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■8.活用し損ねた歴史の叡知
こうして朝鮮半島の歴史を通観して見ると、
日清、日露、朝鮮戦争という3つの戦争とも、
同じ構造をしていることが明らかになる。
韓民族が内部抗争に勝つために、
それぞれ周辺諸国を戦争に引きずり込むというパターンである。
通常の民族のように、韓民族が一つにまとまって独立統一国家を作っていれば、
中国、ロシア、日本の緩衝地帯となり、東アジアの平和が保たれていた可能性もある。
そう考えると、韓民族は「東アジアのトラブルメーカー」だ、という石平氏の指摘は説得力を持つ。
韓民族が内部抗争という宿痾を自ら克服できないなら、今のように南北でせめぎ合い、結果として日米中ソの緩衝地帯になっている方が良い、というのは、冷酷な地政学的戦略から言えば、合理性がある。
米中とも、現在はその戦略をとっているのだろう。
だから、北朝鮮で膨大な餓死者が出ようと、各国は手は出さないのである。
これが冷厳な国際社会の実態である。
「半島とは一定の距離をおいて、韓民族内部の紛争にできるだけ関与しないようにするのが、もっとも賢明な道」
とは石平氏の結論であるが、
この本で半島の歴史を丹念に辿ってみれば、頷くしかない結論である。
この結論は、日清戦争前に金玉均が残忍な方法で処刑された後、
彼を支援していた福沢諭吉が『脱亜論』で
「我れは心に於て亜細亜東方の悪友を謝絶するものなり」
と語ったのと同じである。
この叡知を当時から活用していれば、我が国の近代史もまた別の形になったであろう。
我々は歴史の叡知を活用し損ねたようだ。
(文責:伊勢雅臣)
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16/07/15 22:52:14