- 友募・馴れ合い
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どうしても聞きたいことがあった
どうしても話したかった
私には手が届かないはずの誰かが落としたか何かの間違いで転がっていた大切な宝石を拾った
その宝石はとても美しくって涙が溢れるくらい純粋で
少し古びていて、新品じゃないからこそ余計に思うところがあった
誰かが何かが守っていたはずの高価なもの
単純に不思議だから拾って眺めてるうちに
こんな私でも宝石の価値を知ってしまうほどに魅力的になった
装いでもいいから取り繕いでもいいから
宝石になりたかった
身につけたかった
似合うようなヒトになりたかった
だけどあまりにキラキラして眩しすぎる反面
手にしてると少しずつ錆びてきて
修理に出すか捨てるかそのまま持っているか考えた
出来ることなら、錆びていても身につけていたいと思った
それが出来なくて、元に戻すことも出来なくて
結局持ち主を必死に探してしまって
盗んだことを話した
純粋な思いだったのに、いつしか抱えきれなくなって
ただの盗みになってしまったんだ
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19/05/30 23:27:25