「あんたのお乳は腐っている」―医療関係者のトンデモ助言に泣く母親たちよ、立ち上がれ!

匿名

ろくぶんぎ

18/10/15 15:16:10

森戸やすみ
小児科専門医

 私は小児科医をしています。赤ちゃんが生まれてまもなくの1ヶ月健診を多く担当しているので、母親になったばかりの女性たちから「こんなことを言われたんですけれど、どうしたらいいですか?」という質問を受けます。いわく「帝王切開で生まれると我慢しない子になる」「ミルクを飲んで育つとすぐキレる子になる」「授乳中の母親が睡眠不足に耐えるのは当然」「あんたのお乳は腐っている」「乳製品(肉、甘いものなど)を食べるから乳腺炎になる」......など。実の母、お姑さん、親戚という場合もありますが、助産師に言われたというお母さんたちが困惑して相談してくることもあります。医学的根拠のまったくないトンデモ助言と言わざるを得ません。

 Twitterで聞いたところでは、「母親が食べているもののせいで母乳がまずい」「子どもの髪がストレスで立っている」「お腹にいた時の癖がついて子どもの背骨が曲がっているから、マッサージをしなさい」「予防接種はせず、自然に病気に懸かって免疫をつけるのがいい」と言う助産師もいたそうです。医療を学んだ者の言葉とは思えずため息が出ます。

 一方、こういったトンデモ助言で追い詰められる母親はどういった人でしょう。多くは子育てに詳しい相談相手が身近にいない女性です。核家族化の影響により乳幼児が身近にいない環境で育ったため、自分の子が初めて抱っこした赤ちゃんであることが稀ではありません。私から見ると丁寧に几帳面に育児をしているように見えますが、本人は不安でいっぱいです。赤ちゃんが何時に起きて眠って、何時に母乳を飲み、何mlミルクを飲み......とノートに書いています。それを健診時に私に見せ、「ミルクの量はこれでいいでしょうか? 洋服は何枚着せたらいいでしょうか?」と質問します。

 相談をされる私たち医師は、育児の専門家ではありません。病気の治療を求められてきました。育児は科学ではないので、医師が普段頼りにしている科学的手法は馴染みません。赤ちゃんたちを2群に分けて実験してみるわけにいきませんね。実験内容によっては倫理的に問題が出てきます。また、育児は実は様々な知識と技術が必要な壮大で長期間かかる仕事ですが、医師が知っているのは、育児の中でも医学的側面だけです。教育学的側面、栄養学的側面、被服学的側面などに関しては知識がないので、子どもの教育方法、離乳食の進め方、いつ何を着せたらいいか実は知りません。医学部で習うことはないので、仕事上必要性を感じた医師は、改めて勉強すると考えて下さい。医師によって知識にばらつきがあります。だから、赤ちゃんに接することの多い小児科医・産婦人科医でさえ、提示する育児法は違うし時代によって移ろいます。

 育児の専門家とみなされている助産師や保健師はどうでしょう。それぞれ指定学校・指定養成所を卒業し、国家試験に合格して初めて得られる資格を持っています。しかし残念ながら、前述のようなトンデモ助言をする有資格者が存在します。お母さんたちを傷つけるような発言をするという意味では医師も非難されることがありますが、さすがに前述のような非科学的で荒唐無稽な助言をした例は少ないと思います。

 少子化の現在、多くの女性が生涯一度か二度のお産です。育児について相談できる人が身近にいない。助産師に相談したらトンデモ助言が返ってきた―独りで悩んでいるお母さんも少なくないでしょう。どうすれば子育てに役立つ確かな情報が得られるでしょうか?

 意外にも皆さんがすでに持っている母子手帳に役立つことがいろいろ書いてあります。母子手帳は医学的な研究結果を反映し、時代に沿ったものになっています。

>>1に続く

コメント

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  • No.17 ヘルクレス

    18/10/16 08:09:26

    >「ミルクを飲んで育つとすぐキレる子になる」

    少年の凶悪犯罪が最も多かった世代(今の70~80代)が子供の頃は、粉ミルクなんかなかったハズなのにねー(笑)

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