テラトーマって、少し前に話題になった事を覚えていますか？

今やすっかり話題から遠ざかった小保方さんの論文の時の不正があった画像の話ですね・・

何にでもなる事の出来る細胞を 免疫力が無いネズミさんに移植すると その細胞は何にでもなれるので

ネズミさんに移植した細胞は、

脂肪になったり
骨になったり
皮膚になったり
神経細胞になったり

様々な細胞に成長します

この移植した細胞が様々な細胞になった塊の事を【テラトーマ（奇形種）】と呼びます


さて、何故こんな話を唐突にしたかと言うと
この【奇形種】というのは若い女性にとって結構身近だったりするからです

それは・・

卵巣嚢腫

です


卵巣嚢腫というのは 卵巣にできものが出来て 大きくなってしまう病気なのですが
一口に卵巣嚢腫といっても 嚢腫の中身は様々です


卵巣嚢腫の中身は何か？を判別する事は 治療方針を考える上でとても大切です

卵巣嚢腫の中身で有名なのは

お水に近い成分
【単純嚢腫】

血液に近い成分
【子宮内膜症
チョコレート嚢腫】

さらに悪性のもの等もあります


さて、そんな卵巣嚢腫の中身から分類される内の一つが

【奇形種】

です

この奇形種ですが イメージ的には先ほどの小保方さんのネズミに出来た物とほとんど同じ様な形です

どうも、私達の体が卵から出来る時に 何にでもなる事のできる細胞（万能細胞に近いイメージ）が卵巣内に入り込んでしまうのが 原因では無いかと言われています

それが長い長い年月をかけて 卵巣内に色々な細胞が増えていき大きくなるというのが 卵巣奇形種の病態です

多くは５cm程度の大きさで 超音波によって見つかりますが 中には１０cm以上の大きさに 成長する事もしばしばあります

一般的な治療方法は 腹腔鏡や開腹手術で 卵巣嚢腫部分だけ切除して 正常部分を縫い合わせる【卵巣嚢腫摘出術】を行います


さて この奇形種ですが 先ほど説明した通り 様々な細胞が混じっています

皮膚の細胞
髪の毛
骨
脂肪
etcetc..

もう何でもありです
中身を見てみない限り何が出てくるか分からない・・

ただ、皮膚や髪の毛が混じっている事が結構多いです

私自身はiPS細胞を育てた事はありませんが iPS細胞等の、万能細胞は 適当に育てると皮膚や神経の細胞になり易いらしいので その辺りが関係しているのかもしれません


さて この【奇形種】の手術 私達はあまり好きではありません

何故なら 卵巣嚢腫を割った時に 中から出てくる 髪の毛がグルグル巻きになり 脂まみれになっているその様は アレに結構似ているのです

アレ・・・

長く掃除をしなかった 風呂場の排水口に溜まった 髪の毛の塊

うーーん

あまり思い出したく無い・・


さて そんな奇形種ですが 基本的には良性疾患なのですが ５cm以上の奇形種を ほっておくと たまにアクシデントに見舞われる事があります

次回は その話をしたいと思います

http://ameblo.jp/kyusan0225/entry-11869824643.html