ジャーナリスト・安田純平さん長期拘束 政府、力尽くしたか 尾を引く「自己責任論」

匿名

赤天

17/05/03 12:21:19

安田純平さん(43)を覚えているだろうか。2015年、シリアで行方不明となり、反政府勢力「シリア征服戦線(旧ヌスラ戦線)」に拘束されたとみられるジャーナリストだ。最近、政府が救出に動いているといった報道を聞かない。このまま解決しない日々を重ねていくのか。【藤原章生】

 安田さんの場合、発生から1年10カ月が過ぎ、歴代2位の邦人拘束の長さだ。進展が見られない中、家族や友人が「忘れないで」と声を上げ始めている。4月15日には記者や学者らが東京都内で集会を開き「政府が積極的に動いている様子が見えない」と訴えた。米政府がシリア征服戦線に拘束された米国人を救い出すため、20カ国以上に協力を求めた例を挙げ、日本政府に解放への行動を求めた。

 同じ戦線に義勇兵として参加しているウイグル人に接触できる人脈から、安田さんの安否情報に肉薄してきた中央大講師の水谷尚子さんは「解放に向けた鍵となるトルコの機関などに日本政府が働き掛けた痕跡がなく、積極的に動いているとは思えない」と批判する。99年8月にキルギスで起きた政府機関派遣技師誘拐に比べ国の対応が明らかに違うと指摘し、「政府が熱心ではないのは安田さんがフリージャーナリストだからではないでしょうか」と語る。

 日本では小泉政権を境に被害者への風当たりが強くなった。04年にイラクで3人が拘束された際、小池百合子環境相(当時)が「危ないと言われているところにあえていくのは、自分自身の責任の部分が多い」と言い切ったのをはじめ、閣僚らが「自己責任」という言葉を流布させた。この造語を報道機関は批判せずに垂れ流す過ちを犯した。

 「政治家が決して口にしてはいけないことを言い、『自己責任』を国民に浸透させた。だから、良識のありそうな人が『1人を救出するために国税を使うのは』と平気で言う時代になってしまった」とは、ジャーナリスト、高世仁(たかせひとし)さんの言葉だ。映画監督の綿井健陽(たけはる)さんは政府の対応をこう例える。「救急救命士ならば、死にひんしている相手が自殺志願者だろうがテロリストだろうが、命を助ける。それが医療の倫理です。被害者の属性に関わらず、政府は(自国民に対し)最大限の救出活動をするのが大前提のはずなんです」

 単独の邦人誘拐では86年発生の三井物産マニラ支店長誘拐事件が記憶に残る。発生から4カ月半後の解放まで、多くの人々が若王子信行さんの無事を祈った。解放交渉に当たった元衆議院議員、山口敏夫さんは「アキノ比大統領に会い協力要請をしたのをよく覚えている。政府は失敗を恐れ表に立ちづらいので議員外交で解決を図ったんです」と振り返る。国会論戦も盛んで、中曽根康弘首相(当時)はこう答弁している。「全く胸を痛めており、奥様やお子さんの身になってみますと、どれぐらいご心配なさっているか。私の特使として梁井(新一)外務審議官を、自民党総裁特使として石原慎太郎議員その他をフィリピンに派遣し、早期救出を強く要請しました」(一部略)

コメント

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  • No.13 赤天

    17/05/03 12:52:22

    戦場に勝手に行ったのだから自己責任、と言うからにはパスポート没収とか家族や職場に嫌がらせしたりとかで行かせないようにする日本政府を「自己責任なのだから口や手を出すな」と徹底批判しないといかん。

  • No.12 赤天

    17/05/03 12:50:19

    ネットで好きな話だけ集めて「記者」のくせに全く取材せず全て知った気になるアジア記者クラブは、二言目には在日認定するネトウヨと変わらない。日本はネトウヨが目立って右傾化してるように見えるかもしれないが、右も左もこういうどうにもならないレベルの人が異常に増えてしまっただけだと思ってる

  • No.9 赤天

    17/05/03 12:41:35

    戦争を止めるためだったはずの「人間の盾団」
    加藤健二郎氏が4月2日に加わってから、盾団の心と行動は悪の囁きに導かれていった。


    頭上を飛ぶ「ビシュン」という銃弾の飛翔音に、神崎くんは「おぉぉぉぉ!」と感激。
    4月5日のドーラ地区地上戦で、浄水場の人間の盾団は、伏せることと飛翔音の聞き分け
    をすでに体得。

    飛翔音が「ヒュー」から「シュー」になっていったら、弾道は遠ざかってることを盾団は
    すでに知っていた。匍匐姿勢から立てひざに姿勢を高くする。
    右から、看護士の繁子、元信濃毎日新聞の純平、裸足のフランス人ナディア、
    大学生パッカーの今村、民宿のオヤジ杉本カメラマン、双子の元サラリーマン神崎。

    人間の盾団生活、楽しそうでしょ?

    そりゃ楽しいよ。楽しくてたまらんね。ジャーナリストとして登録している人たちはほと
    んど立ち入ることの許されないバグダッド南方ドーラ戦線で、毎日、こんなことやってた
    んだからさッ。
    昨夜、シャワーを浴びてて空爆シーンを逃した安田純平くん。

    ドーラ戦線絶好調!!!
    イラク軍弾薬庫がドッカーーーーン!!

    イラク人の制止を振り切って浄水場から飛び出し、半身塹壕でビデオを回す。
    相澤恭行(左)と志葉玲(中)。呆れるイラク人(右)。

    バグダッド攻防戦最後の激戦地、バグダッド大学攻防戦は3時間に及んだ。
    ドーラ浄水場は、バグダッド大学とチグリス川を挟んで対岸。
    最後まで、人間の盾団ドーラ浄水場は戦争見物特等席。

    京都大学の学生くんでバックパッカーの今村くんは、ドーラに侵攻した米陸軍第3師団の
    AT-4(M-136)対戦車ロケットを盗んできてしまった

  • No.6 赤天

    17/05/03 12:33:44

    トルコでも爆破事件があったし、コバニなんてあのあたりではかなり安全といえるんでないか。いまだに危ない危ない言って取材妨害しようなんて恥曝しもいいところだが、現場取材を排除しつつ国民をビビらせたうえで行使するのが集団的自衛権だろうからな。

  • No.5 赤天

    17/05/03 12:29:52

    シリアのコバニには欧米からもアジアからも記者が入っていて、フェミニストの若い女性やら学生メディアやってる大学生やらまで集まっているが、日本は経験ある記者がコバニ行っただけで警察が家にまで電話かけ、ガジアンテプからまで即刻退避しろと言ってくるとか。世界でもまれにみるチキン国家だわ。

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  • No.1 赤天

    17/05/03 12:23:15

     今の国会は、安田さんに関心があるのか。拘束下の安田さんの映像がネットに流れた昨年3月以降、委員会で安田さんの名が6回取り上げられたが、いずれも「情報収集など、しっかりと対応していきたい」という同じ政府答弁で終わった。あえて政府の姿勢を追及する議員もなかった。「人の命はてんびんにかけられないけど、(政府は)安田さんを軽んじていると誤解される要素はあるよね。事実そういう部分もないとは言えないね」と山口さんは見る。
     時代の違い、あるいは、この国の根にある何かが影響しているのか。
     シリア周辺で活動するジャーナリストの藤原亮司さんはこう語る。「日本人は他罰的で失敗した者を許さない厳しいところがある。他者をたたくことで、自分の正しさを確認するのです。このため、安田さんや後藤健二さん(フリージャーナリスト・15年1月にシリアで死亡確認)をたたくだけでなく、例えば川遊びで亡くなった家族を『無謀だ』『無責任だ』と非難してしまうのです。このような気質が、安田さん軽視の風潮に影響しているのでしょう」
     安田さんと前後しスペイン人やイタリア人、ドイツ人が戦線に誘拐されたが、政府の尽力で解放されている。前出の水谷さんは「こうした国々には『神の下の平等』という考えが基本にある。でも日本の為政者にはそれがない。国を超えて共有される道徳がないのが嫌ですね」と話す。
     安田さんと親交があった藤原さんはこう信じている。「安田さんは拘束されながらも、シリア情勢の情報を、断片であっても得ながら取材を続け、いずれそれを伝えるために生き延びようとしているはずです」
     安田さんがいくら強くても、1年10カ月は長い。10カ月の拘束後、昨年5月に解放されたスペイン人ジャーナリスト、アントニオ・パンピリエガさん(35)はこう話す。「誘拐が私の人生観を変えた。解放された今は仕事や取材より周囲との人間関係をより重んじるようになった。もし安田さんに伝わるなら『とにかく絶望せず、いつも笑顔で耐え、耐えきれなくなったら心の中で家族に語りかけ助けを求めろ。必ず救ってくれるはずだ』と言いたい」。安田さんはどんな思いでいるのか。

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