応和
秋篠宮さま異例発言「大嘗祭は私費で」は政治的発言にあたるのか 政府関係者が洩らす本音
2019/05/21
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眞子さまの結婚問題に注目が集まる秋篠宮家だが、現在、宮内庁や関係省庁の幹部らが重大な関心をもって見ているのは、秋篠宮さまの誕生日会見での“政治的ご発言”である。ベテラン皇室ジャーナリストが彼らの本音を取材した。(取材・文/朝霞保人)
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「自己研鑽に努めながら、過去の天皇のなさりようを心にとどめ、国民を思い、国民のために祈るとともに、両陛下がなさっておられるように、国民に常に寄り添い、人々と共に喜び、あるいは共に悲しみながら、象徴としての務めを果たしてまいりたいと思います」
この2月23日で59歳となられた皇太子さまは、今回の誕生日会見で直近に迫ったご即位への思いを、こう述べられた。宮内庁関係者が語る。
「皇位継承順位第1位のお立場で最後となる記者会見でのご発言は、幼少期から将来の天皇として『帝王学』を学んでこられた皇太子さまならではのものだったと言えるのではないでしょうか。大仰な表現はないものの、間もなく天皇となられるご覚悟が、にじんでいると感じました」
一方、眞子さまのご結婚問題に注目が集まる秋篠宮家だが、宮内庁や関係省庁の幹部らが現在、重大な関心をもって見ているのは、秋篠宮さまの“政治的ご発言”である。
秋篠宮さまは昨年11月の誕生日会見で、皇室行事として行われる宗教色の強い「大嘗祭(だいじょうさい)」について「国費で賄うことが適当かどうか」とした上で「内廷会計で行うべきだ」と踏み込んだ発言をされた。さらに、こうした意見に宮内庁長官が「聞く耳を持たなかった」とも述べられた。天皇・皇族を支える宮内庁のトップに対する不満を、記者会見という公の席で口にすることは異例中の異例である。ある政府関係者が本音を明かす。
「すでに公費支出について閣議了解を経ていた政府の決定に異を唱えるということは、政治への介入に他ならず、かつて政治的発言をしないことを記者会見の場で『基本』と宮さまご自身が述べておられたことと、矛盾しているのではないでしょうか。
皇室の経費は全て国民の血税です。天皇・皇族の公的な活動費は『宮廷費』と呼ばれる予算で賄われるのに対して、天皇と内廷皇族(皇后や上皇、上皇后、太皇太后、皇太后、皇太子、皇太子妃、それらの未婚の皇子女)の私的な経費は『内廷費』、内廷皇族以外の皇族の私的な経費は『皇族費』で賄われます。
秋篠宮さまが述べられた内廷会計とは内廷費のことを指しています。現在は勤労感謝の日となっている11月23日に行われる新嘗祭などの宮中祭祀は、政教分離の観点から天皇の私的儀式と位置付けられており、内廷費が充当されているわけですが、秋篠宮さまの発言は、こうしたことを踏まえてのものなのです」
こうした皇室の経費の“細分化”は、天照大神をルーツだとしている天皇家と密接不可分な神道儀式が、政教分離の原則と矛盾しないようにするために、戦後に考えられた“ロジック”である。原資はいずれも国民の税金であり、全て広義の「国費」である。
■政治的な論点に他ならないのではないか
秋篠宮さまは、一連の発言の中で大嘗祭を「身の丈にあった儀式に」すべきとの見解も示された。
「背景には、天皇陛下がご自身の陵墓を縮小したいとの意向を示し、天皇陵の縮小が決まったことと同じように、国民に負担をかけたくないという考えがおありなのでしょう。ただ、世界最古の王室とも言われ、外国に赴けば事実上の国家元首として国賓待遇を受ける天皇にまつわる諸事を、『国民の負担』を理由に予算面から単純に縮小するというのは、どうなのでしょうか。これは皇室の威厳をどう考えるか、というまさに政治的な論点に他ならないのではないでしょうか」(同前)
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『皇位継承の重責から距離を保ち、自由な環境で育てられた弟宮』
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No.1 主 応和
19/05/23 06:49:09
■皇位継承の重責から距離を保ち、自由な環境で育てられた弟宮
秋篠宮さまは御代替わりに伴い、「皇嗣」となられる。皇嗣は、皇位継承順位第一位の立場である。現在の皇室典範に「皇太弟」の規定がないために定められた呼称であり、事実上の皇太子を意味する。
「私は幼少のころから昭和天皇のところに今の両陛下とご一緒に上がる機会が多くあり、今の陛下が皇太子としていろいろなことをやっておられるということを強く感じました」
皇太子さまは2007年の誕生日会見でこう述べられ、幼少期から帝王学を身近で学んでいた事実を自ら振り返っている。一方、「礼宮」の称号が与えられた秋篠宮さまは、皇位継承の重責とは一定の距離を保った自由な環境で育てられた。
学生時代から髭を蓄え、外車を操り、祖父の昭和天皇が崩御した年に、英オックスフォード大大学院在学中であるにもかかわらず婚約を決めたことで、伝統を重んじる皇室関係者の一部からは「兄を差し置いて先に結婚するとは」と批判的な声が上がったとされる。1996年4月17日に、クリントン米大統領の来日を歓迎して行われた宮中晩餐会に際しては、趣味のナマズ研究を優先して国賓の歓迎晩餐会を欠席し、タイを訪問したことで非難されたこともあった。
■「秋篠宮さまは何も変わられていない」との人物評
その秋篠宮さまへの世評を転じさせる契機となったのが、兄の皇太子さまの、いわゆる「人格否定発言」である。これは改めて説明するまでもないが、皇太子さまが2004年5月、デンマーク、ポルトガル、スペインの欧州3カ国歴訪を前にした記者会見で、病気で静養中だった皇太子妃雅子さまについて「雅子のキャリアや、そのことに基づいた雅子の人格を否定するような動きがあったことも事実」と言及した発言のことだ。
発言を受けて、秋篠宮さまはこの年の誕生日会見で兄にこう苦言を呈した。
「記者会見という場所において発言する前に、せめて陛下とその内容について話をして、その上での話であるべきではなかったか」
これ以降、秋篠宮さまは公務の定義や天皇の定年制、天皇陵の在り方、天皇・皇后の火葬の是非など様々な皇室の諸問題について発言されていく。雅子さまを庇うことによってどんどんと孤立していく皇太子さまを“反面教師”として、天皇陛下の代弁者のような立場を確立されたようにも見える。
御代替わりを機に皇后となるにあたって、最近は徐々に公務に復帰している雅子さまだが、雅子さまの公務がなかなかままならぬ中、批判の矛先は皇太子さまに向けられ、それと反比例するように秋篠宮さまの存在感は増してゆき、2009年1月に皇室に詳しい評論家・保阪正康氏の論文「秋篠宮が天皇になる日」(「文藝春秋」2月号)が発表されるに至る。
だが、宮内庁内部には「秋篠宮さまは何も変わられていない」との人物評がくすぶる。ある宮内庁関係者はこう話す。
「将来の天皇である悠仁さまのご誕生以降、以前と比べるとお立場を考えられた言動が増えたように思います。でも、現在も思いつきでついつい迂闊な発言をしてしまわれるように、本質は何も変わっていないのではないでしょうか」
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『皇族は政治的なことの発言をしない。これは基本』
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No.2 主 応和
19/05/23 06:49:36
■「皇族は政治的なことの発言をしない。これは基本」
昨年12月26日、政府は国際捕鯨委員会を2019年6月末に脱退することを公表したが、この捕鯨問題についても秋篠宮さまは触れられたことがある。
2015年、イルカの追い込み漁を問題視した世界動物園水族館協会(WAZA)が、日本動物園水族館協会(JAZA)の会員資格を停止したことを受けて、JAZAが追い込み漁で捕獲されたイルカの入手を禁じたことについて、JAZAの総裁を務める秋篠宮さまはJAZAの総会で「今回の意思決定は協会全体として将来的にプラスに働くと思う」と述べられたのだ。
この発言は、捕鯨問題という政治課題について皇族が言及したものとして問題視された。秋篠宮さまはこの発言について、この年の誕生日会見で「皇族は政治的なことの発言をしない。これは基本」とした上で、「イルカの追い込み漁それ自体について何か言ったつもりはなく、文化の問題と組織の問題を分けて考えるべきではないかと思って話をしました」と補足された。
実は昨年11月の秋篠宮さまの発言は、誕生日会見の中の関連質問と呼ばれる質問に答えたものだった。宮内記者会に対する秋篠宮さまの誕生日会見は、記者クラブ側から事前に質問の文面を示す5問の質問と、その後、挙手で2問程度、質問を受け付ける関連質問で構成されるが、秋篠宮さまの“政治的ご発言”は、この関連質問に答えたもの。いわばアドリブである。
「唯一の失言ともいえる『人格否定発言』の余波に、長年翻弄されてきた皇太子さまですが、御代替わりを目前に控えて宮内庁内部で危惧されているのはむしろ、繰り返される秋篠宮さまの、こうした『政治的』なご発言なのです」(同庁中堅幹部)
皇太子さまは今年の誕生日会見で、即位にかかわる一連の皇室行事について、「政府が決定をした内容について、私がこの場で何か述べることは控えたいと思います」と明言された。
これから事実上の皇太子に当たる皇嗣となられる秋篠宮さまの発言には、これまで以上に慎重かつ丁寧さが求められてくる。御代替わり後、いわゆるハネムーン期間(=米大統領が就任後100日間は批判されないこと)の後に、国民の厳しい目にさらされるのは、公務の遂行に懸念がある「雅子皇后」となるであろう。だが、その次に国民の目が向けられるのは、他ならぬ「文仁皇嗣」なのだから。
(「週刊文春デジタル」オリジナル記事)
https://bunshun.jp/articles/-/11989
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