戦争をすると言った人 へのコメント(No.194

  • No.194 ロシアの話が出てるから

    11/10/26 23:45:37

    ここに貼らせてね。感慨深い話だったから。長文です。

    ◇失われたカミを求めて 三波春夫が見つめた「絶対者」 
    産経新聞 10月26日(水)15時26分配信

     「お客さまは神さまです」

    戦後の歌謡史にのこる名言を吐いた三波春夫が逝って、ちょうど10年になる。
    発言の底には、過酷なシベリア体験が横たわっているように思えた。(文・福嶋敏雄)

     稲の根もとが斜めにスパッと刈られ、茶褐色になった田んぼが、ひろがっていた。
    山々は遠くかすみ、手前には民家や農家が点在している。

     JR信越本線塚山駅でおり、クルマが行き交う道路から農道に出た。
    現在は長岡市に編入されているが、かつては三島郡塚山村塚野山という地名であった。

     やがて左手の公園に、西日を受けた像のシルエットがくっきりと見えはじめた。
    見なれたポーズの三波春夫像であった。
    両手をひろげ、口元にはやわらかい笑みを浮かべている。

     脇には「三波春夫名曲集」というボックスがあり、「チャンチキおけさ」や「東京五輪音頭」など5曲が収録されていた。
    ちょっと恥ずかしかったが、「チャンチキおけさ」を押してみた。

     大気が澄んでいるため、CDなどで聴くよりも、よく響きわたる歌声が、這(は)うように吹いてくる風に乗ってながれた。
    ひさしぶりに聴く美声であった。

     この地で生まれた三波は、父親の商売が失敗し、13歳で上京した。
    南條文若の芸名で浪曲師となったが、召集され、シベリアで4年間の収容所生活を体験した。

     昭和32年、「チャンチキおけさ」でデビューし、いきなり大ヒットとなった。
    以降の活躍は、はぶく。

    こだわりたいのは「神さま」発言である。

     三波の記憶では、36年春、関西のある地方の公演で、司会の宮尾たか志が「座長、今日のこのお客さまをあなたはどう思いますか」と尋ねた。
    三波はとっさにこたえた。

     「そりゃもう、ありがたい。お客さまは神さまのようです」

     以来、三波といえば、この「神さま」発言が定番となった。

    ことし4月、瀬戸内寂聴の日本経済新聞での連載「奇縁まんだら」で取りあげられたさい、三波はこう語ったという。

     「ステージが天、客席は地、その間にいる絶対者こそがお客さま、それが神さまです」


    続く。

コメント

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返信コメント

  • No.195 続き

    11/10/26 23:48:09

    >>194
     「絶対者」というコトバに引っかかった。

    無意識だろうが、その底には、シベリアで体験した、もうひとりの「絶対者」が屹立(きつりつ)していたはずである。

     本名=ヨシフ・ヴィッサリオノヴィチ・ジュガシヴィリ。

    スターリン(「鋼鉄の人」の意)である。

     広大にひろがるユーラシア大陸の、東はカムチャツカ半島やハバロフスク、西はカスピ海の付近まで、赤や紺、黒色の丸い印が点在している。

    赤は2万人以上、紺は1万人以上などとあり、その多くはシベリア鉄道沿いにあった。

     旧厚生省が、終戦直後に作成した日本人収容所の分布図である。
    抑留者は60万人から80万人とされるが、正確な数字は分からない。

     「鋼鉄の人」が労働力不足をおぎなうために作らせたラーゲリ(収容所)には、日本人だけでなく、ドイツ人やロシア人の政治犯ら、3千万人から4千万人が収容された。

    まさに「収容所群島」であった。

     囚人を苦しめたのは、慢性的な食糧不足と寒さであった。

    評論家、内村剛介の『生き急ぐ』によると、1日の食事は「砂糖9グラム、塩漬けのニシン22グラム、黒パン550グラム、茶5グラム」であった。

     頻繁に汽車で移動させられた。

    画家、香月泰男の「シベリア画集」には、亡霊のようにやせ細った囚人たちが、車両の鉄格子から顔をのぞかせた作品があった。

    詩人の石原吉郎は、行間から屍臭(ししゅう)がただよってくる「葬式列車」を書いた。

    続く

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