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- 19/03/26 22:31:28
◆産経新聞 03/26 18:11
前橋市で平成23年5月、当時1歳4カ月の女児、城田麻雛弥(ますみ)ちゃんが母親の知人の女から「悪魔払い」と称して暴行を受け、死亡した事件で、再発防止策を提言する群馬県の社会福祉審議会部会(部会長=小川恵子・県看護協会監事)は26日、検証結果の報告書を県に提出。子供の状態に着目し適切に対応すれば防げた可能性があるケースだと結論づけ、小川部会長は「再発しないようしっかり取り組んでほしい」と要望した。提言は県内の各市町村と児童相談所に配布される。
事件は23年5月2日午後に前橋市で発生。霊能力を持つと自称する無職の「中島順聖(せいしょう)」こと北爪順子被告(66)=同市駒形町=が「悪魔払い」と称し、麻雛弥ちゃんを持ち上げ、床に投げつけるなどの暴行を加えて死亡させたとして、傷害致死の罪に問われた。前橋地裁は昨年3月9日、懲役9年を言い渡し、弁護側は即日控訴した。
報告書などによると、前橋市は22年9月から4回にわたり、麻雛弥ちゃんの顔や体にあざがあることを確認。市職員は家庭訪問を行い、母親や麻雛弥ちゃんと面会した。
だが、母親の受け答えに矛盾がなく、祖父母が同居していたことなどから、家庭訪問も計2回しか行わなかった。
また、児童相談所や県警が加わった前橋市要保護児童対策地域協議会(要対協)では情報共有が主とされ、児相は自らの対応ケースとして受理しなかった。
提言では、今回の事例について、保育園への登園状況やけがなど「子供の状態」に着目し、適切な対応をしていれば防げた可能性があると強調。両親の信仰が絡む特殊なケースだが、子供の命が脅かされる場合には毅然と対応する必要があるとした。
具体的な再発防止策としては、子供の状態を客観的に評価し、必要であれば立ち入り調査や一時保護の権限の行使で子供の安全確認・確保を徹底する▽要対協での情報共有だけでなく、個別ケース検討会議で具体的な役割分担や対応を検討する-ことなどが盛り込まれた。
事件を受け、県は小児科医や弁護士、子供教育の専門家ら計5人でつくる専門部会を発足し、昨年6月から計5回の会合を開いた。
取材に応じた県こども未来部の中村弘子部長は「これからの子供たちを守るために、(提言を)大切に受け継いでいかなければならない」と話した。
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