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>>18501
産経新聞前ソウル支局長に無罪判決が下った韓国の名誉毀損罪って、どんなもの?
前田恒彦 | 元特捜部主任検事
2015年12月19日 7時0分配信 ロイター
韓国で朴槿恵(パク・クネ)大統領らに対する名誉毀損罪に問われ、在宅起訴されていた産経新聞前ソウル支局長に対し、無罪判決が下った。
ただ、ソウル中央地裁は、前支局長が産経新聞のウェブサイトで配信したコラムの内容を虚偽であると断じた。
では、なぜ無罪という結論が導かれたのか。
ここでは純粋に法律的な見地からその理由を示したい。
○わが国の名誉毀損罪
理解の前提として、わが国の名誉毀損罪に少し触れておきたい。
わが国の刑法は
「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する」
「死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない」
と規定している(230条)
これがわが国の名誉毀損罪だ。
ポイントは、死者に対するものでない限り、摘示した事実の真偽を問わないし、不特定または多数の者が認識し得る状態で事実を摘示すればよく、口頭や出版、ウェブサイトを通じた配信など、どのような方法でも構わないという点だ。
人の名誉を毀損することを認識しながら公然と事実を摘示すればアウトであり、それに加えて「人を誹謗(ひぼう)する目的」までは犯罪成立の要件とされていない。
また、最高刑は一律で懲役3年とされており、摘示した事実が虚偽であれば情状面で考慮するというスタンスだ。
ただ、「言論の自由」とのバランスを図る必要もあるので、起訴に至っていない犯罪に関する事実など「公共の利害」に関する事実であり
専ら「公益を図る目的」であって、「真実」であると証明されたときは、罰しないとしているし
同様に公務員や公選による公務員の候補者に関する事実についても
「真実」であると証明されたときは、罰しないとしている(230条の2)
起訴によって事件が知れ渡り、名誉毀損の被害が拡大するおそれがあることから、被害者らの告訴がなければ起訴できない(232条)
続く- 0
15/12/19 21:38:34