- ニュース全般
- 匿名
- 15/07/29 15:18:03
技能実習に来て日本の印象が悪化-。外国人技能実習制度に参加するベトナム人を対象にしたアンケートで、こんな結果が出た。劣悪な生活環境や低賃金労働などが背景とみられ、調査した龍谷大(本部・京都市)のベトナム人留学生、グエン・ヒュー・クィーさん(27)は「多くが日本に悪い印象を持ったまま帰国しており、両国関係に深刻な影響を与えている」と指摘している。
アンケートは平成26年10~11月、ベトナム人実習生100人以上にメールなどで依頼し、38人から回答を得た。その結果、97%(37人)が来日前の日本の印象を「とても良かった」または「まあまあ良かった」と回答したが、来日後の印象では58%(22人)と、約40ポイント減少。来日前は一人も選ばなかった「印象はあまり良くない」は37%(14人)に上った。
自由記述では「給料が安い」「単純作業ばかりで帰国後の就職に役立たない」など待遇や労働内容への意見のほか、「自由がない」「狭い部屋に大人数で住まわされる」といった生活環境の不満もあった。
また、実習生の多くが「アンケートへの協力が受け入れ先に知られれば報復されかねない」と回答を断ってきたという。
クィーさんは「意見すら言えない人が多く、実態は深刻。制度見直しの必要性を日本社会に伝えていきたい」としている。
制度は、人手が集まらない企業が実習名目に、立場の弱い外国人を劣悪な条件で働かせている事例が多く、国内外で批判がある。
結果は3月、龍谷大の研究団体の発行誌に掲載された。
外国人技能実習制度
途上国の外国人を実習生として企業や農家で受け入れ、技術習得を目的に働いてもらう制度。平成5年に導入した。繊維や機械、農業など多様な業種で実施しており、政府は介護職にも拡大する方針。26年末の実習生は約16万7千人。出身国は中国が最多だが、近年はベトナム人が急増している。
- 0 いいね