- 友募・馴れ合い
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1983年1月26日、名古屋高裁、控訴棄却 死刑判決
1987年7月9日、最高裁、上告棄却 死刑確定
1995年12月21日、死刑執行。木村、享年45。恩赦出願の決定を通知されないまま執行された。
被差別部落に生まれた木村は、大きな隠し事を持って生きなければならない辛さを身にしみて感じていた。また父親のいない寂しさを抱えて育った。
せめて自分の子供たちにはそうした想いをさせたくないと考えていた木村だが、彼の子供たちもまた父親と同じ気持ち、いやそれ以上の悲しさと隠し事を抱えて生きていくことになった。
この罪深い父親は、生前獄中から2人の子供に向けて最初で最後の手紙を書いていた。
私のような人間を父親にもったことはあなたたちにとってどれほど大きな不幸か。
まさに千載の痛恨事というべきことでしょう。
子供には親を選ぶことなどできません。
父親が殺人犯であり、死刑囚であるという動かし得ない決定的事実。
いくら呪おうと、いくら悲嘆にくれようと自分が殺人犯・死刑囚の子供であるという事実。
これほど残酷な事実を背負わされた人生が他にあるだろうか、と・・・・。
しかし、○○君、□□君。
これはとても難しいことかも知れませんが、誰をも怨まずに生きてほしい、とお父さんは思うのです。
あなたたちに怨まれるのが嫌だから、というのではありません。
怨まざるをえないような人生を与えたのだから、お父さんはいくら怨まれても構わないのです。
お父さんを怨むことによって、あなたたちが強く生きられるのであれば、お父さんはむしろ嬉しい位です。
お父さんが誰をも怨まずに生きてほしい、とあなたたちに言うのは、怨まれる人のことなんかより、人を怨んで生きなければならない、そのことが人間にとって何にも増して不幸なことだからです。
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18/11/20 22:42:33