恩氏も大喜びである。文政権がGSOMIAを破棄したのは、実は米国を怒らせて、米軍が自ら出ていく展開を狙っていたかもしれない。中国も朝鮮半島から米軍がいなくなれば、万々歳だ。あとは、じっくり好きなように半島を料理すればいい。

    逆に、トランプ氏は北朝鮮の非核化を達成できないばかりか、米軍撤退で中国とロシアを監視するのに絶好のポジションにある同盟国を失ってしまう形になる。それでは、完全敗北だ。そうなったら、来年の大統領選で民主党から猛攻撃を浴びるだろう。トランプ氏がそんな選択肢を選ぶわけがない。

    むしろ逆に、トランプ政権は米軍撤退オプションをいったん棚に上げて、文政権への圧力を強める可能性が高い。ずばり言えば「文政権の排除」に動くのではないか。もはやこれまで、と見限って、政権からの追い落としを狙うのだ。

    べつに、水面下でクーデターを画策するような手荒な手段に走る必要はない。1950年代や60年代ならともかく、情報技術が飛躍的に進歩した現代で、スパイ小説のような秘密工作は難しい。そうではなく「米国は文政権を支持しない」と示唆するだけでも、十分だろう。

    NEXT >>3 「反米」には舵を切れない

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